苺を持って、4ヶ月半ぶりの面会 | 「前頭側頭葉変性症の夫と私」ひまわり日記

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野球大好き。MLB、欧州サッカーをはじめ、スポーツ全部好きです!夫の難病(前頭側頭葉変性症)に悩み苦しみつつ、息子の心配事にヤキモキしつつも、明るく楽しく暮らしていきたいと思っています。

 介護ホーム(介護付きの有料老人ホーム)に入居している夫の、2023年に入って初めての面会に行ってきました。毎日、電話で話しているので、あまり会ってないという感じはしないのですが、前に面会してから4ヶ月半たっていました。

 

 夫の、亡くなった母の実家にあたる従妹から、そこの苺農園から送ってきてくれた苺を、ぜひ食べさせてあげたいと思ったからです。

 

 高齢者施設では、まだコロナの予防のため、面会は玄関ロビーで20分だけです。限られた時間に、色々話しかけるのですが、夫は相変わらず無表情で、無反応でした。ようやく小さな声で、「はい」と言う程度です。電話のほうが、「へぇー」とか、「あー」とか相づちを入れてくれるので、話している感じがします。

 

 年賀状ファイルを見せても、2,3枚パラパラとめくって、興味なさそうにすぐ私に押し戻します。私が一方的に話して、セキセイインコのメロンちゃんの動画を見せたり、新聞記事を見せて話したりしました。

 あっという間に面会時間は終わり、持ってきた苺や新聞、お菓子の入った紙袋を持たせて、じゃあねと別れました。夫は何も言わずに席を立ち、すたすたと歩いて振り返りもせずにエレベーターに乗り込みました。私は手を振ったのですが、こちらを見もせずエレベーターの扉が閉まり行ってしまいました。

 

 無感情なのかな?と一瞬思いましたが、そうとも言い切れないようです。「私に会えてどう思う?」と聞いたとき、「うれしい」と言ったし、私の母の体調が悪いことには、「大変だね」という言葉も聞けました。本当に小さい声なので聞き取りが大変でしたが。

 

 時々私は何をやっているんだろうと虚しくなることがあります。こんなことにならなければ、老後は夫婦で海外旅行に行ったり、結婚記念日に食事に行ったりと、幸せな日々を送るはずでした。そういうものは全く縁のないことになってしまいました。そういう関係の話や映像は見たくもありません。

 

 しかし、そういうことをしたいわけでもありません。ただ、時がどんどんと、勝手に過ぎて行ってしまうのには閉口しています。