私の亡父(由井虎史)は、皮膚・泌尿器科専門医で、皮膚科医としてもとても評判の良い医師でした。

 

その頃のアトピー性皮膚炎(ADと略)の治療はステロイド剤の塗布と、長期に治療を必要としている患者さんにはグリパスCと言うタール剤を併用して治療をしていました。

 

グリパスCは脱脂大豆乾留タール=グリテールという成分に亜鉛華軟膏、抗ヒスタミン剤の入った軟膏で、本当に強烈な独特の臭いがあり、私は子供のころ、最初は診察室に入るのがちょっと躊躇するくらいの強烈さでした。

 

ADで、小麦アレルギーのあるパン屋さんは、いつもその臭いを纏って長いこと由井医院に通院して下さっていたことを記憶しています。

 

 

私が医師になったころには、ADは塗り薬だけでは治りが悪いという認識を私も亡父も持ち始め、亡父は私が別のアプローチを模索していくことを応援してくれました。

 

そんな思考過程を経て、私が取り組んできたADへのアプローチをここでまとめてみようと思います。

長文になりますが、しばらくおつきあい下さいね。音譜

 

 

 

 

近年ADが非常に増加してきており、特に生後間もない乳児のADの増加が顕著です。

「赤ちゃんのもち肌」というのは、ゆいクリニックに相談に来院する患者さんを診ていると過去のものになってしまった感があります。

 

ADとは「慢性に経過する炎症と掻痒をその病態とする湿疹・皮膚炎群の一疾患。皮膚の乾燥とバリア機能異常があり、多彩な非特異的刺激反応および特異的アレルギー反応が関与して生じる」と日本皮膚科学会は定義しています。

 

 

 

アレルギー反応には即時型と遅延型フードアレルギー(食物過敏)があります。

 

遅延型フードアレルギーは翌日にならないと反応が出ず、そのアレルギーに気付かれない事も多く、しかしその影響は全ての器官に及んでいます。

ADの原因の一つとしてこの遅延型フードアレルギーが関与していることが多く、その食品を除去をしてもらうと症状が段々と改善してくることを、私は多くの患者さんで経験しています。

 

 

ADは体内に入ったその個体にとっての毒を排泄するために皮疹として現れていると考えると、現代の環境汚染の結果と個々人の遺伝子の組み合わせ(アレルギー的な素因)から起こってきている複合汚染の結果、つまり病気は多因子で起こっている一つの例であると私は考えました。

 

 

皮膚というのは人体の中で最大の器官です。

(最近間質という器官が最大なのではという論文が発表されましたが、、、💦)

 

そして皮膚は 

①排泄器官(汗、垢として出す)

②呼吸 

③防御バリアー 

④体液とミネラルバランスの調整

を行っています。

 

腎臓、肝臓、腸、そして授乳中は乳房も排泄器官であり、解毒・排泄器官が手一杯になると皮膚からも排泄されると考えられます。

乳児でADの酷い場合、肝機能が傷害されていることは良く見受けられます。

 

 

 

感染症で出てくる皮疹は溶連菌であればその毒素を排泄しようとしてかゆみを伴った皮疹が出てくるわけです。

水ぼうそうの水疱の中にはウイルスがいっぱいいます。

 

感染症を伴わない皮疹は何故出てくるのでしょう?

 

1.体内に入ったその人にとっての毒を排泄しようとして起こる反応

2.外部環境で接触したものに対して起こしてくる反応

 

を考えなければなりません。

 

ですので、ADの治療を考えるとき、身体の内から治す治療、即ち毒素の流入をストップさせることとたまった毒の解毒を考えなければなりません。

また、身体の外部で皮疹を悪化させている要因を探さなくてはなりません。

 

 

酷いかゆみを一時的にコントロールする場合はステロイド剤の使用も考えますが、短期で使用を中止できる見込みがない場合は、その毒出しをステロイド剤で抑えてしまうのは、根本治療にはならないのではと私は考えました。

 

 

 

A. 人間が身体内部に取り入れるものは、食品(土)、水、空気です。

 

水、空気は大都市近辺では本当に色々な化学物質の汚染が考えられます。

その化学物質が胎児期、乳児期以降の生後に様々な影響を及ぼします。

 

化学物質は免疫系(アレルギー、自己免疫疾患)内分泌系(生殖器異常、甲状腺機能、糖尿病)、神経系(パーキンソン病)などに影響を及ぼします。

 

 

水道水の塩素は高濃度になってきていて、そこから発生するトリハロメタンはガン原性があります。

原虫が入ってくることもあります。

鉛管を使用しているところもあります。

ゴルフ場は農薬(芝に雑草が生えないよう)を散布するので、その近辺では農薬がかなり地下水を汚染していることも考えられます。

 

空気PM2.5、ダイオキシン、花粉、ディーゼル車の排ガスなどの問題があります。

蚊取り線香などの殺虫剤も農薬です。

空気中にもいわゆる環境ホルモン(ダイオキシン;女性ホルモン様作用)に変わる物質も含まれてくるわけです。

 

食品を取り入れる入り口の歯から金属アレルギーが起きてきます。

口腔真菌、補綴剤(色々な金属、特に水銀)歯磨き粉(合成界面活性剤→環境ホルモン)フッ素の添加なども問題でしょう。

 

食品としては

1.添加物(合成着色料、合成保存料、合成甘味料)特に冷凍食品、レトルト食品

2.飼育段階からには抗生剤、ホルモン剤、遺伝子組み換え資料、農薬が入ってくる可能性

3.農薬(野菜など)ネオニコチノイド系農薬   

4.環境ホルモン(お菓子などに特に入ってくる乳化剤=合成界面活性剤から作られる)

5.食品アレルゲン

6.電子レンジの使用(電磁波によるタンパク質、炭水化物の変性)

 

これら全ては人体にとって有害な物質で、解毒しきれず皮膚から排泄されようとしている状態がADの根本原因の一つと私は考えています。

 

 

 

 

B. 外部環境で注意することは

 

1.化粧品(合成界面活性剤含有→環境ホルモン)が経皮毒となり体内に入ります。

市販のローションにはグリセリンが入っていますが、グリセリンは濃度によっては逆に肌の水分を奪います。

ワセリン(プロペト)は石油の産業廃棄物から作られており、長期に使用すると油焼けを起こし黒ずんできます。

 

2.家庭内毒物として、合成界面活性剤、殺菌剤の入った以下のものは蛋白腐食剤であり、皮膚の脂肪を抜き取り蛋白質を変性させてADと同じ皮膚病変を作ってきます。

石けん、シャンプー リンス ヘアーダイ 洗剤 衣服に付いたリンス等 食器洗い洗剤、

 

赤ちゃんがほっぺが痒く、それをお母さんの衣類にこすってかゆみを止めようとすることがありますが、そのお母さんの衣服もオーガニックで、洗濯の際には合成界面活性剤の入っていない良い洗剤を選ばなくてはなりません。

 

3.入浴時のお湯の塩素濃度が高いことも考慮しましょう。

浄水器による塩素抜き、あるいは岩塩、重曹、ビタミンC、エプソムソルト等を入れる工夫は必要です。

 

水素風呂に入ると、皮膚の炎症から発生してくる活性酸素が中和され、私自身の感覚としてかなり肌質が良くなり、ADの患者さんにも使用して頂き良い結果を得ています。

 

4.電磁波による影響

個人によっては電磁波に対する感受性が高く、アレルギー症状の悪化の原因となります。

 

5.ペットの体毛、フケ

アレルゲンとなり、ADや喘息などを悪化させる原因になります。

ペットを手放すのでなく、空気清浄機(HEPAフィルター、光触媒の機能がついている)を稼働させて対応可能な場合が多いです。

 

6.人間関係、自分自身とも繋がるコミュニケーション不足から起こってくるストレス 

このストレスは成人のADにかなり影響を与えます。

 

 

以上の要因を考え、クリニックでADに対して行っている検査方法、治療方法をpart2でお伝えしたいと思います。爆笑ドキドキ

 

 

ゆいクリニック院長   由井 郁子(ゆい・いくこ)

 

 

 

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