復讐は罪なのか―――。
仏の流す血がもたらした、悲愴な犯罪。
二十年の時を超え、彷徨い続ける死者の怨念に真備が挑む。
第5回ホラーサスペンス大賞特別賞受賞作『背の眼』に続く、
待望のシリーズ第2弾!
「犯人は、まだまだ殺すつもりでいます」
ホラー作家の道尾は、取材のために滋賀県の仏所・瑞祥房を訪れた。
その夜、彼が見たのは、口を開けて笑う千手観音と、
闇の中、頭から血を流す一体の仏像だった。
話を聞いた霊現象探求所を営む友人・真備は、
早速、助手の凛とともに瑞祥房に向かう。
数日後、工房の天井に血痕を残して、一人の仏師が忽然と姿を消した。
残された者たちがひた隠す、二十年前の悽愴な事件と
仏像に込められた怨念とは?
――――― 帯より
個人的評価 : ★★★★☆
シリーズ前作『背の眼』よりはかなり好き。
ホラー色があんまり強くなくて、
一見超常現象めいたことにもちゃんと説明があったので。
道尾さん作品は5冊目で、『シャドウ』に次いで2番目に好き。
星4つか5つかで迷ったんですが
瑞祥房で最後に書かれてることがちょっと哀しくて。
真備たちに間に合ってほしかった。
物語としてはマイナスではないけど、
その人物の最後の言葉が辛かったので一つ減らして4つで。