続き。

 

 

 

私が外商イベントに参加する最大にして唯一の目的はエルメスのジュエリーである。

 

私が身に着けるのではなく、もちろんパートナー用であるが高額な出費になるので私自身が十分に納得した上で購入したいのである。

 

なお、年 2 回行われる外商イベントに参加するようになって丸 2 年が経過し今回で 5 回目となるが、今回初めて私一人での参加となっている。

 

 

さて、食事を終えて会場の入り口付近で外商と落ち合い、開場時間の 14:00 を待っていたが、どんどん人が増えてきた。

 

その場にいる私が言っても全く説得力がないのであるが、平日なのに何でこんなに人が集まっているのかと、自分のことは棚に上げまくって勝手に思ってしまう程である。

 

会場の扉が開くのを大勢で待っているこの状況は、西宮神社で毎年行われる福男選びのスタートを待っているかのようである。

 

そして、14:00 になって神社の門、ではなくて会場の扉が開き、多くの人がエルメスのブース目指して進み始めたのである。

 

気持ち的にはダッシュしたいところなのであるが、開場したばっかりなので会場内の全店員がこちらを見ており、とてもではないがその視線を浴びながらエルメスのブースに走っていく勇気がなかったため、そわそわしながら外商と今はなさなくてもいい会話をしながらエルメスのブースに歩いて向かったのである。

 

そしてエルメスのブースに近づいたとき、トレーを持った担当が私に気付いて手を振ってきた。

 

他のエルメスの店員も同じように顧客を出迎えて待っている状態で、まるで西宮神社の福男選びで 3 着までの参拝者を捕まえようと待っている神社職員のようであった。

 

すでに担当にはパートナーから第 1 候補はバングル、ブレスレットで、第 2 候補はリングであることが共有されていたこともあり、担当はバングルを 1 つ、リングを 2 つほど見繕ってトレーにキープしてくれていた。

 

商品棚にはすでに人が群がっており、その隙間をぬってもう 1 つブレスレットもキープしてもらった。

 

おそらくここまででエルメスのブースに着いて 5 分も経っていないはずである。

 

いったんここでテーブルに着席してトレーにある商品をチェックし始めることにしたのである。

 

ファーストインプレッションで「これだろうな」と思ったのが、購入することになったシェーヌ・ダンクル・ディヴィーヌのバングルである。

 

と言うのも、実は前日にパートナーとシェーヌ・ダンクル・ディヴィーヌのシリーズが出てくるのではないかと予想していたのである。

 

# 画像はエルメスの US のサイトから拝借

 

 

パートナーと LINE で連絡を取り、シェーヌ・ダンクル・ディヴィーヌのバングルを購入することに決めたのであるが、その直後に他のエルメスの店員から担当に「このバングルいい?」と声をかけられ「今決まったところなので」とお断りすることが 2 度ほどあった。

 

この時の時刻は 14:17 であり、エルメスのブースに着いて 15 分ほどしか経過していないが、これぐらいの時間内で購入するかどうか決めないといけないのである。もはや戦場である。

 

なお、もう一つの候補は前回購入したクルー・ド・フォルジュのペンダントのブレスレット版であった。

 

ペンダントとお揃いになるのでこれもよさそうであったのだが、構造上どうしても落ちてしまう可能性がありそうで、今回はそのリスクを取らなかった次第である。お値段は確か 240 万とか、270 万とかだった気がする。

 

# 画像はエルメスのカナダのサイトから拝借

 

 

そして、このバングルの伝票を作ってもらい、これで私のミッションはコンプリートとなった。

 

実はパートナーが仕事が終わってバングルのサイズが合うか確認のために来ることになったのであるが、それまでまだ数時間あるため、いったん帰宅してシャワーを浴びて少し昼寝をすることにした次第である。

 

 

18:30 頃にまたタクシー (今度はすぐに乗れた) で会場に向かい、パートナーと合流してエルメスのブースに向かったのであるが、目ぼしい商品はすべて売れてしまい、陳列されているのはさらに高価なもの、真珠系のジュエリーぐらいしかなく、松尾芭蕉が詠んだ「エルメスや、兵どもが夢の跡」とはまさにこのことであった。

 

このままだと最終日の日曜日までとてもではないが商品が持たないとエルメス側で判断したようで、土曜日に商品が追加されることになったらしい。

 

実はもともと土曜日にパートナーと一緒にあらためて会場に来る予定だったので、パートナーが土曜日に新しい商品を狙い始めているが、さすがに今回はもう打ち止めでお願いしたい。切に願う。