「グリセリン」でニキビが悪化する?!【グリセリンフリー】について考えてみる | かずのすけの化粧品評論と美容化学についてのぼやき

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先週までバタバタしていたからかここ数日ちょっと夏バテっぽくてブログ更新ができていなかったのですが(^^;)、

 

今日はセミナーのお仕事もありましたしそろそろ調子を戻していかなければならないな…

 

と、こんな時間にブログを書き始めています。笑

 

 

 

 

早速、本日のお題は『グリセリンフリー』についてです!

 

 

これ、聞いたことあります…?

 

 

最近

 

『グリセリンはニキビの悪化要因になるからニキビや脂性を気にしている人はグリセリンの入っていない(グリセリンフリーの)化粧品を使いましょう!』

 

という動きがあるのだそう。

(お友達から聞きました…)





確かにインターネットで調べたりSNSを探してみるとそういうスキンケアが流行しつつある…?!というのは確かな様子です。

 

 

 

今日はこの情報についてのかずのすけの見解をお話していきたいと思います(^_^)ゞ






◎『グリセリン』がニキビの悪化を招く?!情報の元手は…


この情報の元手は結構前にサティス製薬さんが発表した研究結果のプレスリリースで、

 

 

「アクネ菌の保湿剤に対する資化性」(資化性=その成分を餌として繁殖できる性質)

 

を複数の保湿剤で調べた結果、

 

・何も配合しないのに対してグリセリンは4倍の資化性を示した。

(BG、DPG、ジグリセリン、プロパンジオールなどは資化性ほぼなし)

 

というデータが得られたそうです。

 

 

 

これは実際には2013年ごろには既に発表されたものだったのですが

 

SNS等の盛況により去年頃から徐々にじわじわと消費者に浸透していったと考えられます。

 

 

ただ今ではこのプレスリリース記事は閲覧できない状態になっていまして…(苦笑)

 

おそらく業界的にいろいろ誤情報の蔓延に繋がる等の問題があると自己判断したのではないかな…

 

と個人的には思っています(^^;)

 

 

なので僕もその記事のデータをここに引用するのは控えておこうと思います。

 

 

ただネットで「グリセリン ニキビ」等のワードで調べれば、

 

そのときの記事を引用したいくつかのサイトが誰でも閲覧できる状況ですので

 

気になる方は良かったら調べてみてください。

 

 

 

というわけでこのときの研究報告を元に、

 

「実際にグリセリンフリーにしたらニキビができにくくなった!」

 

などの声がSNSなどでも聞こえるようになっている状況ですし、

 

「ニキビが気になるならグリセリンフリーを!」

 

みたいな誘導をする情報サイトも増えてきているようです。

 

 

 

 

◎「グリセリン」とはどういう成分なのか

 

 

そもそも『グリセリン』という成分が一体どういう成分なのか簡単に説明しておきますが、

 

 

グリセリンは一般的に化粧品の『ベース成分』として配合されているとてもポピュラーな保湿成分です。

 

かなりの利用頻度があり、

 

今ではグリセリンが全く配合されていない化粧品を探す方が難しいかも…

 

といっても過言ではないくらい使用されています(^^;)

 

よかったら皆さんもお手持ちの化粧品の成分を確認してみてください!

 

 

成分の上位に配合されているケースも少なくないのではないでしょうか。

 

 

 

 

そしてグリセリン自体はとても手に入れやすい成分で、

 

薬局や通販サイトなどでかなり高濃度の原料を手軽に入手することもできます。

 

僕もいくつか手元に置いてあります。

 

 


左(上)が約85%濃度のグリセリンで、右(下)がポップなデザインですがより高濃度で99.5%の濃グリセリンです。

 

 

 

これだけ高濃度のグリセリンが簡単に手に入る理由としては、

 

何より『グリセリン』そのものは非常に安全性が高く、高濃度で触っても基本的には刺激にならない成分だからです。

 

(ただし注意として、グリセリンは水分を吸収すると発熱する性質があるため、多量のグリセリンに水を混ぜた直後に触れるのはやや危険です。あとあまりに高濃度で塗布すると逆に肌の水分を吸湿されてしまう懸念もあるので予め多量の水を混ぜて使用するのが基本です。)

 

 

↑85%濃度のグリセリンだと比較的さらっとしていますが、

 

 

↑99.5%濃度だとビーカーの裏側にねばっと残るくらいにねっとり感のある液体です。

 

 

 

あんまり真似してほしくはないのですが、

 

99.5%でも水分が少ない状態であれば肌に直接つけても別に刺激はありません。

 




これを皮膚に伸ばすと↓のように弾かれて肌の上にずっとあります。

 

蒸発もしないし、浸透も全然しません。笑




このように肌の上に長時間残り続けるのがグリセリンのひとつの特徴で、

 

水分とも馴染みやすい特性から肌上に残ったグリセリンが水分を保持して肌の保湿剤として働いてくれます。

 

 

 

一般的な使用感は「しっとり系」で、この部分も拭き取ってからもややねっとりとした触感を感じます。笑

 

グリセリンベースの化粧品はしっとりした質感のものが多いですね!

 

 

 

 

◎グリセリンの刺激性と皮膚上での特性

 

 

そしてグリセリンの最も面白い特性が、

 

「化粧品成分で使用される保湿基剤の中で最も低刺激性である」

 

ということです。

 

 

 

いつかの記事で紹介したこちらのデータを見るとそれがよくわかります。

 

BGやグリセリンなど「水性基剤」の安全性データをまとめてみました【マニア向け】

 

 

経口毒性も最も低毒性で、原液を用いた試験では皮膚刺激や目刺激も一応無いということになっています。

(人ではなくウサギのテストですので人での試験結果とは若干差異があるようです)

 

 

 

これは上から順に低刺激な順番で並んでいますので、

 

敏感肌や乾燥肌には最も適している保湿剤とも言えるかもしれません。

(グリセリンは保湿力も高め)

 

 

 

 

ただ、この表にも僕は「ニキビ肌には△」という風に書いてますね(^^;)

 

これは例のデータを受けての記述なのですが…。

 

 

 

そもそもグリセリンというのは、

 

ここに載っている成分の中で唯一、元々人の肌上にも存在している保湿成分です。

 

 

ニキビなどが増える原因として言われるアクネ菌は、「皮脂」を分解してくれる皮膚常在菌ということがわかっています。

 

 

実は「皮脂」のうちの『油脂分』が分解されると、

 

1つのグリセリンと、3つの脂肪酸に分かれます。

 

 

このため、グリセリンは元々人の肌の上にも存在している保湿成分なので、

 

最も人肌に相性が良い保湿成分である、とも言えるのです。

 

 

 

しかしその一方で、

 

人の肌の上に元々ある成分ですから皮膚常在菌にとっては普段から慣れ親しんだ物質です。

 

本来は常在菌にとっての餌は「皮脂」なのですが、

 

何かしらの理由でグリセリンをおやつ代わりに食べて多少元気になってもおかしくはないと僕は思います(^^:)笑

 

 

 

 

ですので、グリセリンが他の保湿成分と違って

 

ニキビの原因菌の餌になる性質(資化性)があるというのは

 

至極真っ当なお話とも言えます。

 

 

 

また他の成分は多少の刺激性を大なり小なり持っていて、

 

微細な生き物に対しての抗菌性を有しているのに対し、

 

グリセリンはあまりに低刺激すぎるというのも一つの要因になっている可能性もありそうです。

 

 

いずれにせよ

 

僕としてはこの「グリセリンがニキビ肌にはあまり向いていない」という情報を随分前に見たときには

 

別に驚くこともなく『そりゃそうだよね~』とすっと納得しましたし、

 

あえてこれを取り上げて説明する必要もないかな、、と思ったのを覚えています(^_^;)

 

 

 

逆にこれをそのときちゃんと説明していれば、今のように行き過ぎた解釈をする人はそんなにいなかったのかも…というちょっとした反省もあります…。。

 

 

 

 

 

◎ニキビを気にする人はグリセリンベースは避けるべきだが、少量なら気にしなくても良い

 

 

 

というわけで『グリセリンフリー』についての僕の最終結論をお話しておきます!

 

 

 

既に小見出しで書いてますが(^^;)

 

 

基本的には

 

  • ニキビ肌質の人は『グリセリンが主成分に入ってる保湿化粧品』は避けた方が良いかも。
  • ベースはBGなどのその他の保湿成分で、グリセリンが少量添加されているものは別に避けなくても良い。
  • 洗顔料やクレンジングなどは例えグリセリンがベースでも水でほとんど流れてしまうので気にしなくても良い。
  • 敏感肌の人にとってはむしろ肌に優しい成分なのでお勧めの保湿成分。
 
という感じになります。
 
 
 
 
グリセリンフリーを徹底している人は「グリセリンが入っていない化粧品を見つけるのが難しい!」と嘆いていて、
 
ただの保湿剤だけにとどまらず洗顔料やクレンジング、シャンプーに至るまですべてをグリセリンフリーにしようとしている人もいます。
 
 
これはぶっちゃけ…『気にしすぎ』だと僕は思います…(;^o^A
 
 
 
実際には例の実験ではグリセリンやBGなどの保湿成分を単品で作用させてデータを取っているはずですので、
 
防腐剤とかもいろいろ混ざった状態の化粧品で同じ結果になるか?というとそれはかなり怪しいよね…と僕は一応思っているのですが(苦笑)
 
 
ただやはりニキビ肌質の場合はグリセリンが多い処方のものは避けたほうが良いのも事実です。
 
ですので、
 
『グリセリンが主成分として多めに入っている保湿化粧品』
 
例えば↓こんな感じの成分表になっている場合は意識的に避けた方が良いと思います。
 
水、グリセリン、DPG、ヒアルロン酸Na、イソステアリン酸PEG-20グリセリル、クエン酸…

水、BG、グリセリン、ヒアルロン酸Na、スクワラン、ステアリン酸グリセリル、メチルパラベン…

 

上位2~3番めくらいにあるやつだと5%くらい入っている可能性が否定できないので

 

この場合は避けてもいいと思います。

 

特に一番上(水の次)に記載されているのはやめた方が良いかもです。

 

 

3番目くらいでベースがBGとかだとすれば、BGにはむしろ抗菌性があるので

 

僕はあまり影響しないのではないかな?と思うのですが、、

 

不安に思ってしまえばその時点で化粧品は気持ちよく使えませんので(苦笑)、、

 

自分が気になるなら避けても良いと思います。

 

 

 

でもこれ以外で、成分表の2行目3行目に記載されているなどグリセリンが少量でしか配合されていない場合には、

 

ニキビ肌だとしても影響はほとんど考えられないと思います。

 

その程度の濃度であれば皮膚上で作られるグリセリンのほうが圧倒的に多いので、、

 

影響はほぼ無視できることでしょう。

(他のベース成分の効果で抗菌されることも考えられます。)

 

 

 

また、

 

グリセリンは水溶性の保湿成分で、水に非常に馴染みやすく、そして流れやすいです。

 

洗顔料やクレンジング剤、シャンプーやボディソープなどにも

 

保湿剤目的に配合されることがありますが…、、

 

もしグリセリンがベースに入っていたとしても水で流せば流れてしまうのが基本です。

(よしんば残ったとしても影響しないくらい微量だと予想できます。)

 

 

ですので、

 

塗布用の保湿化粧品であればグリセリンフリーを徹底するのはある程度効果があるのでは?と思いますが、

 

洗顔料など洗い流す化粧品に関してはグリセリンを過度に忌避する必要はないと僕は思います。

 

 

石けん系の洗顔料なんかはグリセリンがほとんどの場合入っているはずですので、

 

避けるのはかなり難しいのではないでしょうか…。。苦笑

 

 

 

 

また、グリセリンは保湿基剤の中では最も低刺激の成分ですから、

 

ニキビに悩んでいるわけではない乾燥肌や敏感肌の人にとっては非常に優れた成分といえます。

 

そういう方にとっては(使用感の好き嫌いはあると思いますが)ぜひお勧めの成分ということになるでしょう。

 

 

 

 

という感じが僕の「グリセリンフリー」についての考察ですね。

 

 

 

 

 

◎全ての成分にはメリットとデメリットの「二面性」がある

 

 

 

以上でまとめに入るのですが、

 

この研究結果を発表したのはサティス製薬さんなんですけれども、

 

こちらの情報が現在のように単純に「グリセリン悪し」みたいな方向に動いてしまっているのはとても気がかりに思っているのではないかと思います。

 

 

…というのも、

 

この情報を発表したとあるセミナーで、サティス製薬さんの研究者さんは以下のように発言しているという記録が残っています。

 

…例えば、保湿剤として多くの化粧品に配合されているグリセリンはアクネ菌に対する資化性を持つ原料の一つです。

皮膚を保湿して健全に保つというメリットがある反面、皮膚に塗布する量によってはアクネ菌の増殖を促す可能性があります。ただし、このようなデータから判断するべきは、グリセリンが化粧品成分として皮膚に良い、悪いという問題ではなく、化粧品に配合されている成分にはメリットとデメリットの二面性があることを考慮する必要があるということです。ユーザーにとっては、自分に合った化粧品を選定する際の基準として考慮するべきであるとの見解を述べました。…

 

【イベント開催報告】 参加者の8割が「ニキビ企画や美容法特集に活用できる」 『最新の皮膚科学と成分作用に基づくスキンケアセミナー』 より引用

 

 

これは非常に大切なことを言っていると思います。

 

 

僕は以前から「どんな美容成分も良い効果だけでなくその効果に反した副効果を持っているものだ」という話をしていますが、

 

これだけポピュラーなグリセリンだってこの例外にもれないわけです。

 

 

ビタミンCはとても良い美肌成分だと思われているけど、実際には安定性が悪くて皮膚刺激が結構あったり、

 

美白成分の多くには細胞刺激があるから敏感肌にはあまり向かないよ、とかね。

 

 

逆に界面活性剤は皮膚刺激の要因になるものもあるけど、成分を分散したり入荷したり、不要な汚れを落としてくれるなどのメリットもあります。

 

 

などなど似たような話は他にもわんさか。

 

 

 

 

 

単純にその成分が「良い」とか「悪い」という話ではなく、

 

自分の肌質にはどういう成分が合っているのか、

 

その成分や効果の「本質」をしっかり理解して選んでいく必要がある

 

と僕は常に思っています。

 

 

 

 

 

 

 

今回の一件についても、『最も低刺激の保湿成分』と言われているグリセリンも、

 

裏を返せば『ニキビの悪化要因のひとつになる』…という二面性を持ちます。

 

 

こういった成分はこれに限った話ではないので、

 

くれぐれも成分の特性やその効果メカニズムを考えることを忘れずに

 

化粧品を選んでいって欲しいなと思いました!







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