今日は読書です。

 

本日はこちらの本。

 

 

『彼女はもどらない』 降田天 宝島社文庫

 

綾野楓は夫の悟とインコのポムと二人と一羽暮らし。楓は雑誌社に勤めていて児童向けの雑誌を担当していたが、付録につけたキャッチコピーが思わぬ形で読者から反感を買ってしまい、不本意ながら別の雑誌を担当することになる。

その雑誌で特集を組むことになった人物「そらぱぱ」は男性だが娘のためにいキャラクターのコスプレを作ってあげてると言う、話題の人物だった。

そらぱぱのブログを読み、移動で不機嫌だった楓はそらぱぱに向けて

「本当に子供を愛していますか?」と皮肉を交えたコメントをする。

しかしそれが相手の怒りを誘ってしまう。

そらぱぱである棚田の妻は5年前にマンションのベランダから転落して意識不明の状態で入院している。娘の美空のために棚田は娘の好きなキャラクターの洋服を作ってあげるのが趣味だ。普段は仕事が忙しくなかなか一緒にいてあげられない娘を想ってのことだ。ところがある日自分のSNSに色葉という人物から少し攻撃的なコメントを書かれる。棚田は徹底的に色葉のことを調べ上げる。

ある日、楓が愛用しているSNSを開くとそこには楓のハンドルネームである色葉に向けて攻撃的な言葉がいくつも並んでいた。なんと何者かが色葉の過去の日記を晒していたのだった。それは楓が忘れてしまいたいことで、現在は放置していた日記だった。日記とSNSはすぐ削除した。

しかし、そこから楓の日常が変わってくる。誰かにストーキングされてる感じ。

住んでるマンションのごみ置き場では物騒なことが起きたり・・・。

夫の悟には過去のことを話してないため相談できず、楓はどんどん追い詰められていく。

 

とても読みやすくて話も面白くすいすいページが進む作品ですね。

 

ネットでちょっと批判的なコメントを書いてしまったが故に思わぬ形で

 

炎上してしまい、楓はどんどん追い込まれていく。

 

味方だと思っていた「いちごバンビ」を新しく作ったアカウントに呼び寄せるが、

 

その「いちごバンビ」からのメッセージが尋常じゃないものに変化していく、

 

気味が悪くなった楓は「いちごバンビ」をブロックするが、楓の周りで起こる

 

物騒な出来事はエスカレートしていく。

 

仕事ができるしっかりしたカッコイイ女性だったはずの楓のプライドは

 

どんどん引き裂かれ、そして気持ちはどん底に落とされていく。

 

それでも夫に心配をかけまいとふるまうが・・・・

 

評価は★5

 

プロローグから騙された感じ(笑)

 

改めてネットの怖さを思い知らされる作品ですね。

 

楓と棚田の様子が交互に書かれていて読みやすさは抜群。

 

多分早い人なら数時間で読み終わると思います。

 

そして、ラストに向けて、え?って感じで驚かされます。

 

多分皆さん途中気づくことなく読み進めて驚くと思います。

 

そういうことだったの?って感じですね。

 

見事に読者を騙した作品になっていると思います。

 

ちょっと疑問が残る点もあるのですが、ストーリーの面白さから

 

評価は5をつけさせてもらいました。

 

降田さんの他の作品も読みたいですね。毎回探してるんですが、

 

なかなか見つからないんですよね。。。(笑)