​妊娠した時の話し



先日、お友達と

妊娠中の事を話していて


思い出した気持ちが沢山あった


初期はつわりが酷かったのもあって

ほぼ記憶がない←


とにかくベットの上で

ひたすらに過ごしていたから


一階で過ごすのは

トイレとお風呂くらいで


毎日似たようなものを食べていた


冷たいものしか

受け付けられなかったから


体を冷やさないか心配だったし


まともなものを

食べられなかったのが不安だった


妊娠さえすれば

ハッピーライフが待っている

と思っていたのに


想像とはかけ離れていて

健診までがとにかく不安だった


次の健診が待ち遠しくて

出血があった週は落ち着かなくて

何度も諦めそうになった


そのうち

鼻が犬くらいよくなって←


隣の夜ご飯のメニューが

わかるようになったのだけれど


それがとにかく

気持ち悪くて仕方なかったから


夕方はよく絶望していた


でも、安定期に入ってからは

比較的楽しく過ごせた


思い出を沢山作ろうと

いろんな所にいろんな人と出かけた


それはやって良かったなと

思っているひとつ


産後、本当に出かける余裕が

なかなかないから


1人でプラプラ出かけたり

あんなにゆっくり過ごせたのは


人生最初で最後かもしれない


後期に入ってからは

産後の準備を進めたのだけれど


何を買っていいのかわからず

とにかく検索魔になっていたと思う


でも、悩みながら

買い揃えていくベビーグッズが


子供部屋に集まっていって

凄く幸せだった


オムツどこに片付けよう?

服は?オモチャは?


悩みつつ

全部ワゴンにしたのだけれど


6ヶ月の今でも使い勝手がいいから

ワゴンにして良かった


ベビーが産まれた時のために


ベランダを

サンルームにリフォームした


世界一幸せな洗濯に

気持ちが溢れていたのは夫だった


オトメンの本領を発揮しつつ

浮かれる姿は

とても幸せそうだったから


微笑ましかった記憶がある


出産が近くなり

何があってもいいように


夫に手紙を書いた


1枚目は自分の気持ちを書いて

残りは日々の記録


いつごろ入院するかわからないから

私たちらしく

日記形式で書いた手紙は


1ヶ月で何枚にもなっていた


お産が近くなるにつれ

どんどんセンチにもなっていった


胎動が

なくなるのが寂しくて

お腹から出したくないと思ったり


無事に産めるかが不安で

夜な夜な怖くなってしまったり


夫と2人の時間が終わる事が

幸せなのに寂しくて


なんとも言えない気持ちが

グルグルしていた


何度も見直す入院バック


夫が居ない時間に

陣痛がきたら、破水したら

考えると不安でうまく眠れなかった


トイレが近くて何度も起きる


産後の準備が始まっていることに

とてもソワソワした


アプリの産まれるまでの日数

カウントダウンが迫ってくるごとに


無事に産めるか不安になる


育てられるか不安になる


母乳は出るのか不安になる


いくつもの不安が

グルグルと頭の中で止まらずに

ひたすら回り続ける


ずっと体調が悪い


後期づわりがはじまって

また食べられなくなっていたから

貧血に負けそうになる


結局、誘発入院になり


子宮口を確認してもらったけれど

全く開いていないから


バルーンを入れて誘発を続けて


陣痛はついたのに

進まないお産にモヤモヤしながら


面会出来ない孤独に

心が壊れそうになっていく


苦しい、痛い、辛い、終わらない

絶望と泣き言でいっぱい


でも、やっと会える

分娩台にのぼれた時の気持ちは


この先2度と経験出来ないだろう


早く会いたい

早く楽にしてあげたい


それしか考えられなかった


産まれる瞬間

息子が出てくるのがわかった


あの感動も忘れない


息子を見た瞬間

全て終わったと安堵した


少し泣いて

うまく泣けない息子に焦る


NICUチームが来て

ちゃんと泣いてくれたけれど


お産に時間がかかったのもあって

NICUへ連れて行かれる事に


その前に

少しだけ肩元で触れ合わせてくれた


少し口をパクパクさせて

腕を動かせていた


はじめまして、と声をかけ

恐る恐るほっぺを触る


また少し口をパクパクさせた


足元で担当医が

会陰切開した傷口を閉じていた


だけれど

もう痛みなんて感じていなかった


息子に会えた喜びが

72時間の辛さを忘れさせた


離れたくなくて

連れて行かれるのが嫌だった


汗だくだったけれど

髪も顔も体もベタベタだけれど


息子を抱きしめたい気持ちで

いっぱいだった


連れて行かれる息子を横目に


よろしくお願いします

そう、伝えた


縫合が終わり担当医が

このまま2時間休んでください


と、言いながら立ち上がったので


先生に出会えて良かったです

ありがとうございました


そう言って

横になったまま頭を下げた


2時間休んでいる間に

突然、寒くなって震え出した


毛布で包んでくれたからか

38度になった体温


おかげで

インフルとコロナの検査をした←


その後トイレに行き

病室に帰ったのだけれど


NICUの看護師や担当医が

入れ替わり、立ち替わり来るから


夕食までバタバタと過ごした


立ち会い後に

少しだけ会えた夫に


息子を

抱かせてあげられなかった事を

謝ったのだけれど


興奮気味な上に

息子を心配していた夫は


よくわからない事を言っていた←


妊娠して

いろんな事を乗り越えて

出産したけれど


産んで良かった


心からそう思えるし

なんだかんだ女性で良かった


そんな風に思った


妊娠中のメンタルは

結構豆腐になっていたから


何度も落ち込んだし


頼んでいないアドバイスに

イライラもした


マイナートラブルが辛くて

苦しんだし


幸せと恐怖が交差して

自分は弱いと落ち込んでいた


だけれど

妊娠中は幸せだったな、と思う


生後6ヶ月の息子を育てる今が

華やかな幸せだとしたら


妊娠中は穏やかな幸せ


人生で最初で最後の妊娠

そして出産


私は経験出来て良かったと

心から思っているし


息子と出会えて本当に良かった


何度も何度も話し合って

破棄した凍結胚


思い出すと未だに胸が苦しくなる


だけれど

その中から代表として


産まれてきてくれた息子は


私にとって

かけがえのない宝物になった


あの胎動は

間違いなく息子だと言える


足をとにかくよく動かせて

時々ピーンと伸ばす


その力強さに

肋骨を何度痛めたかわからない


手はあまり動かなくて

気付けばよく顔をさわっている


いつも胎動は

下半身の位置がほとんどだった


読み聞かせをすると

凄く真剣な顔をして黙って聞く


絵本を読み始めると

ピタっと静かになっていたから

本嫌いかと心配していた


どれもこれもが

息子だったんだな、とわかる


その度に愛しい気持ちになる


私はきっといい母親ではない

普通をよく知らない


だけれど

私なりの愛なら沢山ある


妊娠中から積み重ねてきた

ひとつひとつが

今、また積み重ねられてゆく


いくつもの重なった愛は

息子にどれだけ届いているのだろう


息子は嬉しいのだろうか?


ママに抱きしめられるって

どんな感覚だろう?


笑顔を向けられた時

どんな気持ちになるのだろう?


隣で眠るって安心するのかな?


1日の中で1番好きな時間は

いつなのだろう?


知らないことしかない私は

すぐに不安になる


だから私は

きっといい母親ではないけれど


一生懸命、母になると誓ったから


いつか胸を張って

育児を頑張ったと言いたい


たまに

戻りたくなる妊婦生活


たまに

お腹に戻したくなる息子


私の妊婦期間が

幸せだった証拠なのだろう