広島交響楽団 プレミアム定期演奏会

〈世界への扉 vol. 1〉 ライジング・サン

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指揮:  ハンヌ・リントゥ

ピアノ: カティア・ブニアティシヴィリ

日時:2017.11.15 (水) 19:00〜

会場:ザ・シンフォニーホール(大阪)

曲目:
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広響のプレミアム定期の大阪公演に行ってきました。
とても感動しました。

1曲目は、ストラヴィンスキーの『葬送の歌』です。
2015年に楽譜が発見され、 今回が日本のオーケストラとしては、初演となる作品です。
短い曲ですが、ゆったりとした聴きやすい曲でした。

なんといっても、本日の白眉は、カティア・ブニアティシヴィリのソロによるチャイコフスキーの『ピアノ協奏曲1番』です。
一言で言えば、このようなチャイコフスキーのコンチェルトを実演で聴くのは初めて!です。
カティアさんの音色、集中力、テクニックの素晴らしさを堪能しました。
音楽に対する深い愛が感じられる感動的な演奏でした。
素晴らしいのは音色です。フォルテシモは深くて大きいけれど決して暴力的でなく、ピアニシモの美しさは言葉では表し難いのですが、上質なオルゴールの柔らかなロングトーンを思わせるような音で愛おしみ語りかけるような説得力のある弱音は限りなく小さな音でありながら、柔らかで太さがあり、細くないので消えることはないのです。
オケと共に音楽を作りあげていく姿勢が見えました。
カティアさんの演奏といえば、そのスピードですが、速くても完璧です。
2楽章の管楽器との語り合いも愛に溢れていて感動しました。フルートなどの管楽器のソロも良かったです。

ソリストアンコールは、広島公演と異なる曲で、ドビュッシーの『月の光』とリストのメフィストワルツ』でした。ドビュッシーは弱音でこの上なく美しかったですし、リストは鮮やかなテクニックをさらりと披露してくれました。

休憩後のバルトークもまた、素晴らしかったです。どこで聴いても聴き映えのする曲ですが、リントゥの意図する音色を出していた広響は本当に凄いと思いました。
今回は、東京にいる娘がこの定期演奏会のために帰省してくれて、2人で聴きに出かけました。
娘はちょうど前週に、都響でリントゥの指揮の『クレルヴォ』を聴いてフィンランドの空気に触れて感動したばかりでしたが、すこし残念だったことにリントゥの意図する北欧のイメージを都響が掴みきれていなかったと申していました。今回の広響は、音色を見事に変化させて音楽を作りあげていかれました。この曲がよい曲だなぁと感じたのは初めてのことかもしれません。

大阪のお客様は、カーテンコールはほとんどせず、演奏が終了すると淡々と帰って行かれるイメージだったのですが、鳴りやまぬ拍手に何度かカーテンコールがありました。大阪のお客様の暖かさがとても嬉しかったです。

終演後は、カティアさんのサイン会がありました。サイン会には長蛇の列ができていました。
一人一人に笑顔で対応されて、ツーショット写真にも気軽に応じていらっしゃいました。

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サイン会の最後に並び、ほんの少しだけカティアさんとお話しをすることができました。娘は、カティアさんの国、ジョージア(グルジア)にピアニストとヴァイオリニストの友人が数人いて、その方々はカティアさんとも親しいそうなのです。
ジョージアの人達は暖かい人柄の人ばかりだそうです。「ジョージアは、貧しい国なので皆が協力しあって生きているんだよ」とジョージアの友人達から聞いていた娘。カティアさんにジョージアのお話をしたら、カティアさんは嬉しそうに娘のほっぺをすりすりと撫でてくださいました。とても暖かい方でした。カティアさんの音楽にも現れる暖かい人柄と愛の原点は、ジョージア人としての人柄かもしれません。

感動も覚めやらぬまま、最終の新幹線で福山に帰りました。

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(サインをしていただいたCD