東ノ宮カントリークラブVOL3 | 指令「言い訳会に集合せよ」

指令「言い訳会に集合せよ」

ゴルフは山あり谷あり
人生と同じで辛いことばかりだが
たまに良いこともある。

翔平とのラウンドの前日の夜

というより当日の午前0時過ぎ

まずいと思いながらも

女帝様に一方的にラインを送り付け

その後は

いつ女帝様がお怒りになり乗り込んでくるか?

ということを恐れ

小さな物音にも敏感に反応して

結局のところ

一睡もせずに当日の朝4時を迎えました。

 

「いかん、朝になってしもうた!」

 

「寝れんかったー」

 

体調は絶不調です。

 

「よし、もうこうなったらスコアが悪くてもいいや」

「言い訳として、『きっちりイメトレを行った結果、夜更かししてしまった』とでも言っておこう」

と思案しました。

 

待ち合わせの時刻が迫ってきました。

「女帝様が目を覚ます前に早く城を抜け出さねば」

 

アルカトラズ島からの脱獄の如く

そろりそろりと忍の如く

音を立てずに家を出ました。

 

「うん?」

途中で気が付きました。

 

「いかん。ゴルフシューズを忘れた!」

 

家に取りに帰りますが

玄関のカギを開けるところから

冷や汗ものです。

 

再びそっと抜け出し

時間ギリギリに翔平君との待ち合わせ場所に到着しました。

 

「やあ待たせたな」

 

偉そうに振る舞っていますが

充血した目の下に

思いっきり濃いクマさんが

ありありと見えます。