出産・育児とは無関係なおかつ20年くらい前の話になります、サーセン。
「オーバーブッキングのため搭乗していた乗客を機内から無理矢理引きずりおろした」
とここ数日話題のユナイテッド航空。エアラインやホテルというのは、一定のキャンセルを見込んで満席以上の予約を取るので、オーバーブッキングで飛行機に乗れない、部屋がない、という人が出てくるのは実は非常によくある出来事なんですよね。そこでどう対応できるかが会社の力のみせどころ。
私は19歳のころ、ロサンゼルス空港でユナイテッド航空、UAに信じられない対応をされたことがあり、あれから20年以上たってもこの会社はこんな事やってんだ、と改めて憤った次第です。
もう昔の話だし、その頃の英語力は大したことなかったので(今もだけど)、少しは勘違いがあるかもしれませんが、おおむねこんな感じです。
あの日、19歳の若い私は、ロスにいる友人を訪ねる旅行の帰国日、ロサンゼルス空港で成田行の便にチェックインしようとしていました。通常はチェックイン時にボーディングパス(搭乗券)をもらえますが、もらったものにはあるはずの座席番号がありません。
「搭乗前に〇番ゲートのカウンターに寄ってください」
という指示だったので、出国審査等をおえてカウンターに行くと、呼び出すまで待てということ。
しばらく待つうちに搭乗案内が始まり、皆はどんどんゲートの奥へ進んでいきますが、いっこうに呼ばれません。
私:「あの、まだでしょうか?」
UA:「いいから呼ばれるまで待っていてください」(怒)
というやりとりを数回しているうちに、私以外にも同様の状況の10名弱の日本人がいることに気づきました。ゲート付近は、私たち以外の人が搭乗し、人気がなくなってきましたので、なんとなくひとかたまりになって、待っていました。ついに、ファイナルコール(搭乗最終案内)がかかったので、代表者が
「私たち、みんなこの便に乗るので待っているんですよ」
と言いに行きましたが、やはり「待て」と言われるのみだったそうです。
「なんかおかしいよね」「いつまで待たせるんだ」
と日本語で雑談していると、ひとりの男性が
「わ!あれを見ろ!」
と叫ぶので、指さす方向を見ると、なんと、私たちが乗るはずの飛行機がゲートを離れていきます。
皆であわててカウンターに行くと、
UA:「みなさんはあの便には乗れません。ほら、だって、もう出発しましたから」(ドヤ)
と言います。皆、唖然として口もきけません。こういう時、日本人は英語の問題もあって黙りこんでしまいがち、しばらく沈黙しましたが、一人の勇気あるおっさんが、文句を言いました。すごく下手な発音だったけど、そんなこと気にせずに堂々と主張したおっさんの雄姿を今でも覚えています。待てといったから待ってたのに勝手に出発するとは何事だ、騙したんだぞ、ちゃんと説明しろ、等々。しかしおっさんの抗議もむなしく、謝罪も説明もありませんでした。(ソーリーくらいは軽く言ったかも?)
別の係員がやってきて、私たちの名前を呼び、一方的に伝えます。
UA:「えーと、AさんとBさん、今日2時間後に出発のJALでご帰国ください。」
UA:「Cさんは明日のユナイテッド、DさんとEさんとFさんは明日のJALでご帰国ください。ホテルはこちらで用意します」
UA:「Gさん、あなたは今からホノルル行に乗ってホノルルで1泊してから成田へどうぞ」
UA:「Hさん、今から上海に行ってそのまま乗継でご帰国ください」
UA:「Iさんは〇〇経由で乗継でご帰国ください」(どこだったか忘れましたがあまり名前を聞かない僻地)
こんな感じです。都合も聞かずに一方的な割振りです。
20代くらいのGさん(男性)、つぶやきました。
「ホノルルってハワイ・・・俺、ひとりでハワイなんかいってどうする・・・」
Hさん(男性)もつぶやきます。
「シャンハイ・・・中国のシャンハイ・・・・」
ちなみに私は「明日のJAL」チームのDでした。ハワイが良かったな。
驚くべきことに、(エアライン勤務経験のある今なら驚きませんが)荷物はさっきの飛行機で成田に向かっているということ。着替えも化粧品もありません。
このあと、友人(日本語がしゃべれるアメリカ人)に空港に来てもらい、クレームを入れてもらうと、20ドルほどでしたがお金をくれました。(言わなきゃくれなかった)
その夜はCさんとEさんとFさんとホテルで一緒に食事をしながら、ひどい目にあったと盛り上がりました。(食事代はユナイテッド持ちだが、飲み物代は別にとられた。けち。)
ひとつだけ良かったのは、翌日にJALのビジネスに乗れたことです。EさんとFさんはエコノミーだったため、「いいなぁ」とうらやましがり、私の席に遊びに来ましたがCAに追い返されました。(これは当然の対応です)
旅行にトラブルはつきものだし、怪我・病気などではないので良い思い出と言えなくもないんですが、やっぱりありえない出来事(というか対応)でした。
ロス、成田線ですから日本人が多いのは分かりますが、選ばれたのが日本人だけというのも不自然です。日本人で一人旅の人が狙われたようです。
2017年の事件では、降りてくださいと言われたのがアジア系の乗客ばかりだったため、人種差別ではないかと言われています。人種差別になるのかどうかは分かりませんが、日本人というのは、どこの国・どこの空港でもこのような時に選ばれやすいです。まず、英語で文句を言えない、もしくは言わないタイプが多い。英語ができないC国人・K国人も多いですが、C国人は査証の関係で帰国がずれるとまずいことになったり、K国人は激しく怒る気性の人が少なくないので、日本人が無難です。
何か月か前、荷物だけ先に飛ばしたとANAが非難されていましたが、航空業界ではこういう事やロストバゲージはよくありますので、手荷物には1泊分の準備を入れておいたほうが良いです。特に乳幼児が一緒の旅では、ミルクやおむつなど、余裕を持って入れておきましょう。と、最後に育児ブログに関連づけてみました。