東京・秋葉原の電気街で8日午後、赤信号を無視して突っ込んできたトラックに横断者
がはねられ、降りてきた運転手に通行人がサバイバルナイフで次々と刺された事件で、
死亡は6人となった。
また警視庁捜査1課と万世橋署の調べに対し、加藤智大容疑者(25)=殺人未遂で
現行犯逮捕=が「世の中がいやになった。人を殺すために秋葉原に来た。だれでもよかった」
などと供述していることが分かった。捜査1課は通り魔的犯行とみている。
・・・関係者によると、加藤容疑者は昨年11月に製造業派遣大手の日研総業に登録、
静岡県内の自動車部品工場に派遣され働いていたという。(抜粋)
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20080608-00000949-san-soci
http://blog.livedoor.jp/dqnplus/archives/1136294.html
恐ろしい事件。
何が怖いって、こういう事件は予防のしようがないところ。
そして模倣犯があらわれるおそれがあること。
世の中がいやになることは誰にだってあるだろう。しかし誰も2トントラックで無差別に轢き、サバイバルナイフで刺したりしない。
一度ドロップアウトしてしまうと再起しにくい日本。
自分の暗い絶望の色で他人や社会まで真っ黒に塗りつぶそうとする人間がこのような事件をおこしたのだろう。
犯人は中学までは優等生で足も速く、文武両道だったという。
それが進学校である高校ではおちこぼれ目立たないその他大勢になってしまった。
多くの同級生が大学に進学するなか彼は専門学校のような短大にすすみその後派遣社員に・・・それは彼にとっては挫折だっただろうし屈辱だったのだと思う。
思い通りにならない自分の人生と社会に復讐するために、この派手な舞台が必要だったのだろう。
おそらく彼にとってすべては自分を輝かせるための小道具だった。殺傷された被害者にもそれぞれ人生がありそれぞれの人生の主役だったのに。
たまたま秋葉原に居合わせ携帯電話で写真を撮るひと、逃げ惑う人、こうして事件について語るわたしをふくめ・・・それらすべてが彼を引き立たせる装置でしかない。
正攻法では脚光を浴びることのない男が選んだ最悪の舞台だ。
発売日:1998-08
「負の暗示」を読んでほしいな
表題作を含め5作品が収録されています。「負の暗示」は、実際にあった有名な事件、津山30人殺しの犯人像を描いています。
山岸涼子の「負の暗示」は大量殺人をするまでの負のサイクルを描いている。
戦前の山村でおきた事件と都会のど真ん中で起きた今回の事件とは時代も状況もちがうけれど、ある部分がとても似通っていると思った。
それは「俺の人生はこんなはずじゃなかった。もっと自分はスゴイんだ」という犯人のナルシズム。
他人への想像力や共感の欠如。
犯行は残虐で言語道断だけれど・・・現状に満たされず将来への希望ももてない閉塞感というのはあるんだと思う。それは多くの人に共通する不幸だと思う。その不幸をどうしたら打破できるのか。