NLPという心理学を私は学んだ事があります。

その指導者である廿日出庸治先生がこの度本を出版なさいました。

 

 

早速手にとって読んでみましたが、とても素晴らしい内容で、私が医師の立場として特に重要だと感じたことをご紹介したいと思います。

 

 

Neuro-Linguistic Programming(NLP)とは自動的に反応する脳の仕組み(条件反射)を利用して、蓋をされた潜在意識にある経験や感情にアクセスする質問技法で、これにより患者さんとのコミュニケーションの質を上げて問題解決をはかるスキルと先生は述べています。

 

 

先生は面談をしながら「言葉の注射」「態度の湿布」「心の施術」を行う事でうつ症状、自律神経失調症、自殺念慮、イライラが取れない等の患者さんの問題を見事に解決していきます。

 

 

医師というのは一般的にはパターナリズムを駆使し、上から目線的に患者さんを指導するという立場を取り、医師である私も今でもその傾向があると思います。

また、NLPを学んでも、その技法を充分に活用できておりませんでした。

 

 

本を読んで、今一度私にとって心にとめて今後の診療にいかしていきたいと思った事を列挙してみます。

 

 

1. 本の題にもあるように、患者さんに「寄り添う医療」であること。医師自身の考え方、価値観、信念の押しつけはしないようにする。

 

2. ひたすら愛と無批判を持って患者さんの訴えていることを聴き、感情に触れる質問をしながら患者さんの世界観を知る責めない、指導しない、善悪で判断しないをモットーに質問は「で、○○さんはどう思っているの?」と。。

 

3. 脳は「否定形」をイメージできない。「○○しちゃダメ」「××は良くない」という表現で脳にインプットされるのは○○や××の部分なので、常に肯定文で表現する。例えば「小麦を食べてはいけない」→「血糖上昇の少ない食品を食べよう」と言い換える。

 

4. 患者さんの世界観、価値観=思い込み を別の視点を提供してその見方の枠組みを変えられるような質問をしてみる。患者さんの否定的な思い込みを「良いとこ探し」をして肯定的な内容で話しかけてみる。

 

5. 常に答えは自分自身の中にあることに気付いてもらい、自分で考え自分で判断できるようにサポートし、寄り添う。依存は自立の第一歩と認識する。

 

こうやってまとめてみると、習った当初はNLPの技法を自分に落とし込むことが出来ませんでしたが、月日が経って反芻してみると、医学村😆に育った私でも、出来る部分があるように感じてきております。

 

 

廿日出先生、素晴らしい心理学を教えていただき心から感謝申し上げます<(_ _)>

 

 

 

ゆいクリニック院長   由井 郁子(ゆい・いくこ)      

 

 

 

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