[ジェームスブラウン〜最高の魂を持つ男〜] | 力道の映画ブログ&小説・シナリオ

力道の映画ブログ&小説・シナリオ

映画ブログです。特に70年代の映画をテーマで特集しています。また自作の小説、シナリオもアップしています。

テイト・テイラー監督・製作。ミック,ジャガー製作。ジェズ・バターワース、ジョン=ヘンリー・バターワース脚本。スティーブン・ゴールドブラッド撮影。トーマス・ニューマン音楽。14年、アメリカ映画。

スカパー、ムービープラスの録画にて鑑賞。ソウルの帝王JBことジェームス・ブラウンの生涯を描いた伝記映画。

いやー面白かった。JB役のチャドウィック・ボーズマンだが、彼の魂が乗り移ったかのようにJBを熱演している。ジェームス・ブラウンと言えば、自分には世代的には前の世代であり、アポロシアターのライブ盤くらいしか聴いたことがなかったが、その存在は井筒和幸監督の[ゲロッパ]で知った。

映画はそのゲロッパこと、[セックス・マシーン]をバックに88年、息子テディの死で麻薬に走り、逮捕される発砲する場面から始まる。[ヘルプ〜心をつなぐストーリー〜]のテイト・テイラー監督は、そこからフラッシュバックを巧みに折り込みながら、物語を紡いでいく。幼少期の両親の離婚、父親の従軍、知り合いに預けられ強かに生きるジェームスがスーツ泥棒で繋がり、生涯の音楽仲間になるボビー・バード(ネルサン・エリス)との出会い。後にマネージャーとなるベン・バード(ダン・アイクロイド)との出会いから出世して、カリスマになり、孤高に孤立していくジェームス・ブラウンの人生を浮き彫りにしていく。

特にキング牧師暗殺のことのメンフィスでのライブやアポロ・シアターでのライブ、前半に描かれる戦火の中のベトナム慰問など、に時代背景を巧緻に絡め織り込むことで、実にリアルな仕上がりになっており、孤高になっていくJBのギクシャクとした人間ドラマに加え、臨場感溢れるライブ場面の再現ができていた。
この手の音楽伝記映画は多数あるが、お勧めの一本。