<神々の悪戯> 
 
 自分がソロジン候補生の一人であるとはつゆ知らず、神々は私に日本全国の寺や神社を回らせて凍結された龍神を起こしたり、魔界の出口を塞いだり、投獄された宇宙人魂を解放させたり、交通費も支給してくれないのになぜ神行ばかり要求して来るのか、その理由がさっぱり私には分かりませんでした。私の本職は核物理学なのに、周囲の関係者は取り憑いた霊体を除去してくれとか、先祖代々の祟りを収めたいとか、腎臓が悪いので治してくれとか、打ち込まれたブラック・コードやブードゥー呪文を外してくれとか、病院やホテルの除霊を依頼されたり、いつの間にか頼りにされる存在に成っていました。自身でも気が付かない内にスピリチュアル世界にどっぷり漬かっていたのでした。当時の私は力不足で、依頼が来ると神々を動かしたり、龍神に頼んだりしていました。女房がブラックを打ち込まれると、「ミカエル頼む、このブラックを抜いてくれ」ですから自分で治している訳ではありませんね。私は天照門下の銀河団菩薩神、一方ミカエルは太陽天使ですから、私の依頼をミカエルは拒否する事は出来ないのです。ましてやソロジン候補生には龍神が守護に当たっており、龍神が最も恐い低位の神々はそれだけでも恐れおののいていました。
 
 九州の方角から私を見つめる熱い視線を常に感じていましたが、ある日ソロンに聞いてみました。「あっちの方角からジット私を見つめているヤツが居るんだが、ありゃ誰だ?  人間なのか?」するとソロンが「あれは第4黒龍だよ」と教えてくれました。そう言えば熊本県の阿蘇多良木の(久米)熊野座神社(くまのいます神社)に黒龍が居ると神々が言っていたのですが、「あの目線は俺を早く解放してくれと訴えている目なのか?」と聞くと「そうだよきっと」とソロンが答えました。黒龍はまだ龍管の内部に閉じ込められている様子でした。たまたま山都町の幣立神社(へいたて神社: 第四緑龍が御手洗の池に居る)に行く用事が在り、また天照神(アマテラス)から土佐清水の唐人駄馬の巨石群からアリニラム星人の霊を解放しろと命令を受けていた事もあって、渋々北海道から足を運ぶ事に成りました。九州に行くならついでに湯布院の温泉にも浸かりたいし、またそのついでに由布岳の第三橙鳳も起こさなければと色々と思案していました。なんせ全国の津々浦々に龍神が点在していて、寺や神社や湖ならばまだしも、山奥に居る龍神達を起こしに行くのは非常に大変な作業でした。
 
 霊能者の中には銀河神などの似非誘導の被害に在って(自分は創造主だと語る)、やれ根室沖に地震が来るから浄化の為のお神酒を海に注げだとか、私が降臨するから定められた時刻までに鳥海山の山頂に登れとか、その人の罪を浄化したければ徳島の剣岳山頂で祝詞(のりと)を上げろとか、神事と偽って一生涯振り回され続けて人生を棒に振ってしまった人達を私は多く見て来ました。彼等の命令を無視すると天罰が下されて、視力を失ったり、子供に災難が降り掛かったり、身体障害者にされてしまう場合もあるのです。私の場合は「解放しろ」と言われるばかりで、命令を送って来る神が誰なのかを確認する手段を持っていた為に、恐らく神行詐欺には引っ掛かっていないだろうと言う自信はありましたが、神々が意図する所が一向に見えず、半信半疑で下足番の神行を積んでいました。その中で低位の神々の多くが腐っている事ぐらいは情報を掴んでいました。ある日私が道を歩いていると、高齢の霊能者とおぼしき方から声を掛けられました。龍神が私の背中に居るのが見えたらしく呼び止められたのでした。
 
 その霊能者は私の背後に高位の神々が居る事を見てとったのか、私に人生相談をして来ました(彼女が仕えている神が本当の神様か否かの相談)。私はその場でその神が誰であるのかを告げて、天体龍神達に「こいつを召還しろ」と命令を下しました。彼は明王界の第三位の神でした。「お婆ちゃん、神様など信じちゃ駄目だ」と忠告したら、彼女はポカンとしていました。そんな私の姿を見て、創造主のセザナ神は「なかなかやるな、コイツ」と思っていた様子でした。我々の創造主は決して優しい性格では無く、楯突いて噛み付いて来る人間で無ければ認めてくれないと言う、従順な献身性を示す信奉者が大嫌いな、少々「へそ曲がりな」性質の創造主なのです。皆様は多分知らないと思いますが、殴られても抵抗しない様な人間を最低だと罵(ののし)る、少々おつむがいかれた「荒くれ創造主」なのです。



阿蘇  上色見熊野座神社
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次回に続く