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映画ブログです。特に70年代の映画をテーマで特集しています。また自作の小説、シナリオもアップしています。

ジョージ・ロイ・ヒル監督。デヴィッド・S・ウォード脚本。ロバート・サーティース撮影。スコット・ジョプリン、マーヴィン・ハムリッシュ音楽。73年、アメリカ映画。

スカパー・ザ・シネマの録画で再観。第46回アカデミー賞作品賞、監督賞、脚本賞、美術賞、編曲・歌曲賞等、7部門を受賞したジョージ・ロイ・ヒル監督による信頼詐欺コン・ゲームを描いた騙し映画であり、[明日に向って撃て]のポール・ニューマンとロバート・レッドフォードが再びコンビを組んだことが話題になった映画だ。

自分はリアル・タイムに観れなかったが、77年くらいにニュー東宝シネマ1でリバイバルしたので劇場で鑑賞出来てる作品だ。

これ、ネタばれして観ても抜群に面白い。それだけ、作品の構成が見事で、七章立てで展開する物語と騙しのテクニックに圧倒されてしまう。

 舞台は36年イリノイ州ジョリエットで、若い詐欺師フッカー(ロバート・レッドフォード)が師匠であるルーサー(ロバート・アール・ジョーンズ)と組んで、すり替え詐欺をするのだが、その大金はニューヨーク,シカゴを牛耳るドイル・ロネガン(ロバート・ジョー)の売り上げ金であり、ルーサーは殺され、フッカーは彼を追っていたスナイダー刑事(チャールズ・ダーニング)に偽札を掴ませて逃げる場面を導入としている。この冒頭の場面にラストに繋がる伏線を挿入しながら、フッカーはルーサーからテクニックを習うように紹介されたヘンリー・ゴンドーフ(ポール・ニューマン)を訪ね、共にロネガンを詐欺にかけ、復讐をしたいと申し出るのだ。
 シカゴ発の列車におけるゴンドーフのポーカーでロネガンを引っ掛け、仲間たちが準備する競馬の電信を使った詐欺に
フッカーが身を挺して引き込んでいく。展開も実にスリリングなのだが、途中、刑事のスナイダーが絡んできて、さらにゴンドーフを追うFBI捜査官ポーク(ダナ・エルカー)がロネガンの騙しの会場に介入してくることで、観る側の緊迫感はマシ、クライマックスを迎える。

ヘンリー・バムステッド、ジェームズ・ペインの時代を再現する見事なセット。スコット・ジョプリンの[ジ・エンターテイナー]を編曲したマーヴィン・ハムリッシュのデキシーランド調のテーマ曲が映画のムードを盛り上げている。

何回見ても無駄のない映画であり、スタイリッシュな映画だ。