2016年も、残すところあとわずかとなりましたね。
一年を振り返りますと、今年も、たくさんの素晴らしい演奏会を聴かせていただきました。
その中で、特に、心に残った演奏会をひとつずつあげていきます。
《シンフォニー編 》
7/23 秋山和慶指揮 ベートーヴェン 『第九』
(ピース・アーチ・ひろしまコンサート)
ソプラノ:ニコール・カベル
メゾソプラノ:藤村実穂子
テノール:クリスティアン・エルスナー
バス:アダム・パルカ
合唱:東京オペラシンガーズ
管弦楽: 広島交響楽団&シンフォニア・ヴァルソヴィア
何と言っても、一番よかったのは、この7/23の第九です!
第九を良い曲だなと思ったのは、この時が初めてかもしれません。
指揮、オケ、合唱団、ソリスト、全てが素晴らしくて感動しました。
《コンチェルト編》
9/24 ラルス・フォークトのモーツァルト
パーヴォ・ヤルヴィ指揮
モーツァルト ピアノ協奏曲 27番
管弦楽: NHK交響楽団
9/30 デニス・マツーエフのプロコフィエフ2番
パーヴォ・ヤルヴィ指揮
プロコフィエフ ピアノ協奏曲2番
管弦楽: NHK交響楽団
今年は、素晴らしいソリストによるコンチェルトをたくさん聴きました。
アルゲリッチ、ツィメルマン、バレンボイム、パユ、アンスネス、などなど。
どれか1つ、一番を決めるのは非常に難しいです。
絞りに絞って、2つを選ばせていただきました。
フォークトのモーツァルトは、思い出すたびにジーンときて涙が出そうになります。本当に美しかったです。今年はモーツァルト生誕260年で、たくさんのモーツァルトを聴きました。バレンボイムもよかったのですが、フォークトのモーツァルトは、胸が苦しくて切なくなるような美しさがありました。ダントツです。
モーツァルトはシンプルですが、素晴らしい演奏をすると、他のどの作曲家の曲をも凌駕するということをあらためて感じました。
それから、何と言っても、マツーエフ。やっぱり彼はすごい。そして、このプロコ2番は開いた口が塞がらないほど圧倒的に素晴らしかったです。
《室内楽編》
10/24 レ・ヴァン・フランセ
(オペラシティ コンサートホール)
室内楽は、レ・ヴァン・フランセで決まりです。
天使たちが楽器を奏でているように、輝かしくて、清らか。。美しい音色に癒されました。
ル・サージュのピアノは、管楽器に合わせて、非常に繊細かつ煌びやかで、多彩な音色でした。
前面には主張しないのだけど、絶妙の合わせで、名手揃いのアンサンブルのクオリティをさらに高められました。
《リサイタル編》
リサイタルは、絞りきれないです。
トータルのプログラムでは決められないけれど、この曲が良かった、というのはたくさんあります。
プレトニョフのモーツァルトのソナタK457は素晴らしかったし、ムターのロンド・カプリチョーソも素敵でした。エレーヌ・グリモーのフランス物もよかったし、アンスネスのシベリウスも好きでした。
横山先生の、バッハ=ブゾーニ シャコンヌや、ベートーヴェンの月光ソナタ、ショパン 幻想ポロネーズは、やはり素晴らしかったです。
。。ところで、私のブログは大甘で、褒めてばかりのようにみえると思います。
根っこのところでは辛口の私。つい、キツくなりすぎるので、よくなかったものについては、書かない、触れない主義なのです。
ですから、良かったと書いているものは、全て正直な感想です。
とはいえ、今年聴いた中で、残念だった演奏についても、少しだけ、この場でふれておきたいと思います。
ピアノリサイタルについて。
あえてアーティストは特定しませんが、今年最初に行ったリサイタルは聴いていて辛かった。
(一応ブログは書きましたが、演奏会カテゴリーには入れていません。)
楽譜を見て弾くのは全然構わないのだけど、それは上手な演奏に限ります。厳しいことを言わせていただくと、プロならば、弾けてない曲は演奏会にのせるべきではない。暗譜していないなら、なおさらです。
現代曲やサティは(100歩譲って)許せるとしても、シューベルトは許せない。一緒に行った友人とふたり、打ちのめされました。帰りの車の中でしばらく無言。。沈黙を破って友人から出た言葉は、『お口直しにCDでも聴こっか。』
それから、ブログには書いていないのだけど。
秋に、大好きだったピアニストのリサイタルを聴きました。しかし、かつての推進力はなく、shock。楽譜を見ながらの演奏で、最初から最後まで、テンポが極端に遅かった。。
美しい音ではあるけれど、ベートーヴェンもショパンも、全てが同じ曲想。言わば、そのピアニスト流。聴いていて疲れました。早く終わってほしいと願いながら聴くのは苦痛でした。楽しみにしていただけに、とても悲しかったです。
演奏会後、
しばらくの間、この演奏でよいのか、悩みました。
いいえ、良いはずはない。。。
1ヶ月後、読響でイエルク・デムスのベートーヴェンとシューベルトを聴きました。美しくて涙があふれました。
・・それが、答えでした。
どんなに年齢を重ねても、推進力を失わず、(しかも楽譜も見ず) 聴く人に感動を与えるピアニスト。
デムスこそ真のピアニストだと思いました。
プロであればこそ、高度な演奏が期待されるのです。
こういうのは、本来なら、アメンバー限定記事にすべきなのでしょうね。
しばらくしたら、このグレーの文字の部分は削除するかもしれません。
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次に、心に残った展覧会をあげさせていただきます。
《日本美術 部門》
5月 生誕300年記念 若冲展 (東京都美術館)
《西洋美術 部門》
8月 オルセー美術館&オランジュリー美術館所蔵 ルノワール展 (国立新美術館)
美術展は、とにかく人出が多くて、うんざりすることも多々ありましたが、
(特に若冲展!5時間待ちが話題になりましたね。)
上記2つの展覧会は、行った甲斐がありました。
本物の持つオーラはすごいです。
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今年の目標は、学びの年でした。
ということで、とにかく、暇があれば勉強していました。(何のお勉強かは秘密)
やり始めると、つい、集中してしまう性格のおかげで、肩こりはさらに激しくなり、目の下にクマができる有様。
来年は、引き続き勉強もしますが、美容にも重点を置かないと年齢的に取り返しがつかなくなりそうです。
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広島交響楽団の10月の定期演奏会でのアンコールがyoutubeにアップされていましたので、貼付いたします。
曲は、ラフマニノフのチェロソナタ 3楽章です。
広響首席チェロ奏者のマーティン・スタンツェライトさんと、マリアンナ・シリニャンさんのピアノ。
定期演奏会のプログラムのラフマニノフの2番のピアノコンチェルトは、作品18。
そして、アンコールのチェロソナタは、作品19。
精神を病んでいたラフマニノフが、苦悩の末に2番のコンチェルトで復活をとげ、さらに、苦悩から解放されて作曲したのが、チェロソナタ。
広響からのクリスマスプレゼントだそうです。
これは、嬉しいですね。
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ツリーのお片づけのお手伝い?
気を引こうと一生懸命な姿。。
今年もいろいろとお世話になり、ありがとうございました。m(_ _)m
皆様もよいお年をお迎えくださいますよう、お祈り申し上げます。