幼稚園時代

母の日に向けてカーネーションを

色紙で作りました。

 


先生はとても明るく軽くこう一言
「お母様が生きてるひとは赤

亡くなってるひとは白で

カーネーションを作りましょ~」


クラスで一番かわいいと思っていた

女の子がすっくと手をあげた。

『先生、ママ病気で

入院してんねんけどピンク?』


園児たちが小さな論争を

繰り広げるか広げないかの間に

先生が少し急いで

「そ、それは赤よ。」

答えたのを妙にくっきり覚えています。

 


しかし…作成中…

白を作る子に悲痛な空気はなく

お母さんいないの?

『うん、妹産んで死んだの』

などとサラリと答えつつ手を動かせ

くだんのピンクちゃんも

赤で懸命に作り

白も作っていいか?

先生に聞いて即時却下される

おちゃらけ坊主もいて

極めてなごやかな時間の終わりには

たくさんの赤い中に

白が少し誇らしげに咲いていました。

 

 


今なら

担任の先生はトバされるか

辞職か…
園長が涙目で記者会見

ネットは自称正義漢の叩き一色

批判YouTubeが乱立し

幼稚園ホームページが炎上

閉鎖に追い込まれ

社説が雑誌が大きく叩き

ワイドショーで

何もわかってないような

タレントがシタリ顔で糾弾

するんでしょうね。


では…

今は思いやりに

満ちた

温かい世の中ですか?

絶対に違う。
 

『当たらず、障らず』『ホメて育てる』の

教育はいったい何を残してきたんでしょう?


親が責任回避しまくって、どうなりました?


偏ったおかしな知識ばかりが蓄積した

人の気持ちのわからない

ワガママで精神の幼稚な役立たずを

量産してきてないですか?

 

この国はどこで

ミチを踏み外したんでしょう…


それとも

我々の世代が野蛮で

無神経だったんでしょうか…