先日上京した時に、この本の編集を担当されたWちゃん(親しみを込めてちゃん付けで呼ばせてもらっている)とランチをしました。
まだ読み途中だったけど、とにかく本が良かったと直接感想を伝えたくて。
彼女の担当する本は、いつも本当に興味深くて、本を読むのが遅くあまり得意ではない私でも、「読んでみたい」と心から思うテーマばかり。
それはやっぱり、「在り方」ーーBeingなんだろうなあと思うんです。
一冊一冊の本だけでなく、根っこの部分で何を伝えようとしているのか。
は、人文地理学者の湯澤さんと景観工学者の真田さんという二人の女性による、「食×農×風景」をめぐる往復書簡が軸となっています。
地球と私たちはまかない合っている!
その表現だけで私はノックアウトされました。
言葉が変われば、視点も変わる。
「そんなふうに地球と自分の関係を考えたり感じたりしたことがなかった!」と衝撃を受けました。
風景という言葉には「風」が入っている、というお話にもハッとしました。
移住者などの外からの風がふわりと吹いて、その風が地域を支え、優しく活性化させることもあれば、アフリカで大量に食料を作るために台風のような暴風を吹かせてしまうこともある。
地球とのかかわり方も100/0ではなく、色や風のようにグラデーションがある。
私たちにとっても地球にとっても、等身大で無理のないまかない合い方を探り続けていく必要だあるんだなと…
環境の話を超え、様々なテーマや問題と繋がってきて、自然と生き方についても考える。
やっぱり全ては繋がっているんだと、納得させられる。
その時の気分でパラパラとめくっても、毎回新鮮な発見がある本です。
本を購入する前に、WちゃんがSNSに書いていた文章に心惹かれました。
一歩ずつ階段を上がるように、専門用語を身につけ、研究の技法を学び、研究者として鍛えあげられていくプロセスはもちろんだいじ。けれども、そうやって研鑽を重ねていくことで零れ落ちてしまうこともある。
「まかない」という言葉があまりに日常すぎて(食堂の「賄い」とか)、それが環境のこととどうつながるんだろう…とこの企画をはじめたとき、よくわからずにいた。でもお二人の書簡を受け取るうちに「暮らしのなかから物事を考える」とは、「暮らしの中にある言葉でものを考える」ことなんだ、と少しずつ腑に落ちはじめている。
これを読んだ時、「なるほど、『地球のまかない』とはそういうことなんだ!」とピンときました。
環境も政治も、この世の中のどんなことも、「暮らしの中にある言葉」ーーつまり誰にとっても身近な言葉で語られることが、すごく大事だよなあと思うんです。
その分野を専門としていない多くの人たちに対して、身近でスッと伝わる言葉で届ける役割も、研究するのと同じくらい大切なはず。
そもそも、環境だって政治だって関係ない人なんていない、私たちみんなの「自分ごと」。
なのにどうしても、日々の煩雑さの中で関係性が薄れてしまったり、難しそうに思えて遠ざけてしまっていたりもする。
だからこそ、専門家や研究者が「暮らしの中にある言葉で」伝えてくれると、もう一度大切なこととの関係性を取り戻させてもらえるような気がして、嬉しくなります。
もっと世界が自分の居場所になっていくような、「あ、私ここにいて良かったんだ」とホッとするような。
もっと世界と関わっていいんだな、というワクワクをもらえるんです。
それと、世界各国で書かれたお二人のカラフルな書簡を読みながら、単純にもっと旅がしたくなりました。
この本でいただいた新しい視点も携えて、残りの人生で行けるだけいろんなところに行きたいなーと、旅欲がムクムクと盛り上がっています。
筋肉質で無駄のない実用書も必要なものだと思うけれど、美味しい楽しい贅肉もたっぷりつけつつ、実はその下にめっちゃ筋肉や体軸がある。そんな魅力的なこの本が与えてくれる学びと喜びは一際大きい。
ぜひみなさま、手にとってみてくださいね。
#地球のまかないごはん
