私は離婚後の親子の面会交流の仲介支援に携わっていますが、離婚後に、離れて暮らす子供に会いたがらない親も存在します
一緒に住んでいる親の方は、できれば子供のために会わせたいのに、相手が拒否するのです
例えば、離婚原因が不倫だった場合に、相手にのめり込んでしまい、これまで可愛がっていたはずの我が子に愛情を失う人もいます
不倫相手を面会交流の場に、勝手に同席させようとする人もいます
子供に興味がなくなって、会うことを拒否する人もいます
例えば、離婚する相手への負の感情が強すぎて、
「子供となんて会ってやらない」「離婚するんだから君が一人で育てろ」
のように、離婚相手への当てつけや嫌がらせとして、子供に会わないと言いだす人もいます
みんな、それまでは子煩悩で平凡な普通の親です
例えば、子供が生まれた瞬間から子供を可愛がらない、育児をしない人もいます
一度も抱いたことがない、育児に一切参加しない
「なんで?あなたの子供だよ?かわいいと思わないの?」と問いかけた相手に対して
「俺は父親に向いていなかった」
「やっぱり子供はいらなかった」
と言い放った人もいます
自分で結婚をして子供を作っておいて、興味を失くしたらさようなら
ひどすぎます
そのまま一生、存在をなかったことにされた子供はどう感じるでしょう
私は初めて実の父と接点を持つまで、
自分は父に捨てられた子供なんだと思っていました
母や周りの誰かに「あなたは捨てられた」と言われたわけじゃありません
でも自分で考えてみて、離婚したからって連絡もしてこない、手紙もない、会いに来たこともない、それって捨てられたのと同じじゃん
そう解釈しました
親に捨てられたと思いながら生きるのはつらいです
自分のことを好きになれない、どうせ私なんてかわいくもない、勉強もできない、運動もできない、新しい父親ともうまくいかない、なんの取柄もない、担任の先生だって、私みたいなできそこない好きじゃないだろうな
小学生の時はそんな風に思っていました
自己肯定感の低い子供だったと思います
離婚による自分の勝手な都合、親同士の負の感情で、子供を傷つけないであげてほしい
どんな理由で離婚したにせよ、子供が自分の子供であることは変わりません
最初からそう思える親であれば、
子供に会いたがらない事態にはならないんだろうけども…
でも、周りの働きかけで改心する場合も確かにあります
子供がどんな気持ちになるか、何も悪くない子供を悲しませて良いのか、
子供が将来、悩み続けて生きていくかもしれない
一方の親や周りの大人が、それを働きかけることが必要です
放っておけば、そのまま「さようなら」です
育てている方の親は、そのまま「さよなら」してくれた方がストレスがない事もあるでしょう
相手がその気がないなら、このまま「さよなら」でいっかと思う気持ちもわかります
関わりたくない気持ちもわかります
でも、大切に育ててきた子供が、それによって自分自身を否定したり、自分は片方の親に捨てられたんだと思ってしまうのは誰も望んでいないと思います
私は、親の離婚を経験する子どもたちに
親が離婚をしても、自分自身を否定することなく、悩みを乗り越えて、一緒に住む親とも離れて住む親とも良い関係を築いてほしい
そして明るく幸せに暮らしてほしい
そう思っています
だからそのために、周りの大人ができることはあると思います
*所属団体 おやこリンクサービス