子どものちから 【いごいご!】

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小さな碁盤と色のきれいな碁石を使って小学生と囲碁遊びしているいごいご!の特長は、ほとんど囲碁を教えないことです。

 

碁盤の上のどういうところに石を置くのか。 

(オセロや将棋とちがって線と線が交わるところに置く。 これは教わらないとわからない、と思う。)

 

囲んだら取れる。

 

のふたつだけ教えたら、すぐに対局してもらっています。

ふたつの基本ルールを説明するための所要時間は5分くらい。

 

小学校低学年のちびっ子たち、特に一日の学校の勉強を終えてちょっとくたびれてやってくる放課後スクールの子どもたちには、いっぺんにいろいろ説明するのは親切じゃない、と思っています。

 

このふたつのルールだけで遊ぼうとすると、そりゃあ石取りゲームになりますね。

相手の石を取った方が勝ち、のシンプルルールです。

 

 

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ですが実を申せば、石取りゲームは本当の囲碁ではない。

 

碁盤に石を並べていって、自分の石で囲んだ陣地の面積が広い方が勝ち、というのが本当の囲碁です。

 

自分の陣地を囲んでいく過程で、邪魔になった相手の石を囲んで取ったり、逆に石を取られてその跡地が相手の陣地になってしまったり、というのの応酬の結果、陣地が出来上がります。

 

石を取るのは大事な戦いの要素だけど、取ること自体が目的ではないわけです。

 

石を取ることを最初に教えてしまうと、相手の石を取ることばっかりに気持ちが集中して、陣地を作る、という真の囲碁への道から逸れてしまうかも、と心配して、石取りよりも先に陣地のことを教えるやり方もあります。

 

マコトの囲碁を大事にする指導者から見ると、いごいご!の子どもたちがやっていることは 「え、こんなの囲碁じゃないんじゃない?」 と思えてしまうかも。

 

「二眼の生き」 も 「欠け目」 も 「コウ」 も教えないの?

 

と、ちょっと批判的な気持ちになる方がいても不思議ではないだろう、と思います。

 

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囲碁の指導法にはいろいろなやり方があります。

 

囲碁はおもしろい! とわかっている子どもたちが、強くなりたい! と思って集まってくる囲碁教室での教え方と、下校の時間が来るまで、なにかおもしろそうな遊びがしてみたい (囲碁じゃなくてもいい) 子どもたちに楽しくやってもらおうとする教え方では、やり方がちがうのは当たり前かなと思います。

 

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じゃあ、「二眼の生き」 も 「欠け目」 も 「コウ」 も教えないで、ずうっと石取りゲームをやっているのか、と言うと、それが実はちがうんですね!

 

石取りゲームを始める時には、「いくつ先に取ったら勝ちにする?」 と対局者同士で相談して数を決めます。

最初はひとつ、とかふたつとか、四年生だからよっつ、とか。

 

でもだんだん数を多くしてやってみたくなるのが自然の理というもの。

 

「10個」、「20個!」 と増えてきたら、そろそろなんです。

 

いごいごで使う碁盤は7路盤や9路盤なので、「10個取れたら勝ち」のルールで石を置いていくと、どちらかが10個取るよりも先に碁盤が埋まってしまったり、石を全部使いきってしまうことが (ひんぱんに) 起こります。

 

もう石がなくなっちゃった、どっちの勝ちなの?

もうどこに置いても取られちゃう、どうすればいいの?

 

と尋ねてきたら、今こそ 「陣地モード」 の遊び方を教えるタイミングです。

 

 

上半分が赤馬の陣地で、下が細長い黄緑馬の陣地。

 

写真のような ななろのご だと、線の交点に (馬の大好物の) にんじんの絵が描いてありますので、「自分のにんじん畑のにんじんの数を数えてみよう!」 と教えやすいです。

 

囲んだにんじん (交点) の数と、取った馬の数を足してポイントを出します。

 

これができた子どもたちには、「陣地モードにレベルアップできたね!」 と大きく評価します。

 

大体、初めて半年くらいで、ほとんどの子が陣地モードでも遊べるようになります。

陣地モードで遊べるからと言って、石取りモードで遊ばないわけでもない。

相手と相談して、どちらのやり方で遊ぶか決めてやっているようです。

 

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同じ配置で並んだ石を取ったり取られたり無限に繰り返されるのを避けるための 「コウ」 のルールも、子どもたちから質問されたら教えるようにしています。

 

小さな碁盤でもコウの形は必ず現れます。

 

最初のうちはおもしろがって、ふたりで石を取ったり、取られたり、取ったり、取られたり、と石がなくなるまでやっていますが、そのうちに、これでは勝ち負けが決まらない、つまらないぞ、と気が付く子がでてきます。

 

どうすればいいの? と質問されたらはじめて、「すぐ取返し禁止」 のルールを教えます。

 

この時も、「コウ立てを他へ打って、相手が受けたらコウを取り返せます」 的な、おとなの教室だったら教えるようなことは言いません。

 

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二眼ない石は最終的に取られてしまう、というのも教えないし、一眼の石は終局後には碁盤の上から取り上げてもいい、というのも教えないし、自分の陣地に石を置いて自分の点数を減らしてしまうのも、自分の石の眼をつぶしてしまうのも積極的には指摘しません。

 

対局している子どもの理解の度合いを推し量って、これを知りたいかな、これはわかるかな、と思える範囲で小出しにヒントを出しています。

 

ぜっっっったいに言わないようにしてるのは、

 

「 そんなとこに打ってもダメ 」

「 なんでそんなとこに打つの! 」

 

おとなが子どもに教えようとするとき、ついつい口に出てしまう魅惑的な言葉みたいですけど、禁じ手だよね。

そんな風に言われて、おもしろい遊びだなと思う子どもはいません。 (おとなもな。)

 

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全然教えず、子どもと遊んでるだけの いごいご! ですが、子どもたちは着実に囲碁の力をつけていきます。

 

おもしろくなって、自分で本を読んだり、囲碁のアプリで遊んだり、お誕生日に道具を買って貰ったりしてどんどん強くなる子もいます。

 

覚えるのはゆっくりだけど、楽しそうに遊んでくれる子もいます。

 

おもしろいな、と思ってくれさえしたら、なんにも教えなくても子どもは強くなっていくんだなあと思います。

 

 

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いごいご! というのは、荒川区立小学校の放課後スクールでやっている

小さな碁盤と色のきれいな碁石を使った囲碁遊びのことです。

これまでの いごいご! の活動の様子は こちら リンク からどうぞ にこハート

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 えんぴつ りくのら朝学習プリント えんぴつ 

 

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No.140 長さを測ろう リンク  ( ものさし、帳面、えもんかけ )

No,141 思い出して描こう リンク  ( 小学校の周年行事 )

No.142 お話を作ろう  リンク ( プールで金魚すくい )

No.143 動作の言葉 リンク  ( ヴィトゲンシュタインの言葉 )

No.144 定規を使わずに リンク  ( しっぽの赤リボン、たてがみの三つ編み )

No.145 いろんな食べ方  リンク ( ハインラインは猫が好き )

No.146 数のイメージ  リンク ( 数には色がついている? )

No.147 手を描こう リンク  ( 恐怖を知らない人たちが発見された )

No.148 ご飯とパン リンク  ( ベジマイトとヌッテラ )

No.149 色のイメージ リンク  ( 共感覚 )

 

No.150 遊び方を教えて  リンク ( 家庭学習はのんびりやろう )

No.151 何をしまっておこうか  リンク ( 小学生の机の中には )

No,152 おいしそうなパフェ リンク  ( HTML文字数制限との戦い )

 

 

 

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