オリンピックの準備が本格的になってきた頃、パリ市内のあちこちを歩いていて驚いたことの一つに仮設の公衆トイレがものすごくたくさん設置されていることでした。

 

 パリのトイレ事情は正直、あまり褒められたものではなく、日常的には、どうしてもトイレに行きたくなれば、カフェに飛び込んで、とりあえず注文して、トイレに行かせてもらうというのが一番、一般的かもしれません。

 

 また、市内には、常設の公衆トイレ(有料)もありますが、人が使い終わって出ていくと、ダイナミックに水で清掃されるので、前の人と入れ違いに入ってしまったりすると、水浸しになってしまうという話を聞いたことがあります。

 

 また、管理する人もいない自動トイレなので、閉じ込められたらどうしよう?という不安もあります。(実際には、そんなことはないとは思うのですが・・)

 

 それにしても、公衆トイレのレベルは日本のように高くはないので、衛生面で不安も拭いきれないうえに、便座がないところも多く、トイレットペーパーも必ずしもあるとは限らないし、なぜそうなるのかわかりませんが、トイレットペーパーが便器のまわりに散らばっていたりすることも多いため、できるだけ、外ではトイレに行かなくて済むように、代わりに安心して行ける場所では、もれなく行っておくという予防策を講じています。

 

 ただ、今回のオリンピックのような大々的なイベントが市内のあちこちで行われる場合、公衆トイレをたくさん設置していることは、そのクォリティは別として、本当によかったな・・ と思っています。

 

 そんなわけで、私は滅多に外でトイレに行くことはないのですが、それでも、ごくごくたまに、どうしてもトイレに行きたくなって、もう頭が真っ白になって、とりあえず座り込んでみたり、ゆっくり歩いてみたりしながら、もう駅でもなんでもいいから、有料でもなんでももう行くしかない!ということも10年に一度くらいはあります。

 

 その10年に一度の機会がつい先日、訪れ、かなり切羽詰まった状況に陥りました。いつもよく通過するメトロの駅には、なんとなく、あそこにトイレがあるな・・というのは、わかっていましたが、これまで近寄ったことはありませんでした。

 

 無人の自動のトイレで、前に行ってみると、トイレということはわかるのですが、グリンのライトがついているだけで、有料とも無料とも書いてありません。こちらは切羽つまっているので、有料だろうと、無料だろうと、もしも閉じ込められたとしても、最悪の事態よりはマシと飛び込みました。

 

 思っていたよりも、全然、清潔で、トイレットペーパーもちゃんとあって、利用時間は最大15分で、停電の場合は手でこじ開けて出てくださいとしか書いてありません。しかし、もう考えている時間は私には残されておらず、とにかく用を足しました。

 

 これで無事に脱出できれば、よいわけですが、水を流す説明もボタンもなく、そのままとにかく、トイレから出ると、正面のボタンが赤くなり、清掃中の模様。

 

 びくびくする余裕もなく、駆け込んだトイレでしたが、意外にもスムーズで、思っていたほどに問題もなく、なんだ・・ふつうのトイレだった・・と拍子抜けしたのでした。

 

 結局は、グリーンのライトがついている時は利用可能で無料のトイレだったわけですが、外に何の説明もないため、あまり利用する人がいない模様です。

 

 とはいえ、多分、日本人がこのトイレに入れば、「えっ??なに?このトイレ??」ときっと思うと思いますが、フランスに来て以来、自分のトイレへの許容範囲が広まっている感じがします。

 

 本当に日本のトイレは素晴らしくレベルが高いのですよ・・。

 

 

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