@00243/Blue Magic/Soulful Spell | kengold light/mellow/soulful

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soul musicを中心に幅広い音楽分野でlightでmellowだと思うモノをどんどんレビューしていきたい思います。Amazonでの商品紹介も出来るモノであれば紹介していきますので是非購入してください。僕の多少の副収入になります(笑)。



★★★★
 ファンの方ならご存知でしょうが今年の初夏に大好きなオザケンこと小沢健二(まあ、好きだったのはフリッパーズ・ギターですが・・・)が6年ぶりに本格的なライブ・ツアーを行うということで、我が札幌にも来てくれるんですよねえ。

 フリッパーズも含めてオザケンのライブには一度も行ったこと無いんでめっちゃ楽しみにしているわけなんですが、ついうっかりしてて先行予約申しそこなっちゃって4月2日の一般発売を心待ちにしているところなんですよお。でも今回の場所がZepp札幌というハコの小さなトコロなんでチケット取れるかがめっちゃ心配~!

 もちろんZeppはライブハウスなんでワンドングリ付き~ってわしゃシマリスかっ!(宝島社VOWより)

 しかし、今回のツアー、日程がネット上でも結構話題になっているようです。というのも開催の大半が平日の夜であるということだそうです。自分の場合は全然問題ないのですが、オザケンファンの多くは3,40代の女性、つまり主婦層ということで、「そんな平日の夜なんて、子供も小さいのに行けないじゃ~ん!」ということだそうです。まあ、会場に近い人が行くのならともかく遠方からやってくるファンにとってはやっぱし厳しいのでしょうねえ。

 ということでライブ会場はオバハン達でほぼ埋まるでしょう。僕みたいなナウなヤングボーイ(←どこがじゃ!)はなかなか居てないでしょうねえ。でも今の若い女子たちも是非オザケン及びフリッパーズを聴いてもらって会場に足を運んでいただきたいものであります。当時は若い女の子にバカ受けでしたからねえ。

 とりあえず無事チケット取れてライブを楽しめた際にはフリッパーズもしくわオザケンのアルバムのレビューも併せて報告いたしますねえ。報道では往年のヒット曲だけでなく、新曲も結構披露するらしいのですが、ファンとしてはやっぱし往年の名曲たちをとことん演ってもらいたいものです。それとスチャダラパーはいいとして、なんとかホーン・セクションにスカパラダイス・オーケストラが札幌に来て欲しいと思うのであります!

 さて、今回はアトランティック・レコード(正確には傍系のアトコ・レーベル)においては珍しいスウィート・コーラス・グループ、ブルー・マジックの1973年のデビューから1983年までの彼らを捉えた全20曲入りの便利なベスト盤です。

 ブルー・マジックならスウィート・ソウル・ファンなら誰でも大好きであろうと思われる名グループなのですが、案外名盤の誉れ高い1974年の1stアルバムしか持っていないという方も少なからずいらっしゃるのではないのでしょうか。やはり、このコンピ盤にも「Just Don't Want To Be Lonely」を除く計8曲が収録されていますが、この「Just~」が外されたのは正直納得いかなかったですねえ。メイン・イングリーディアントも演ってる名曲でメイン~のヴァージョンよりも数倍素晴らしい出来で大好きなんですよお。それならこの1stをレビューすれば良かったじゃ~んと思われるでしょうが、2nd以降にも素晴しい作品があり紹介したい曲もありまして敢えてこのコンピ盤にしました。ということでいつものYouTubeレコメンド・トラックは名盤1stからではございませんっ!

 彼らはもちろんフィラデルフィアでの制作でむろんシグマ録音であります。プロデュースにもノーマン・ハリスやボビー・イーライといったフィリーの重鎮が担当。バックの演奏も恐らく全盛期のMFSBの連中でしょう。そして、彼らの魅力といったらフィリーダンサーは置いといて、やっぱしリード・シンガーのテッド・ミルズが放つ魅惑のファルセット・ヴォイスから導かれるスウィートなバラード群でしょう。ノリの良いミディアムやフィリーダンサーもあるのですが、ブルー・マジックといえばバラード!と相場は決まっているのです。さて、今日も20曲レビューしなくちゃいけないのか。疲れるニャ。な~んて言わずに今日も元気に曲紹介へ。

 M1「Spell」は1973年のデビュー曲でR&Bチャート30位というまずまずの好スタートを切るのでした。コレはエレキシタールの響きがまずもって印象的なストリングスもバッチリのロマンチックなバラードでうっとりさせられます。テッドの後半のファルセット・シャウトにはビビッときます。もう既にプロトタイプですね。

  M2「Look Me Up」はいかにものフィリーダンサーでもう腰がウズウズしてきます。作りはのちのスピナーズ・スタイルにも近いものがあり、またファルセット・リードのテッドは同じくフィリーの看板グループ、スタイリスティックスのラッセル・トンプキンス・ジュニアを意識した感じもありますが、やはり断然テッドのヴォーカルの方がポピュラー色をあまり感じずに好みなのであります。

 M3「What's Come Over Me」もフィリーうんぬんは置いといての美しいバラードで、シンプルなバックに素晴しいリード、コーラスワークを聴かせてくれ満足です。ラストのシブい語りにも脱帽であります。

 M4「Stop To Start」は名曲、名バラードが並ぶこの1stアルバムの中でも白眉のスロウ・チューンで、ホント甘くせつなくやるせなくってヤツで、オヤジは思わずソファに崩れて咽び泣くいつものヤツです。特に後半の静寂の中でのコーラスには興奮させられっぱなしです。

 M5「Sideshow」は数あるブルー・マジックの名曲の中でも特に有名なバラードの1曲で、スタイリスティックスでさえ成し得ていないR&Bチャート1位を記録したのであります(Popチャートは8位)。問答無用の名演でもはや説明不要でしょう。

 M6「Welcome To The Club」は軽快なフィリーダンサーで、やっぱしバラードも良いのですが、こうしたリズム曲もないと締まらなくなってしまいますからね。ミディアム好きの僕としてはタマラン1曲です。

 M7「Answer To My Prayer」はちょっとリズムもあるスロウ・チューンですが、この1stアルバムの中ではちょっと地味な印象は拭えないかなあ。でもアルバムの中においてはこうした軽めのスロウは必要なのです!(持論)

 M8「Tear It Down」は1stアルバムのラストを飾る1曲でコレ股味わいのあるバラード。途中のフルート・プレイにも涙腺を緩ませるものがあります。リード、コーラスとも完璧な仕上がりで、このアルバムでポスト・スタイリスティックス、バラード・マスターの位置を確立させたのでありました。

 M9「Three Ring Circus」からは同じく1974年リリースの2ndアルバムからの選曲で、コレもR&Bチャート5位を記録し人気は引き続いています。1stのバラード群を踏襲したやはり名スロウ・チューンでもはや貫禄さえ感じられます。

 M10「Love Has Found Its Way To Me」はいかにものフィリーダンサーで、ここでは主にテナー・リードによる展開でそのテナーの唄声にもしっかりとした実力を感じます。ただ、ブルー・マジックは5人組であるにも関わらずベース・ヴォーカルの存在が希薄でそこが彼らの残念な一面だと思っています。

 M11「Stringin' Me Along」はなんともチャーミングな作りのミディアム・ダンサーで、こうしたウォーキング・テンポの楽曲は昔から大好物、ムシャムシャ。フィリーならではの妙味もしっかり感じ取られる影の名曲だと思います。

 M12「Chasing Rainbows」からは1975年リリースの3rdから。コレがスペーシーなアレンジが格別なホント大っ好きなバラードで胸キュンキュンなんですわあ。サビのメロディも特別に素晴らしく言うことなしの名曲でコレはもっと多くの人に聴いてもらいたいっということで、こちらをYouTubeレコメンド・トラックにしました。必聴ですよお!




 M13Haunted (By Your Love)」もドリーミーなバラードで夢見心地になってしまいます。ここではテナー・リードで展開しますが、やはりテッドがリードを取って欲しかったなあというのが本音であります。あと、気になるのがコーラスに女声らしきモノが入っているのですがコレは一体どうしたもんなんでしょう?

 M14「The Loneliest House On The Block」はテッドが中心となったバラードに戻り一安心といったところか。彼らはこの頃からマンネリを避けるためかファンク調の曲も取り入れ始めるのですが、成功しているとは言いがたくやはりこうしたスロウが彼らには一番似合うと思うのは多くのグループ・ファンも思うところでしょう。

 M15「Grateful」は1976年にシングルのみのリリースだった曲でファンにとっては嬉しいトコロ。テナーとテッドのファルセットとのデュアル・ヴォーカルによるなかなかに良く出来たスロウで非常に美しい。ブルー・マジックまだまだ健在を印象づける名曲だと思います。

 M16「Freak-N=Stein」からは1976年リリースの4thから。確かにこの頃からヒットには見放されていくのですが、こちらは時代を反映したデスコ調のファンク・スタイル。決して悪いとは思わないそこそこカッコいい出来なのですが、ブルー・マジックらしくないと言わざるをえません。

 M17「Teach Me (It's Something About Love)」はなんともモダン化されたメロウなバラードで、その都会的なスタイルも実に素敵で一歩オトナに成長した彼らをうかがい知ることが出来る隠れた名曲に仕上がっています。

 M18「I Waited」はフィラデルフィアを離れ西海岸で録音された彼らの新境地をみせる1977年リリースの5thからの1曲で、いかにもスキップ・スカボロウプロデュースによるグルーヴィーな名曲で、やはり当時人気絶頂のアースっぽいサウンドに心もウキウキしてきてしまいます。

 M19「Land Of Make-Believe」はちょっと時代が飛び、レーベルもAtcoからCapitalに移籍し、再びフィラデルフィアのシグマ録音に戻った1981年リリースのアルバムから。この曲は初期のスタイルに立ち返った美しいバラードで、テッドのヴォーカルにも全く衰えはみられません。やはりこうしたブルー・マジックを支持します。

 M20「Magic #」は再びレーベルを変えMirageから1983年にリリースされたアルバムからの1曲で、すっかり音世界が変わりなんともモダンチックで1980年代的なサウンドとなっており、ちょっと違和感も感じますが、時代の音に敏感に対応した新しいスタイルをみせ長寿グループとしての風格を感じさせるナイスなナンバーです。

 と、やはりブルー・マジックならではのバラードを中心とした選曲のこのコンピ盤、非常に満足いくお腹いっぱいの出来でありましてホントグループ・ファンならマストのCDであると断言出来ます。やっぱし1970年代のスウィート・ソウルはホッとしますねえ。いつまでも聴き続けていきたいです。

 この後の彼らなのですが、1970年代後半から不遇をかっていたのを一気に吹き飛ばしたのが1989年にリリースされた「From Out Of The Blue」。ヒップホップを主とするDef-Jam系列のOBRというレーベルから出された1枚なのですが、ヒップホップ風味を利かした現代的甘茶感覚に溢れていてコレ股素晴しいんですわあ。それまで聴くことの出来なかったバリトンの活躍も嬉しいトコロ。1989年というスウィート・ソウルはもはや終わったという時代にこれだけのスウィート感覚に満ち満ちたアルバムを残しているのであります。そして1993年あのパトリック・アダムスの制作によるシングルをリリース。自分は未聴なんで是非聴いてみたいと思うのですが入手は困難でしょう。実質コレが彼らの最後のレコードになったのではないかと思います。テッドはまだご存命なのでしょうか?一度彼らのライブに行ってみたかったなあ。ちなみにメジャー・ハリス、マージー・ジョセフとの共演ライブ盤もブルー・マジックファンなら必須アイテムだっぺよ。

 さて、こちらのCDなのですが1996年に発売されたものではありますが、現在でもAmazonにて中古品が1,000円以内で多數出品されてますよお。彼らの1stしか持っていない方にも是非オススメしたいです。


Soulful Spell-Best of/Blue Magic

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