- 相続人 (角川ホラー文庫)/保科 昌彦
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スポーツ紙の記者、牧野文哉は
母校・東学大のアメフト部の試合取材中に
美しい女性記者、北川沙織と出会い心惹かれる。
しかし、その夜、東学大のアメフト部員が
謎の事故死を遂げたのをきっかけに、
主要なメンバーが次々と変死していく。
なぜかその死の背後には、
常に沙織の影がちらついているのだった。
事件に興味を抱き、独自に調査を開始した牧野だったが……。
人間の「罪と罰」を問う、ホラーミステリーの大作!
第10回日本ホラー小説大賞長編賞受賞作。
―――――裏表紙より
個人的評価 : ★★★★☆
3つと悩んでギリギリ4つくらいだろうか。
受賞作に加筆修正して改題したらしい。
改題したのは間違いなく正解だと思う。
しばらくアメフトについて書かれてる部分で
ちょっと手間取ったんだけど、
その後はアメフトを知らないこともさほど問題はなく。
思ってた以上にホラー色が強い。
想像力豊かな人だと例えば鏡見るのが
怖くなっちゃうんじゃなかろうか。
「罪と罰」を問う、か…。
「罪」を問われてる彼らのしたことは法的にもいくつもの罪だし
それ以前に人間として許されることじゃない。
でもそれに対する「罰」が…。
納得できるものじゃないよな…。
そもそも復讐自体が認められちゃいないんだけど、
それを考えないにしてもこれはちょっと。
真相が、謎が気になって、というよりも
ホラー的な恐怖に引っ張られてグイグイ読んじゃう感じ。
映像では見たくないと思ってしまうようなものも何度か。
今作が受賞した第10回、
短編賞を受賞したのが朱川湊人さんだそうで。
『白い部屋で月の歌を』、読んでみたいな。