ほんの150年ほど前まで、家庭で女性が布を織り、家族のために着物を仕立てるということが、
日本の農村でごくあたりまえにおこなわれてきました。
染料は天然染料、糸は手紡ぎ、織りは手織り。

身の回りの繊維製品のほとんどが化学染料を使用した機械製品という現代に生きる手仕事好きにとっては羨ましくもあります。

しかし当時の人々にとってはそれが唯一の方法ですから、贅沢でもなんでもありません。

多くの人は自家製の一張羅を毎日毎日着て、大事に気潰しました。

江戸時代には奢侈禁止令(しゃしきんしれい)が何度も出され、
素材は綿や麻、染料も高価な紅花や紫根は禁止など、
庶民の衣服には多くの制約がありました。

しかしその制約の中で、縞や絣などの織りの技法、あるいは伝統的な絞りや筒描、型染めといった染めの技法が発達し、地域ごと風土に根ざした、健康的な美しさをもつ布が生み出されたのです。

しかし時代は移り、いまや昔ながらの材料、製法を守る手仕事の染織品はすっかり希少な高級品です。そうした状況において、いったいどんな染織品を「現代の民藝」としていくのか。

ひとつは、伝統の技を継承し、かつ美しいこと。
高価であっても、熟練の技が生き残る道を残すために、ぜひその存在を多くの人に知ってもらいたいもの、です。

もうひとつは、工場生産に近いものであっても、地域の伝統に根ざし、かつ美しいこと。
多くは実用的な価格でありながら、物産展やお土産コーナーに押し込められているのが現状ですが、もっと広く知られ、身近に使われても良いものでしょう。
(文 民藝教科書②より抜粋)



10/28(日)の「納屋とコスモスの畑マルシェ」は、
休耕地を活用してお花畑をつくったことだけではなく、
日本の自然の移ろいに合わせた、くらしの知恵や工夫、
これまで生きてきた人たちとわたしたちをつなげてくれてきたものを感じるきっかけになったらいいなぁという思いも馳せて開催します。

古いものを守るだけでなく、
今風に楽しんでいる魅力的な手仕事作家さんたちが作品を出店してくださいます。
これから順番に出店紹介いたしますので
是非会いにいらしてくださいね。

78nanahachi