- 沙羅は和子の名を呼ぶ/加納 朋子
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とろけそうな夏。
春の終わりの雨の日。
そこにたしかに、「あなた」はいた。
沙羅のことを人に説明するのは、とても難しい。
母も、父も、一応真剣に聞いてはくれる。
沙羅がどんなに素晴らしい遊びを思いつくか。
沙羅がどんな服を着ていたか。
沙羅がどんなことを言ったか。
両親は、「うん、うん」と聞いてくれた後で、
しかし決まってこう言う。
「和子も早く本物の友達を作らないと」
本物って何?偽者の反対?
―――「沙羅は和子の名を呼ぶ」より
――――― 帯より
個人的評価 : ★★★★☆
十編も収録されてれば、さすがに全部が全部
文句なしに「面白い」って訳にはいかないのかも。
5つ星のものも3つでいいかなって言うのも。
なので間とって4つに。
ホラーっぽかったり、超短編があったり。
ホラーっぽいと言っても恐怖はあんまりないんだけど
今までに読んだ加納さんの作品とは何となく印象が違う感じものも。
表題作も嫌いじゃない。
特にラストの一文はなかなか好きだけど、
でも十編の中で一番じゃなかった。
『天使の都』とか『海を見に行く日』あたりが好き。