現在発売中「週刊新潮」の記事について ~化粧品の【界面活性剤】は危険なのか?~ | かずのすけの化粧品評論と美容化学についてのぼやき

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これは少し困ったことになったな…と思ってブログを書いています。

 

 

 

話題の元は現在発売中の「週刊新潮」で、

 

今週号ではかずのすけも取材を受けた記事が投稿されています。

 

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しかしこの記事が…僕的にはあまり好ましくない方向性の記事になっているのがとても気がかりで、、

 

一応僕のスタンスや考え方を明言しておきたいなと思ってブログに書くことにしました。

 




まず内容が気になる方はお近くの書店やコンビニなどでも並んでいる「週刊新潮 9月20日号」をお開き頂いて、

 

誌面p.30~p.33を是非読んで見てください。

 

 

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タイトルから既に過激なんですが…。。

 

『塗ってはいけない!皮膚科専門医が警告する「化粧品」の真実』


と題された本記事は4ページにわたりびっしり化粧品に配合される「界面活性剤」という成分を主軸に、

 

週刊新潮記者さんの見解と、僕含む4名の専門家のコメントを繋げる形で構成されています。

 

 

 

現・ゼノア化粧品代表取締役の小澤貴子氏や

 

「肌断食」で一世を風靡した宇津木流スキンケアの宇津木龍一先生など

 

まぁ僕も含めて色んな意味で錚々たる(?)顔ぶれの専門家陣が集まっていてなんとも面白いことになっているのですが…(苦笑)

 

※宇津木先生は顔写真非公開なのか上の写真には載ってないのですが次ページなどで登場します。

 

 

 

まず最初に断っておきたいこととして、僕は今回の記事が複数人のタイアップのような形で掲載されるということを予めお知らせ頂いておりませんでした。

 

また、確認した原稿はあくまで僕が登場する部分や僕の監修した部分のみで、

 

記事全体の主旨がどのように向くかということも知らされていませんでした

 

 

あくまで週刊新潮の記事は週刊新潮の記者さんの意見で、

 

その見解を支えるべく数名の専門家の言葉が繋げられている、という形になっているということをまずはご理解頂きたいと思います。

 

 

 

そしてなぜ僕が今日こんな言い訳がましいブログを書いているのかというと、

 

今回の記事の内容的には僕の保有するスタンス・見解よりも、

 

どちらかと言えば他の方の見解の方が優勢に書かれているという風に読み取れてしまうからです。

 

 

それはどういう内容かというと、

 

記事内容を一言で要約するのであれば

 

「化粧品に配合されている【界面活性剤】は肌バリアを壊すから危ない」

 

というものです。

 

 

 

よくよく読めば記事も一応洗顔料やクレンジングの話をしている部分が多いので、

 

リテラシーがある消費者なら分けて考えてくれるかもしれないのですが…

 

そもそもの表題が「塗ってはいけない」から始まっているので塗る化粧品も洗顔料も混同して捉える消費者の方が断然に多そうだと僕には思えます。

 

 

 

 

僕のブログや僕の拙著をお読み下さっている読者の皆様はご存じのことと思いますが、

 

僕は以前から上記のような【界面活性剤】すべてを一括りに悪しきものとする論調には反対のスタンスであり、

 

 

他の専門家先生の意見には共通する見解も多々あるものの、

(例えばスキンケアのやり過ぎは肌を傷めるリスクがあるとか色々)

 

こと界面活性剤に関しての取り合わせでは断じて譲れない見解の相違があります。

 

 

 

なので本記事でタイアップのような形になっていることから僕も両者と似た思想を持っていると捉えられかねないと危惧してこのブログを書いています。

 

 

断じて明言しておきたいのは

 

かずのすけは「界面活性剤=悪!」という風には全く思っていない

 

ということです。

 

 

 

界面活性剤は化粧品だけでなく食品添加物などにも広く使用されており、

 

全く無毒性を示す物や肌に全く刺激や害にならない成分も数多く存在します。

 

 

特に今より数十年前であれば界面活性剤の技術が発展段階であったため

 

肌に対して刺激の強い界面活性剤が多数使われていたという歴史もありますが、

 

 

現在ではそのような成分が化粧品に配合されることは殆ど無く、

 

大手化粧品メーカーの比較的安価の化粧品であっても洗顔やクレンジングを除けば

 

「界面活性剤が原因で肌が荒れる」ということはまず無いと思います。

 

(そもそもスキンケア用の化粧品に入っている界面活性剤はごく微量なのでその影響は高が知れており、もし肌が荒れたとしたら界面活性剤ではなくもっと高濃度配合されている別の成分の影響と考える方が自然です。)

 

 

 

ただし全ての界面活性剤が肌にとって全く悪影響がないのか?というとそうではありません。

 

 

『界面活性剤』と呼ばれる成分は大きく分けて4つのタイプに分類できます。

 

 

 

泡が立つ洗顔料やシャンプーなどはマイナスの静電気を帯びる「陰イオン界面活性剤」

 

柔軟剤やトリートメントなどはプラスの静電気を帯びる「陽イオン界面活性剤」

 

あとは静電気的なバランスがとれた「両性イオン界面活性剤」と、

 

静電気を全く帯びない「非イオン界面活性剤」があります。

 

 

一般には陰イオン系や陽イオン系は刺激や毒性を持つ場合がありますが、

 

両性イオン系や非イオン系は刺激や毒性を持たない成分が大半です。

(ちなみに両性イオン系も非イオン系もいずれもほぼ全て合成界面活性剤です)

 

 

 

界面活性剤は同一の分子内に「親水基」「親油基(疎水基)」という構造を持っており、

 

主に油と水とを混ぜ合わせる働きをするものとして知られています。

 

 

 

 

ちなみに、

 

本誌記事中で「皮膚の細胞膜を界面活性剤が破壊する」理由が以下のように説明されていますが、

 

細胞の表面は細胞膜という膜で覆われています。そこは水と相性の良い部分、そして油の部分とから成っており、水と油が互いを避けようとする力によって安定した構造を保っていられます。しかし、界面活性剤は水と油を結びつける作用を持つ物質ですからこの細胞膜の構造を破壊し、そこに穴をあけてしまうのです。

 

一見正しく聞こえるこの説明にも、実は重大なミスリードがあります。

 

 

そもそもの話、

 

実はこの「細胞膜」を構成する物質である『リン脂質』も、

 

同じように界面活性剤としての構造を持っているのです。

 

↑脂質二重層の大部分を占める『リン脂質』の構造 ウィキペディア「脂質二重層」より引用 

 

 

 

 

細胞膜の構成物質そのものが界面活性剤としての構造を持っている以上、

 

界面活性剤であれば何でもかんでも細胞膜を壊せる…というわけではないんです。

 

普通の界面活性剤であれば、そのまま通り抜けてしまったり静電気的に反発されて近寄れなかったり、

 

細胞膜にダメージを与えられない界面活性剤の方がむしろ一般的です。

 

 

 

 

細胞膜を破壊出来る界面活性剤は一般に上記で説明した『陽イオン界面活性剤』で、

 

これは花王さんの「殺菌と界面活性剤の話」にも大変詳しく説明されています。

 

 

 

細胞膜を構成するリン脂質は「陰イオン界面活性剤」の一種なので、

 

それによって構成される脂質二重層はマイナスの静電気を帯びています。

 

陽イオン界面活性剤は強力なプラスの静電気を持っているためこの細胞膜に吸着し、

 

静電気的なバランスを崩して細胞膜を破壊してしまうのです。

 

(あとはリン脂質より強力なマイナスの静電気を持っている一部の陰イオン界面活性剤もこれと似た特性を持ちます。)

 

 

このため陽イオン界面活性剤や一部の陰イオン界面活性剤は刺激や毒性が強いと言われるわけですが、

 

 

上記の説明は、

 

陽イオン界面活性剤などのあくまで一部の界面活性剤の特性を

 

あたかも全ての界面活性剤がそのような働きをするかのように説明しているのです。

 

 

 

これが発言者の意図的なものなのか無知によるものなのか僕の知るところではありませんが、

 

少なくとも莫大な種類があり様々な異なった特性を持つ界面活性剤群を一括りに説明する文章としては全く適切なものではないと僕は感じました。

 

 

 

 

そもそも現在化粧品に用いられているほとんどの界面活性剤は分子サイズを大きく改良していて

 

このように細胞膜がある層(真皮層以下)まで浸透できるものがほとんどありません。

 

 

陽イオン界面活性剤も、高分子量の陽イオン性ポリマーなどを除けばスキンケア用化粧品に入っていることは殆どありません。

 

 

 

スキンケア用の化粧品に配合されている界面活性剤は肌に刺激にならず分子量も大きい「非イオン界面活性剤」や「両性イオン界面活性剤」が主流であり、

 

スキンケアに陰イオン系や陽イオン系界面活性剤を主成分として配合することはまずあり得ないことなのです。

 

 

 

 

(一応記事中では僕のコメントで「界面活性剤には様々な種類があって、肌に悪いものとそうでないものがあるのだ」という内容を書いていますが、「界面活性剤は肌バリアを壊す」という過激過ぎるメッセージと比べると到底インパクトが足りず、右から左に流されてしまうと思い補足しています。)

 

 

 

 

 

 

またもう一点注意したいこととして、

 

陰イオン界面活性剤を主成分にしている『洗浄剤』類は敏感肌には負担になってしまうことがあります。

 

ただしこのような原因での肌荒れの大半は、

 

洗浄剤の成分が肌に浸透して細胞を破壊する…というメカニズムによるものではありません。

 

 

 

 

洗浄剤による肌荒れは、

 

 

肌の表面を守っている皮脂やセラミド、様々な保湿成分を洗い流し過ぎることによる、

 

『肌バリアの低下』が原因です。

 

 

先ほども書いたように最近の洗浄剤類の主成分である界面活性剤は分子量を大きく改良したものがほとんどのため、

 

そもそも細胞膜のある層まで浸透することができません。

 

 

しかも洗浄剤なので大半は肌に付けてすぐに流してしまうため、

 

浸透するほど肌に残っていないのです。

 

 

 

ですが、

 

洗浄剤によって肌を守る皮膚表面のバリア機能成分を失ってしまうと

 

肌内部からの水分が蒸発しやすくなってしまいますし、

 

外部からの刺激なども受けやすくなってしまうのです。

(刺激の強い界面活性剤であればその成分そのものの刺激も受けやすくなってしまいます。)

 

 

 

なので肌を洗う『洗浄剤』は、

 

自分に合った洗浄力のものを使用しなければ、

 

たとえ成分的には細胞刺激などなくても肌荒れの原因になってしまうわけですね。

 

 

(そういう話をすると、「洗顔はしない方が良い」→「肌断食!」という話に進展していくのですが、僕は肌は全く洗わないのは現代世界をまともに生きてる人ではほぼ無理だと考えているので、洗浄剤には色々洗浄力の強弱があり、その強弱を見極めて自分に合った洗浄剤を選ぶことが美肌のコツだとブログや拙著でも解説しています。)

 

 

 

 

 

結局の所は「陽イオン界面活性剤」や「陰イオン界面活性剤」は成分を選ぶ際に注意が必要なものの、

(同じ陽イオン系や陰イオン系でも低刺激のものもあります。)

 

両性イオン系とか非イオン系などだとほぼ無視しても良いような成分も界面活性剤の中には沢山あるわけです。

 

 

 

陰イオン界面活性剤のうち最も刺激の強い「ラウリル硫酸Na」や、

 

最も殺菌力の高い陽イオン界面活性剤の「塩化ベンザルコニウム」など、

 

僕ははっきり言ってこれらの成分は嫌いですが、

 

だからといって界面活性剤全てが悪とは全く思ってません。

 

だって他にも色んな成分がいっぱいあるので。

 

 

 

 

なので僕としては、

 

界面活性剤そのものを善悪で語ることそのものが不毛であって、

 

界面活性剤に限らず個々の成分の特性を正しく把握して選択していくのが正しい

 

と考えています。

 

 

(実際肌バリアを壊すという成分だと界面活性剤よりもAHAとかタンパク質変性剤とか殺菌剤とか色々あるので界面活性剤だけに注意しても何にもならないんですよね…。)

 

 

 

無論、一般消費者がそのように科学者級の知識を持つことなんて実際には不可能に近いので、

 

ある程度の簡略化が必要なのは理解しているつもりです。

 

 

とはいえ、「界面活性剤は危ない!」というメッセージだけではあまりに大雑把ですし、

 

消費者に不要な恐怖を与えるだけだと思います。

 

 

 

 

 

 

というわけであまりまとまりがありませんが、以上になります。

 

 

 

今週号についてはもう出ちゃったものは仕方ないのですが、

 

実は同じ監修記事が週刊新潮さんで来週以降も数週間に渡り連載されるらしいのです。

 

 

僕もまだしばらく登場するということですし、

 

今回の意見の相違などについてブログに明言する旨や

 

専門家としてのスタンスの違いを今後読者さんにもう少し分かるようにして貰いたいことなどを

 

編集さんには既にお伝え済みで承諾も得ています。

 

 

 


まぁ週刊誌ですのである程度のセンセーショナルさが欲しいというのは分かるんですけどね…。

 

予め全文見せて欲しかったなぁ~と思うところでした(苦笑)





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