一過性のスマフォ盲

   ~Transient Smartphone Blindness(TSB)~

 

 

 

スマートフォンをベットに横たわって側臥位で使用すると、短時間ではありますが(15秒程度とのこと)片方の眼が見えなくなってしまう現象が欧米で報告されました。

 

このような現象が起こった状況に共通しているのは、朝早く暗がりでベット上でスマフォを使用し、片側の眼はまくらに埋もれ気味で、反対側の1眼でかなり明るいスマフォの画面を見て操作していたと言うことです。

 

 

重要なのはこのような症例が神経の難病である多発性硬化症(MS)を疑われ、様々な検査が施行されたということだそうです。

 

1例では脳のMRIで異常が認められ、MSとして6ヶ月間経過を観察し、脳の血管造影も施行されたようですが、最終的にTSBと診断されました。

 

 

TSBの原因は一側の眼は暗さに順応し、反対側は過度の明るさに順応したため、起床して両眼視したとき周囲の暗さに順応できず、スマフォを見ていた一側の眼が視力を失ったように感じたためと説明されています。

 

 

TBSは今後増加する可能性があるので、著者達は医師は以下のことに注意を向けて欲しいと訴えています。

 

1. TSBは実際あるので、詳細な病歴をとることが重要

2. TSBはMSに伴う眼の奥の痛みもなく、神経の脱髄を疑わせる血液生化学の証拠もない

3. MRIは非特異的な異常が出やすいので読影は慎重に

 

 

 

何事も過ぎたるは及ばざるがごとしでしょうか?爆  笑スマホPC三毛猫

 

 

 

 

ゆいクリニック院長     由井郁子(ゆい・いくこ)

 

 

 

 

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