ビールと泡の7:3は黄金比、の嘘。 | Maria's Day Watch

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りかやま にお引越し。

黄金比、とは、『最適な比率。料理においては、最も美味しい(調味料などの)配合率』を意味する(と辞書にはある)。では、ビールと泡の黄金比、7:3は、何が最適なのか。

 

そもそも、7:3の比率は、ある裁判の判例であって、最適を意味したものではない。店で出してもよい、最低のビール、のことである。言い換えれば、泡が3を越えた時、客が文句を言ってもよい、境目、目安のことなのだ。それを、とあるビール会社が、あたかも美味しいビールの黄金比であるかのように宣伝しだし、今では、わざわざ泡3をつけ足して販売している店まである。ふざけるな、って話。

 

7:3の出どころですが。1940年代の東京(のどこか。失念!)のあるビアホール(のようなところ)で、ジョッキ(だったと思う)1杯のビール、出鱈目な注ぎ方=半分くらい泡、を出していたため、客が怒った。ビールは、キンキンに冷えていれば、へたくそが注いでもそんなに泡は立たないので、きっと当時のビール、十分に冷えてなかったのでしょうね。(年代的に、冷蔵庫の性能も今とは違ってたのでしょうし。)

 

1杯分の料金で、半分泡とは詐欺に近い。それでも店側は、混ぜ物しているわけじゃない、ビールを入れたら泡になっただけ、と泡ビールをやめない。客のただの文句で終わりそうだったところ、警察が介入することになる。その店の仕入れたビールの量と販売したビールの量が合わないことに着目したから。当然、泡は殆ど空気(液体ではない)なわけだから、ジョッキ1杯、たとえば、500ミリリットルのものとすると。泡でかさ増しして、きっと正味300ミリリットルにも満たない量をジョッキ1杯(500ミリ)として販売していたのだろう。ここでようやく、詐欺が立証されそうになり、裁判となった。

 

しかし、店側の証人として、とある大学の教授が、『泡の方がビールの液体部分よりアルコール度数が高い(当たり前だ。殆ど空気の泡の体積と液体は違うだろう)からビールで問題ない。』と宣ったらしいので、複雑になった。(でも。売った量の方が多いと知ってたはずの店は、あきらかに詐欺くさいんだけどねぇ・・・。)

 

そこで、ジョッキ1杯のビールがどうあるべきかの目安がなかったことが問題、とした裁判所は。その『泡もビール』、を考慮したうえで、7:3までは、ビールとして販売してもよい、客は泡が3を越えたら、文句を言ってもよい、と裁定を下した。つまり、7:3という比率は、ここで生まれたものであり、美味しいビールとは何の関係もないのです。(まぁ。泡3足して利益が出るわけだから、店側としてはある意味、黄金比?)

 

個人的には。ギネス・スタウトの泡、が好きです。ほっとくと、9:1くらい(?)になる。これくらいが丁度よい、と思っている。・・・飲みたくなってきた。飲もう。 Sláinte !

Sláinte!