かずのすけの化粧品評論と美容化学についてのぼやき

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最近日焼け止め関連の記事が続いていますが、


ここで日焼け止めの主成分である

『紫外線吸収剤』

および

『紫外線散乱剤』

について一度しっかりまとめていきたいと思います。


どういうシチュエーションでどっちを使用すれば良いのかまだイマイチ分からない…

という人も少なくないのではと思いますので

ここでしっかり理解しておきましょう
(^-^)/



◎『紫外線吸収剤』と『紫外線散乱剤』


http://www.kao.com/jp/qa_cate/facesunscreen_04_02.html より



日焼け止めのことを少し勉強すると、

この2つの成分についての情報が嫌でも耳に入ってくると思います。


紫外線を防御するための成分には上記の画像のように、



紫外線を一旦吸収してエネルギーとして放出する

・紫外線吸収剤





紫外線そのものを反射させて皮膚に届けない

・紫外線散乱剤


という成分があります。

これらの紫外線防止効果は確かなもので、

実際に日焼け止めに配合されれば紫外線をカットするのに十分役立ちます。



しかしどちらもどちらで一長一短があるため、

日焼け止めを選ぶ際にはこれらの種類を見分け

シチュエーションに合わせた正しい選択をするのが望まれます。


それを怠ると、

知らず知らずのうちに肌に負担を与えてしまうこともありますので注意してください。



◎紫外線吸収剤のメリット


紫外線吸収剤には以下のような種類があります。

主に日本の化粧品でよく使用されているものを並べておきます。

ちなみに「UVB」→短波長紫外線、「UVA」→長波長紫外線のことです。

詳しくは『紫外線の基礎知識』参照



紫外線吸収剤の最も大きなメリットとして言えるのは、

その高い紫外線防御効果です。

image



吸収剤は基本的に『油状物質』無色透明のオイルです。

そのため配合量を増やしても色が付きにくく、

感触改良剤の様な扱いで日焼け止めに多めに配合することができます。


またオイルですから製剤中の均一な分散が容易で、

皮膚に塗った時に色ムラ無くフラットに塗り広げることができます。


さらに吸収効率も非常に高く、少量で広い範囲の紫外線を防御できる吸収剤も存在します。



そのためSPF50 PA++++などの高い紫外線防御指数を持つ日焼け止めには

基本的にはこれらの成分が配合されているケースが大半です。



◎紫外線吸収剤のデメリット


しかし高い紫外線防御効果とは裏腹に、

いくつかのデメリットがあるのも有名です。



まず紫外線吸収剤全般に言えるのは

『乾燥』や『刺激』が懸念されるということです。


紫外線吸収剤は自身に紫外線を吸収すると、

その光のエネルギーを熱エネルギーに変換して外部に放出する性質があります。

そのため、熱のエネルギーによって皮膚の水分が蒸発し乾燥を助長することがあります。



またこれは長波長域(UVA)を得意とする紫外線吸収剤を中心として言えるデメリットなのですが、

長波長域を吸収出来る紫外線吸収剤は分子構造が不安定な場合が多く、

光を当てると徐々に分解していってしまう
性質があるものがあります。


化学物質は分解するときに周囲の組織などにエネルギーを放出したりして悪影響を与えるため、

それが刺激として働くことがしばしばあります。

この刺激を抑える工夫のない日焼け止めは敏感肌向きではありません。



特にオキシベンゾン類ロングUVA対応の吸収剤は注意が必要です。


これらのタイプの吸収剤は紫外線を浴び続けると吸収剤自体が分解してしまい、

時間が経つごとに徐々に効果が弱まっていくとも言われています。


なのでこのタイプの日焼け止めは同じ効果を維持するには「塗り直し」が必要となります。





◎紫外線散乱剤のメリット


紫外線散乱剤として有名なのは、

・酸化亜鉛

・酸化チタン


の二種類しかありません。


他にも水酸化Alとかクレイ系やシリカ系とか微妙なのもありますが、

有名ドコロは上記2つです。


どちらも白色の粉末で、


左:酸化亜鉛 右:酸化チタン (wikipediaより)




光そのものを反射するためUVB~UVAと幅広い波長の光に対応できます。

(比較的酸化亜鉛の方がロング領域のUVAを反射する性質に長けています。)



また紫外線を反射しても熱を放出したり分解することがないので、

乾燥を助長したり刺激を与える懸念がほとんどありません。


なので『低刺激』と言われる日焼け止めはこの成分が主成分になっていることが多いです。


また分解しないので、汗をかいたりタオルで拭いたりしなければ

塗り直しをする必要がありません。


とても使い勝手の良い成分ですね(^-^)




◎紫外線散乱剤のデメリット


しかしこの成分もまた短所があります。


まず両方の成分に共通するポイントとして、

これらの成分は白色の粉末ですから

配合量を増やしすぎると白浮きしやすくなってしまう

という問題があります。

image



よって簡単に配合量を増やせないため、

紫外線散乱剤をベースにした日焼け止めは

紫外線防御効果があまり高くありません。


クリームタイプで散乱剤のみの場合はSPF30前後が関の山です。
(色がついても良いパウダーベースだともっと高いものもあります)


また色ムラなどが起こりやすく、メイクとの相性が悪かったりと

使用感の面でマイナスに響く点が多々あります。



さらにこれは『酸化亜鉛』について言えるデメリットですが、


酸化亜鉛は不純物があると汗などと反応して金属アレルギーを起こす懸念があります。


完璧に純粋な酸化亜鉛はアレルギーの原因にはならないのですが、

安い原料で精製が不十分のものだとこのような不安もあります。


なのでさらなる低刺激を考えると「酸化チタン」のみを使った方が安心の場合が多いです。
(酸化チタンは金属アレルギーを起こしません)


しかし酸化チタンのみだとロング領域がやや弱くなるので、

その分紫外線への防御がもろくなるということでもあります。




◎場合によって使い分けるのが日焼け止めの賢い使い方!


というわけで、

吸収剤→使用感が良く強力に紫外線をガードするが乾燥や刺激の懸念あり

散乱剤→刺激が無く広い波長をガード出来るが白浮きしやすく強い紫外線には対応出来ない


というのが吸収剤・散乱剤の長所・短所ということになります。



最近では『紫外線防御指数は高い方が良い!』という認識が広まりつつあるため

日差しをほとんど受けない日常用にもSPF50などの強い日焼け止めを使う人が増えているようです。

本来は日光過敏症などの特別な理由がない限りそこまでの数値は必要無いため、

普段のお肌の負担を考えると

日常用には出来るだけ散乱剤ベースの優しい物を使用するのが良いです。



ですが紫外線はある意味肌に最も負担のあるものですから、

日焼け止めの刺激を意識するあまり吸収剤を避けて散乱剤のみの日焼け止めを使って、

強い日差しを受けて防ぎきれずむしろ肌がダメージを受けてしまっては本末転倒です。


強い日差しを受けることが分かっている時は

散乱剤のみで対応するのには限界があるということを理解しておきましょう。



これらの成分をうまくケースバイケースで使い分けるのが、

日焼け止めの賢い使い方と言えそうです!



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