[北国の帝王] | 力道の映画ブログ&小説・シナリオ

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  ロバート・アルドリッチ監督。クリストファー・ノッフ脚本。ジョセフ・バイロック撮影。フランク・ボウ゛ァール音楽。73、アメリカ映画。

 アルドリッチ祭り第3弾になります。初DVDになったのですが、ビデオで見ました。
 何が男を闘いに駆り立てるのか?“北国の帝王”のメンツなのか。33年大不況下のオレゴン州を舞台に、失業者がホーボーという浮浪者になった時代。無賃乗車をする彼等を許さない鬼車掌との果てなき闘いを描く。

 アルドリッチは、口先だけで生きてきた、コソ泥の若者シガレット(キース・キャラダイン)を登場させ、ホーボーの英雄・ナンバー・ワン(リー・マーウ゛ィン)と車掌・シャック(アーネスト・ボーグナイン)との闘いを通じて、男の生きざまを伝えるという構成で人間ドラマを描き込む。まさにサバイバルの時代、隙間を生きてきた若者には、体を張ってるナンバー・ワンに憧れは感じても、その教えがは伝わらない。ラストのナンバー・ワンの叫びは、そのもどかしさや時代に対するメッセージであり、シガレットには70年代初頭の混沌とした時代に混迷する若者の姿が被さる。

 物語。33年。不況に見舞われたアメリカは、失業者が溢れ、彼等はホーボーという浮浪者になって、宿地を回るようになる。無賃乗車は当たり前。だが、オレゴン州の19号という列車の車掌・シャックだけは、それを許さず、ハンマーを持ち歩いては、ホーボーを殴り殺し。恐れられていた。
 ホーボー達の英雄、ナンバー・ワンは19号に果敢にチャレンジ。ポートランドに向かうと宣言するが、彼の七面鳥を狙った若者シガレットと貨車に閉じ込められ、火を放って逃げたのを機に、行動を共にする。  ナンバーワンの挑戦を嫌うシャックは、彼等が乗れないよう。全速で汽車を走らせるが、オーバーランし、危うく別の汽車と衝突の危機。どさくさに紛れ、二人は乗り込むが、ここはシャックに阻まれる。 レールに油を塗り、他の列車を止め、乗車に成功。19号に追い付く。
 今度は、ナンバー・ワンと決着をつけるべく、不適に彼等を誘い込む。大列車を舞台に“北国の帝王”のメンツを賭けた闘いが始まる…。

 この映画のアクションをぜひご覧頂きたい。CG等無論ない。男と男が身近にある物を手に、果てしのない闘いを繰り広げる。まさに体を張ったアクション映画の基本がここにある。派手はドンパチもなく、ここまで見せるアルドリッチの演出は見事!不敵に笑うアーネスト・ボーグナインのキレぶり、頭を使い、肉体を賭けて闘いに挑む・リー・マービンどちらも熱演であり、その闘いに駆り立てる男達の気迫が伝わってくる。
 やはり、アルドリッチは面白い!

 DVD出たばかり。必見です!3500位で買えますよ。