【次亜塩素酸水】の弱点は?より効果的な使い方と選び方 | かずのすけの化粧品評論と美容化学についてのぼやき

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前回の続きです!



「アルカリ電解水」の兄弟的な存在である

 

【次亜塩素酸水】

 

について前回解説してみました。

 

 

最も安全で効果的な除菌剤…?!「次亜塩素酸水」とは

 

 

とても難しい内容なので読むのにご苦労された方も多かろうと思いますが…

 

 

「次亜塩素酸水」は

 

10~80ppm(0.001~0.008%)というごくごく微量濃度で非常に強力な殺菌力を発揮するという特殊なもので、

 

この濃度の薄さから手刺激や人体毒性は低く

 

安全性高くかつ強力に様々なウイルスや細菌を殺菌できる画期的な除菌剤です。

 

 

(殺菌能力は最も強力な殺菌剤として使用されている「次亜塩素酸ナトリウム水溶液」を凌ぐとされています。)





この機能だけを聞くとそれは凄いアイテムのように感じると思います。

 

 

実際、ネット上ではこの次亜塩素酸水を次世代の除菌アイテムとして販売するメーカーも多いです。

 

食品を扱うお店などでも採用されている実績があります。

 

 

 

 

しかし不思議なことに、

 

次亜塩素酸水はこれだけ高機能の除菌剤なのにも関わらず

 

なぜか一般家庭ではほとんどお目にかかることがありません。



お察しの良い方は既にお気づきかと思いますが、

 

そう、

 

次亜塩素酸水には『重大な弱点』があり

 

一般家庭で流通するには色々と難しい側面があるのです。




◎次亜塩素酸水の決定的な弱点…「長期保存が出来ない」!?



実は前回の記事でも既に書いてあったので

 

よく読んでいた方は分かったのではないかと思います(^^;)

 

 

次亜塩素酸水の決定的な弱点とは、

 

『安定性が悪くて長期保存が出来ない』

 

という一点に尽きます。

 

 

 

前回のブログで引用した文献と同じ著者が書いている別の文献があり、

 

「次亜塩素酸ナ トリウムを用いた洗浄・殺菌操作の理論 と実際(福﨑 智司)」

 

 

この文献の後ろの方にこんなデータが示されています。

 

(縦軸の0.01→0.10の間違いだと思います;)


「FAC(Free available chloline)」というのは「遊離有効塩素」のことで溶液内に存在している次亜塩素酸・次亜塩素酸イオン・塩素などの総称です。

 

この遊離有効塩素が多いほど殺菌力を保持できるわけですが、

 

 

ご覧の様に、

 

微酸性~酸性領域の次亜塩素酸水の塩素濃度は、

 

貯蔵日数と共に徐々に低下してしまっています。

 

 

 

これが弱アルカリ性以上になると、40日経過でも90%保持しているのだとか。

(強アルカリで保存すればほぼ100%の数値を維持できるようです)

 

 

 

これを考えると、

 

 

次亜塩素酸水は作ってから一ヶ月程度であれば作ったときの殺菌活性をだいたい保持できると思われますが、

 

それ以降さらに時間が経過するとどんどん濃度が低下していってしまい、

 

いずれ殺菌活性を失ってしまうものと予想されます。

 

 

 

 

 

◎長期保存出来ないと家庭製品としては致命的…

 

 

 

このため、次亜塩素酸水が大メーカーから公に販売されることはまずないのではないでしょうか。

 

 

 

作りたての状態でどんなに効果があって安全性が高かろうとも、

 

2~3ヶ月で効果を失ってしまうような製品が大企業の製品化基準に合致することはまず考えられないからです。

 

 

 

 

次亜塩素酸はどれだけ密栓したとしても容器内に空気が入れば徐々に抜け出してしまいます。

 

 

工場で密栓したパウチの状態でならばかなり長く保存が可能だと思いますが、

 

一旦開けてしまうと人の力では完全に密栓は不可能ですし、

 

そもそも溶けている気体量がそんなに多くない(ごく微量濃度なのが次亜塩素酸水のミソ)ため、

 

有効濃度を下回ってしまうのも早いと考えられます。

 

 

 

特にスプレータイプともなると、

 

外から空気を取り込んで噴射しているので、

 

使う度に効果を失うという前提で考えなければなりません。

 

 

 

一ヶ月以内に全部使い切るとすればまぁなんとかなるかな…と思いますが、

 

200mlくらいの除菌スプレーを一ヶ月で使い切るなんてまず無理だな…と思います(^^;)

 

僕なんて同じ除菌消臭剤を一年以上使ってますし(苦笑)

 

 

 

 

◎医薬部外品や医薬品にも使えないので「殺菌」表示ができない

 

 

 

また次亜塩素酸水は例えば「エタノール」よりも強力な殺菌効果を持っているので、

 

効果的には「殺菌剤」としても使えるとも言えそうです。

(コメントでもありましたが皮膚科などで皮膚用の殺菌剤として処方されるケースも出てきている様子です)

 

 

 

しかし、現状では次亜塩素酸水が事実上「殺菌剤」として流通しているケースは存在せず

 

同様に「殺菌」という効果を標榜しているものもありません。

 

 

そもそも「殺菌」の表示は医薬部外品や医薬品にしか認められないため

 

有効成分として登録されていない次亜塩素酸水ではこの表示が出来ないのですね。

 

 

 

作りたての次亜塩素酸水ならば殺菌剤としても言えると思うのですが、

 

やはり長期保存が出来ない以上有効成分としては認可できないのだと考えられます。

 

 

そのため

 

現在では次亜塩素酸水には『除菌』という表現しか許されていません。

 

 

 

◎食品添加物として認可されているのは「規定に則った整水器で作りたての次亜塩素酸水」のみ

 

 

また、

 

次亜塩素酸水はその安定性の低さと、有効塩素濃度の厳密な定めにより

 

食品添加物として認可されているのは

 

「規定に則った整水器で作りたての次亜塩素酸水のみ」

 

なのです。

 

 

 

厚労省の次亜塩素酸水についての要点では「生成措置」の定めを設けていて、

 

基本的には「生成装置で作られる次亜塩素酸水」のみを食品添加物としてに認可しています。

 

 

その他の要件には「次亜塩素酸水そのものは流通しない」とも明記しています。

 

 

 

やはり安定性の低さからして次亜塩素酸水そのものでは最終利用者の手に渡った特に

 

ちゃんと効果を発揮できるのか規制のしようがないためと考えられます。

 

ゆえに、

 

 

食費添加物指定のクオリティのものを使用するには

 

その規定に合致した『整水器』を導入する必要があり、

 

 

2万円程度でも上記のような装置は購入できるので

 

一般家庭でも今は導入できないわけではないものの…

 

場所も取りますし一々生成しなくてはならないのはそれなりに面倒くさいですよね(^^;)

 

 

なので、家庭流通が中々しづらいのが現状なのです。

 

 

 

◎ネット通販などで販売される「パウチ」や「スプレー」の問題点&使い方

 

 

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今回そういうわけで市販流通しているパウチ包装式とスプレー式の次亜塩素酸水を購入してみました。

 

 

まず重要なのはこれらのアイテムは食品添加物基準の次亜塩素酸水ではないということです。

 

 

先ほどの資料のすぐ下に食品添加物準拠の次亜塩素酸水の基準が書いてあるのですが、

 

 

pHは5.0~6.5の間、有効塩素濃度は10~30mg/kg(10~30ppm)の間と決まっています。

 

 

たとえば「@クリア」は一応pH=6.3なのでpHに関しては基準内ですが…

 

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濃度は「500ppm」と基準の10倍以上の濃さです(^^;)

 

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これは安定性が低いからわざと濃く作って薄めて使用する前提なのでしょうね。

 

薄めて基準内に収まるようにすればそれなりに安全とは思いますが、

 

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原液の場合は厚労省もお墨付きの安全性とは言えなくなります。

 

手で触れても安全なラインもイマイチ微妙かもしれません。

(それでも0.05%なので薄いっちゃ薄いですが…あんまり触れない方が良いと思います。)

 

 

 

「次亜塩素酸水は手と触れると水に戻る」と書いてある場合がありますが、

 

それはあくまで次亜塩素酸水が手の表面のタンパク質(皮膚角質)と反応して失活するからであって

 

濃度が高ければそれが刺激になる可能性は十分あります。

(薄いやつは薄いから平気なだけ)

 

 

 

 

10倍希釈なら50ppmでpHも5.8くらいになるので、

 

まぁ基準に近い安全性と効果があると思います。

 

 

ただし、希釈後は一ヶ月以内に使用しなければなりませんし、

 

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未希釈の原液も大体3ヶ月程度を目処に使い切る必要がありそうです。

(低温、しっかり密栓など条件が揃えば半年くらいはいけるかもしれませんが…、、怪しいところ)

 

500ppmはあくまで作りたての濃度であって、時間がたてば徐々に薄くなります。

 

2Lも入っているので最終的にはほぼ水になってしまうでしょう。

 

 

また【製造日】非常に重要で、

 

密栓しているとはいえ高濃度のものは徐々に失活してしまうと思うので

 

極力製造後一ヶ月以内のものを使用しなければなりません。

 

 

@クリアは製造年月日が背面下部に記載されているので、その点を確認できるのが良いです。

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↑うちにあるやつは12月3日製造でした。

 

手元に届いたのは6日とかだったので、作ってすぐのものを送ってくれたみたいです…。

 

 

こんな感じで、パッキングタイプの場合は

 

  • 開封後2~3ヶ月で使い切ること
  • 高濃度のものは直接触れないように注意
  • 希釈したものは一ヶ月以内に使用
  • 「製造年月日」の記載があるものを選ぶ
  • 効果の保証はされていないことを承知で使う

 

という点に注意して使用しましょう。

 

 

 

次に「モーリス」というスプレーに関してはpH=6.7なので基準外

 

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しかも濃度に関しては容器には記載がなく

 

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いつ作られたかも不明…。

その後背面ではなくて底面に記載されていると教えて頂きました!

 

うちのものは10月26日製造でした!

(一ヶ月以上経過しているので少し残念です…)



ちなみにこれ、スプレーするともの凄く「カルキ臭」があります

 

カルキ臭というのは「次亜塩素酸」がガス化した際の匂い

人によってはこのカルキ臭の有無で塩素がちゃんと入っているかどうかを判断しているみたいですが…、、

 

「塩素のニオイがあるからしっかり入っていそう!」と思うかもしれませんが

 

これは完全に間違いです。



カルキ臭は気体として次亜塩素酸が抜けてしまった時に感じるものですので、

 

ニオイを強く感じているということは溶液中の次亜塩素酸濃度が下がっていると考えて良いです。

 

 

 

つまり「強いカルキ臭がする=次亜塩素酸が抜けて殺菌力が弱まっている」と考えられるということです。

 

 

製造年月日が不明である以上、かなり前に製造されたものが販売されている可能性があり

 

このモーリスについてはちょっと効果が怪しいなぁ…と感じました。

 

 

 

しかもさっきも書いたようにスプレーは内部に空気を取り込んで噴射しているので、

 

その分次亜塩素酸が抜けやすい商品だと考えられます。

 

 

以上から

 

スプレータイプは次亜塩素酸とは根本的に相性が良くないかもと僕は思います。

 

 

 

 

◎次亜塩素酸水が必要なのは飲食店や人が集まる場所だけ?

 

 

というわけで次世代型の除菌剤と言われる「次亜塩素酸水」についてまとめてみましたが、

 

確かに効果的で安全性も高いのですが

 

やはり色々と問題も多いし使い方に面倒な点が多々あるように感じます。

(原材料は塩と水だけなので、アルカリ電解水同様に怪しいメーカーも多いと思います)

 

 

整水器を購入して都度作成して使うのが一番と思いますが、

 

それもまためんどくさいですし、

 

パッキングされて販売されているものを一般家庭で使うのも、

 

期限内に使い切ることや濃度などを考慮するのは難しいように思います。

 

 

 

ただ、実際のところ一般家庭で次亜塩素酸水が必要になる局面ってほとんどなくて、

 

「消毒用エタノール」があればほとんどの菌やウイルスに対応できます。

 

 

健栄製薬 各種微生物に対する消毒薬の選び方

 

 

一般的な風邪の菌やインフルエンザはエタノールで殺菌できます。

 


ただ「ノロウイルス」などの特殊なウイルスだとアルコールが効きにくいため、

 

ノロウイルスが感染しやすい海鮮物(牡蠣などが一番危ない)の飲食店や、

 

人が集まりやすい病院や公民館などの集会場が基本となると思います。




次亜塩素酸水は確かに皮膚刺激自体はあまりないかもしれませんが、

殺菌力が非常に高いというのは、

 

一般家庭でほいそれと毎日手肌の消毒に使うと皮膚常在菌の生育環境に大きく影響を与える懸念もあるので、

 

どれだけ使っても安心安全、という過信は禁物かなとも思いますね。








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