最初に知ったきっかけはあまりに前なので忘れてしまったのだけど、まだ10代の頃だったと思います。

音楽関係者、特に私の周りでは事務所の社長さんやレコード会社のスタッフの方々がお参りしていることも後々知りました。

 

奈良の、天河大辨財天社様。

 

年に2回お墓参りのため京都に行くので、いつかその流れで行けたらいいな、と思いつつ10数年が経っていました。

やっぱりこういうのは「行く」と決めないとダメなんでしょうね。

 

「タイミングがある」「タイミングじゃないと辿り着けない」とも言われる天河さん。

最近は道路も整備されて、Google Mapもあるし、辿り着けなかった!なんてことは滅多にないのだろうけど、それぞれの個人的なタイミングというのはきっとあるんじゃないかな。

 

私が10代の頃から親しくしてもらっている音楽関係の方が、実は何十年も通って精通している方で。

昨年久しぶりに会った時に、天河神社のお守りをいただいたんです。

その前にも何度か「もしかして呼んでもらってる?」と思うような出来事があり、いよいよ京都の後に奈良まで足をのばすことに決めました。

 

朝拝に出てみたかったこともあり、思い切って2泊。

宮司さんの人柄が温かく、お話もとても興味深かった。まるで家族として迎えられたかのような気持ちになる朝拝でした。

 

神殿は急な階段になっていて、その下には磐座(いわくら)があるのだそう。

神武天皇がここで「ひのもと」という言霊を授かり、日本という国をしっかりつくってゆくぞと決意されたのだとか。(もっと素敵な説明だったのだけど、拙い意訳ですみません。)

 

天河神社の真ん前の『井頭』さん。

古民家ゲストハウスっぽい感じです。

9月末、お庭のイチョウが上の方だけ赤く染まってきていました。背景の壮大な山と重なりなんとも言えない風情。

ご飯がめちゃめちゃ美味しかった!

全ての工程を丁寧に丁寧に作られているのだろうなということが伝わってくる、体も心も満たされる品々。

今まで食べたお宿のご飯の中で、一番美味しかったかも。

 

日帰りがしやすくなったことと、後継者がいなくて、昔は20ほどあった民宿も今や3〜4軒に減ってしまったのだそう。

時間が許すなら、絶対に宿泊して朝拝に出るのがオススメです!

 

 

お隣の洞川(どろかわ)温泉にも1泊。

風情ありすぎ。

どこのお宿も縁側がばーんと開いているのは、昔行者さんたちが大人数並んで座り、宿に入る前に同時に足を洗えるようにした名残なのだそう。

名物,陀羅尼助を売るお店がたくさん。二日酔いや胃腸の調子が悪い時に飲んでみようと思う。

 

洞川温泉ではちょうど音楽祭が行われていて、偶然、篠笛の佐藤和哉さんも出演することを知り観に行きました。

来月北茨城と東京で一緒に演奏してくださるアコーディオンの田ノ岡三郎さんとも共演されている、唐津出身の篠笛奏者さんです。

唐津は私の自宅から割と近く、よく行くのですが、街中で佐藤さんを見かけてご挨拶したことがあります。

なんだかまた不思議なタイミングだなあと、、

この広くて狭い世界の中に複雑に精巧に張り巡らされたご縁の糸を感じながら、雨が降る夜、幻想的な雰囲気の中で佐藤さんの音色を堪能しました。

 

「糸」は「意図」。

ちょっとしたことでも、気づいた時にはきっと何かあるんだと思うんですよね。

ちなみに私、同音異義語が結構気になる方で、ある時「紙」は「神」だなあとふと思って以来、トイレに入るたびに紙に感謝してトイレットペーパーを使うようにしています。

 

 

天河神社ではちょうど『抜穂祭』が行われていて、見学できました。

祭事に参加していた88歳の現役農家さん、とても立派な手をしているのだけど、触らせてもらったら柔らかくてびっくりでした。

「お米が値上がりしてるっていうけど、手間を考えたら全然安いって思うんだよ!」って優しい笑顔で。

棚田で作っているそうだから、手間は何倍もかかるし重労働でしょう。

この方のお米を食べてみたい!と思って、お名前を聞き、卸している店に買いに行きました。

どこか繊細で本当に美味しいお米だった。茄子もトロットロでもうびっくりするくらい美味しかった。

どうかいつまでもお元気で。

 

ゼロ磁場と言われる場所や、スピリチュアルスポットの多い天川村。

禊殿の澄み切った空気といったら格別でした。特にここのあたり。

 

でも禊殿に行ったあたりから少し頭痛がしてきました。

二日酔いでもないし、体調も悪くなかったのだけど、どこからきたのかわからない不思議な痛み。

 

禊殿の後に正式参拝の予約(2日前までの予約が必要)をしていました。

正式参拝は、まず受付で願い事だけでなくかなり詳細に自分の職業などを書きます。

「作詞家,シンガーソングライター」みたいに。参拝でそこまで書いたのは初めてなので驚きました。

 

他にも1組いるかもと言われていたのですが、結局その時間は私たち夫婦だけでした。

なるべく1組ずつの予約制にしているのだと思います。

 

その理由は、祝詞をあげていただいて初めてわかりました。

 

磐座があるという、神殿の階段のど真ん中に椅子が二つ並べられ、ちょっと戸惑いながらそこに案内されました。

宮司さんが祝詞をあげてくださっている間、どんどん強くなる頭痛。

でも、「これって禊してもらってるのでは?」という感覚もあり、様子を見ていました。

「祝詞が終わると同時に頭痛も治ってたらすごいな。」と思ったのですが、まだ半信半疑。

 

祝詞の中で、びっくりすることがありました。

宮司さんが、私たちのとても個人的な仕事の仕方まで踏み込んで、心のこもった言葉を祝詞の中で仰ったんです。

あの独特な節回しの中に、ごく自然に現代の言葉を混ぜながら、例えば夫には「一緒に働く方もみんな幸せになるように」とか、私には「想像力をより発揮して」とか。

夫も私もとても感動しました。それに、がんばろうと心から思えました。

形式だけではなく直接心に響いてくる、パワーと愛に溢れる祝詞でした。

 

上段まで上がり、玉串を奉納。

その頃にはスーッとしてきて、参拝後にはやはり頭痛はなくなっていました。

疲れのようなだるさは残ったのだけど、めっちゃ運動した翌日みたいな感じというか、憑き物が落ちた後のような感覚でした。

 

御神饌はお蕎麦!

 

なぜかおみくじは辛口。私は凶でした(笑)精進します。

 

 

ところで、天川村には日本三大修験道の一つ、大峯山が。

福岡にはやはり三大修験道の一つである英彦山(ひこさん)があります。

実は福岡に移住してから、英彦山のある田川郡にもご縁ができたところです。

今回意図せずに大峯山の麓まで行ったのは、また何か感じるものがありました。

人生の中のいろんな糸が、ちゃんと形を持って繋がってきている。

長くなるのでこの話はまたの機会に。

 

初めての奈良県。

初めての天川村の大自然を満喫しました。

出会う人が皆謙虚すぎるくらい謙虚で、押し付けがましくない優しさを持っていた印象でしたが、この自然の中で暮らしているからなのだろうなあ。

 

天河神社といえば五十鈴。

いただいてきた小さな五十鈴守りと、今回天河神社へと背中を押してくれたお姉さんにいただいたお守りをピアノの上に置いています。

 

11月のライブは5年以上ぶり。

正直ドキドキするけど、自分自身が心から楽しく演奏できるように、そして来てくださる皆さんに楽しんでもらえるようにと願いながら準備しています。

11/25は月曜にも関わらず、すでに想像以上のご予約をいただき、嬉しい悲鳴をあげています。

ご予約いただいた皆さん、リクエストいただいた皆さん、ありがとうございます!

10月末でリクエストは締め切りとさせていただきます。

ご予約はまだ大丈夫です。お待ちしています!