化粧品の「基底層」や「真皮」への浸透とその効果について かずのすけの考え | かずのすけの化粧品評論と美容化学についてのぼやき

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今日のテーマは

 

【化粧品の「基底層」や「真皮」への浸透とその効果について】

 

と題しております。

 

 

 

色々と誤解の多い内容なので一度しっかり整理したいなと思い僕の考えをまとめてみました。

 

 

早速お話していきましょう!

 

 

 

 

◎化粧品の浸透はどこまで? 「皮膚の構造」について


化粧品の浸透の話をするにはまず人の皮膚の構造を覚えておく必要があります。


こちらが超簡単に模した人の皮膚の構造↓。




人の皮膚は上から「角層」「顆粒層(かりゅうそう)」「有棘層(ゆうきょくそう)」「基底層」と四つに分かれていて、

 

これをまとめて「表皮」と呼んでいます。

 

基底層で作られた表皮細胞がターンオーバーに従って上昇して有棘層となり、その後顆粒層となり、最後に角層となります。

 

覚え方としては上から覚えるより順番で下から覚えた方が良いと思います。


そしてよく化粧品浸透問題で出てくる「真皮」がそのさらに下に続いています。

 

 

 

人の皮膚の最も表層にある【角層】はおよそ0.02mmほどの厚さと言われていて、

 

『ラップ一枚』程度の厚さと等しいというのは有名な話です。

 

 

 

 

そして表皮の一番奥である基底層までがおよそ0.2mmほど。

 

 

 

角層よりさらに10倍の距離を浸透してようやく基底層やその下の真皮に到達できることになります。

 

 

 

 

ちなみに「基底層」「真皮」がどういう役割をしているかというと…

 

 

 

<基底層>

メラノサイトやケラチノサイトがあり、メラニンや表皮の元になる細胞を作っている層。

 

有棘層以上の表皮内では新しい細胞は生成されておらず、

 

基底層で作られた表皮細胞がターンオーバーによって角化・脱核して皮膚バリアになる『角層』を形成しています。

 

 

<真皮>

線維芽細胞があり、コラーゲンやエラスチンなど皮膚の弾力を司る繊維質を作っている層。

 

 

 

 

つまり例えば「皮膚の細胞生成を促す」「コラーゲンの生成を促す」というような成分の効果を発揮させるためには、

 

実際に細胞や繊維タンパク質を作っている基底層や真皮までその成分が届かなければ意味がない、

 

ということになるわけです。

 

 

 

 

 

 

しかし、

 

日本の「化粧品」の効果は薬機法で『角層まで』と決められています。

 

 

 

角層はさっきも言ったようにラップ一枚0.02mmまでの皮膚表面の層です。

 

 

法律上では化粧品の効果はこれ以上は及んではいけないことになっており、

 

広告をする際にも『肌の奥まで』と書いたならば『※角層まで』等と注記しなければならないことになっています。

 

 

 

『「基底層や真皮まで届く」がダメ』…ではなく、『角層まで』が正解です。

 

顆粒層や有棘層までの浸透も標榜できません。

 

 

これは、「化粧品」とはあくまで安全性を重視した商品であることが必要とされるため、

 

このようなルールになっていると言われています。

 

 

 

ですので基底層や真皮以降に働きかける商品の殆どは「医薬部外品(※)」「医薬品」であり、

 

特に医薬品は総じて化粧品より強い効果を持っていますが作用に相反する副作用を持ちます。

 

(※医薬部外品も基本は「角層まで」ですが浸透データの提出で厚労省から認可を受ければ基底層や真皮までの効果も認められます。)

 

 

 

そもそも角層にはセラミド等による強固な皮膚バリアがあるため、

 

化粧品そのものが浸透してこれを突破するのはかなり難しいです。

 

 

 

化粧品の基剤になっているただの水やグリセリンとかBGとか普通の油分などなど、

 

多くの成分は角層バリアに阻まれてしまうため

 

成分の特性状それ以上浸透できないわけです。

 

 

 

ゆえに、皮膚に塗った化粧品は基本的には皮膚表面や角層上層に留まり

 

揮発してしまったり、洗って流れてしまう場合が殆どなのです。

 

 

 

 

というわけで

 

その商品が「化粧品」である以上、

 

基底層や真皮まで化粧品そのものがひょいひょいと浸透することはない!

 

 

…とする考えが基本なのです。

 

 

 

ほんと夢の無い話で申し訳ないですが…(苦笑)

 

 

 

(ただ、僕は角層を適切に潤したりセラミドを補給したりするだけでも肌の状態は絶対に良くなると思っているので、角層だけへの保湿もとても価値あることだと思っています。この話はまた今度詳しくしますね。)

 

 

 

◎化粧品でも真皮や基底層まで浸透する『成分』がある?

 

 

 

 

ただし、

 

ここまでの話はあくまで『薬機法』という法律に基づいた話です。

 

 

 

一応化粧品の効果範囲は法律上ではそのように決められているのは事実ですが、

 

そもそも「化粧品」は製造販売する際に厚労省などにデータの申請などをする必要がないので

 

現状では化粧品成分に登録されていれば濃度問わずあらゆる成分を入れられるわけで、

 

そういう意味ではある意味、

 

配合出来る成分に限りがあったり効能や安全性の申請が必要な医薬部外品と比較してよりリスキーな化粧品が存在する、というのもまた事実です。

 

(ハイドロキノン化粧品とかがその筆頭です)

 

 

 

 

また化粧品とは言っても、

 

医薬部外品や医薬品に使われているものと同じ成分(化粧品成分登録されてるもの)も使えますし

 

グリチルリチン酸2Kとかアラントインみたいな抗炎症系の成分なんかは

 

たとえ化粧品でも効果実感できるものがあるのは事実。

(炎症を起こしていて肌バリアが弱っている部位だからこそ…という場合も多いですが)

 

 

 

他にも似たように女性ホルモン様成分など、

 

ステロイド骨格を持っている成分は浸透性が高いことは有名だし、

 

ビタミンC誘導体を含め美白有効成分のほとんどは実際に医薬部外品で効果承認されている以上、

 

少なくとも基底層まで届くという前提がないと効果が期待できません。

 

 

 

 

 

他にも、原料メーカーの資料などを見ると、

 

「化粧品成分」として販売されているにも関わらず「基底層」や「真皮」までの浸透を謳っていたり

 

実際にその試験データを掲載してるものもあります。

 

 

 

例えば昨日の解析で出てきた「パルミトイルトリペプチド-5(シンコル)」という成分は、

 

原料メーカーの販売文句では

 

防腐剤を含まない合成の小さいペプチドの溶液で、TGF-βを活性化させ、線維芽細胞でコラーゲンの合成を促進します。全てのタイプのシワの改善に有効です。 

 

なんていう風に書いてあるんですよ。

 

線維芽細胞があるのは真皮ですので、つまり真皮に効果を及ぼすと言っているわけです。

 

 

 

こう言っているからにはデータ上では浸透したってことなんでしょうね。

 

 

 

 

 

つまり

 

「化粧品そのものが皮膚の深部である基底層や真皮に到達することは考えられないが、

 

特定の成分だけなら浸透すると考えられるものも理論上はあり得る…」

 

というのが法律の裏側にある話なんです。

 

 

 

 

分子量が500以下の細胞間脂質を通過できる構造を持ったものや、強いイオン性成分は確かに皮膚浸透しやすいです。

 

 

こういった類いの成分が「化粧品」には全く入っていないのか?というと

 

そうとも言えないのが実情です。

 

 

 

 

◎しかし、「浸透する」とはっきり断言できる根拠もない

 

 

 

 

とはいえ、

 

 

そもそも化粧品成分単位だったとしても、たとえ条件上浸透できる成分だったとしても、

 

 

それが本当に角層より先に浸透できるか?というとそれを断言できる根拠もありません。

 

 

 

そもそも成分単位での浸透データは、

 

実際の人の皮膚で行われているものではなかったり

(培養皮膚モデルみたいなものでやっている場合がほとんど)

 

使用濃度が化粧品に通常配合されるより圧倒的に濃い濃度で行われていたり

(原料メーカーの推奨濃度は通常配合するよりコンマ一個分多いと言われている)

 

使用環境が実際使用されるのとは全く違う場合が殆どであったり

 

実際の化粧品では試験の際には含まれていなかった他の成分がかなり沢山混ざっていたり…

 

 

などなど原料メーカーが見せてくる試験で結果が出ている資料があったとしても、

 

実際の化粧品に配合して実際に使った場合、

 

それと同じことが起こることはまずあり得ないと僕は思います。

 

(さっきのうたい文句を読んでも、僕だったら「まぁあくまでちゃんと浸透すればの話ね。」と本気では捉えません)

 

 

もし浸透したとしても実際データの何分の一か何十分の一か、もしくはもっと低いのがほとんどでしょう。

 

 

それって実際に効果があると言えるのかどうか…?

 

それは誰にも分からないし、評価のしようもありません。

 

 

 

 

これが誰にも分からない以上、

 

「化粧品であっても真皮に浸透する」

 

なんて断言することは誰にも出来ないはずです。

 

 

 

 

 

だから化粧品にそういう成分が入っていても、

 

その効果は神のみぞ知るかなり曖昧なもの…

 

として気持ち的に期待する程度のものだと僕は考えています。

(化粧品って本来そういうものですしね)

 

 

 

 

 

少なくとも、

 

法律上では『化粧品の効果は角層までとしか言えない』ということこそが全く揺るぐことのない事実です。

 

 

 

特にメーカーや処方技術者の立場であればこそ、

 

どんな裏事情があったとしても消費者に対してはこれ以上言わないのが節度だと僕は思うし、

 

もし逆にメーカーの立場で「化粧品でも真皮に普通に届きますよ!」なんて(特に化粧品販売を業にしてる人が)断言したとしたら、

 

それこそ批判されてしかるべきだと僕は感じます。

 

 

 

 

 

 

 

化粧品の効果は基本的に角層まで、

 

でも色んな成分があってデータ上は基底層や真皮に効果を及ぼすものもあって、

 

もしかしたらその効果もちょこっっっっとは期待できるかもしれない…

 

 

それが化粧品というものです。

 

 

 

 

きちんと安全性を重視した化粧品であれば濃度もほとんど効果が感じられないくらいの微妙~なものに設定されるのが基本です。

 

 

(だから普通の化粧品で明らかに効果があった!と感じるものってたとえ医薬部外品であってもあんまりないはず。抗炎症とか殺菌系は成分特性的に結構強く効果出るけど基底層や真皮に関わる美白とかシワ改善とかは特に。)

 

 

 

美容部員さんとかでたまに「真皮まで届くんです!」なんて言っちゃう人もいますが、

 

これは販売側なら絶対言っちゃいけないことだし

 

 

節度あるメーカーであれば真皮までの浸透を公言することはあってはならないから

 

そういう教育もしっかりしているはずです。

 

代表者であればなおさら言えないと思います。

 

(だからといっても「角層までしか絶対に浸透しない!」と断言してしまうとやはりこれは誤解を招きかねない部分があるのは事実ですが…「化粧品そのもの」の話と「成分」の話は分けて考える必要があると思います。)

 

 

 

 

 

というわけで以上、

 

化粧品の「基底層」や「真皮」への浸透とその効果について僕の考えを書いてみました。

 

 

要点をまとめると、

 

  • 「化粧品そのもの」は角層までしか浸透しない!と考えるのが基本。
  • ただし「成分」によっては浸透性が高いものもあるし、化粧品に配合することは可能。
  • データ上基底層や真皮まで浸透することを謳う「成分」もある。
  • でも試験時と実際使用時では状況が違い過ぎるためそういう「成分」が入っていたとしても、実際の効果はあるかないかよく分からないかなり微妙なものとして考えるべき。
  • 法律的には「角層まで」としか言えないのが揺るぎない事実だし、それを守らないメーカーは節度がないと思う。
 
という感じですね!



もしかしたら賛否あるかもしれませんが、

 

あくまでかずのすけの考えとして参考にして頂けると幸いですm(_ _)m








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