@00227/The Isley Brothers/Masterpiece | kengold light/mellow/soulful

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soul musicを中心に幅広い音楽分野でlightでmellowだと思うモノをどんどんレビューしていきたい思います。Amazonでの商品紹介も出来るモノであれば紹介していきますので是非購入してください。僕の多少の副収入になります(笑)。



★★★★
 皆さん、あけましておめでとうございます。この拙いブログを今年もよろしくお願いします(ペコリ)。

 皆さん、紅白歌合戦はご覧になりましたかあ?歴代最低視聴率を更新してしまったようですねえ。それでも楽しい放送だったと思います。そしてなんだかんだ言って視聴率30%台後半を叩きだすんですからやっぱし紅白はオバケ番組だと思います。

 そして、我らが乃木坂は大好きな曲「君の名は希望」をメンバー全員37人で熱唱したのですが、やっぱし素晴らしかったですねえ。1コーラスのみの歌唱で物足りなくあったのですが、それでも凝縮された見事なものでした。ゆくゆくは紅白常連になって、AKBみたいにたっぷり時間を掛けて唄わせてもらえるようになってほしいモノであります。

さて、年始一発目はご存知ベテラン・グループ、アイズレー・ブラザーズの1985年作の隠れた名盤です。

 アイズレーズは1970年代1980年代前半と飛ぶ鳥を落とす勢いで突っ走ってきて名盤を数多く残すのでありますが、1984年に激震を襲ったのであります。

 キッカケはアイズレーズのレーベル:T-ネックと、配給元であるCBSとの契約更改でした。アイズレー側はCBSに対し、プロモーション不足などのサポート体制に強い不信感を持っていました。しかもそれは、T-ネックを解消し別会社へ移籍することも辞さないという頑なさでありました。

 グループとの再契約が暗礁に乗り上げたCBSは、非常手段を画策。”音作りに貢献している割には年長組から正当な評価を得られていない”と不満を募らせていたキーボード・プレイヤー、クリス・ジャスパーをそそのかし、若手3人の引き抜きに掛かったのであります。

 この話は間もなく兄たちの耳に届き、その逆鱗にふれました。こうして若手3人は”アイズレー・ジャスパー・アイズレー”を結成してCBSと契約。すぐにアルバム「Broadway's Closer To Sunset BLVD.」を発表するのであります。これによって血を分けた兄弟の分裂が衆目の前に明らかとなり、ファンを大いに」残念がらせました。だが創作の自由を得た3人はそんなファンの嘆きをヨソに翌1985「Caravan Of Love」をリリース。ヒットを記録するのであります。

 一方”アイズレー・ブラザーズ”の名でワーナーへ移籍した年長組は、慎重にアルバム制作をすすめていったのであります。”兄貴の意地”もあったのでしょう。そして弟達のアルバムがセールスを伸ばしている最中、この「マスターピース」が発表されました。そして、その中身はなんともゴージャスでソフィスティケートされたコンテンポラリー・サウンド満載のアルバムに仕上がったのであります。それでは曲紹介へ。

 M1「May I ?」は唯一のメンバーの書き下ろしの楽曲。ロナルドの艶のあるセクシーなファルセット・ヴォイスが楽しめるスロウ・チューンですが、すっかり新しくなった打ち込み中心のサウンドにちょっと戸惑っちゃうかも。

 M2「My Best Was Good Enough」はスキップ・スカボロウのペンによる1曲で、なんともメロウでソフィスティケートされた演奏に思わず身を委ねたくなる心地よさで、ホントうっとりしちゃう出来の良さです。

 M3「If Leaving Me Is Easy」はフィル・コリンズのデビュー・アルバムからのカヴァー曲で、コレ股まったり系のスロウ・ナンバーでロナルドの多重ヴォーカルに思わずグッときてしまう寂しげな雰囲気が堪らない出色の出来栄えです。

 M4「You Never Know When You're Gonna Fall In Love」も爽やかな朝の情景を髣髴とさせる美しいバラード。このアルバム全体に言えることではありますが、ストリングス・アレンジが素晴らしくなんともゴージャスな作りに脱帽であります。安っぽいサウンドはホント嫌ですからねえ。

 M5「Stay Gold」はスティービー・ワンダー作による瑞瑞しいバラードで、ロナルドの囁くようなセクシーなヴォーカルに女性諸氏ならずとも胸にキュンキュンとくる切なさいっぱいの1曲に仕上がっています。

 M6「Colder Are My Nights」で、やっとビート・ナンバーの登場。いかにもミッド80’s的な打ち込みバシバシのサウンドで、その手がニガテな方ならちょっと勘弁ではありますが、ホーン・セクション、ストリングスもフィーチャーされて決して安っぽいサウンドになっていないトコロが嬉しい限りです。

 M7「Come To Me」はロナルドが熱く唄い上げるスケールの大きいバラードで、ソウル・ファンはもちろんAORファンも思わずニンマリすること請け合いです。

 M8「Release Your Love」はこの曲だけ血色が違います。確かに打ち込みを多用しているものの、なんともメロディが素晴しいミディアム・チューンで、ホント感動的な傑作ソングに仕上がっていてもう辛抱タマランのであります。聴き逃し厳禁でっせ~!こちらをYouTubeレコメンド・トラックにしております。





 M9「The Most Beautiful Girl」は1973年にカントリー・シンガー:チャーリー・リッチが全米1位にしたナンバーのカヴァーですが、カントリー色はそれほど感じられずこのアダルトなアルバムにうまいことマッチしております。

 と、実にアダルト・オリエンテッドなオトナのためのアルバム。ゴリゴリのファンク・サイドのアイズレーを求める向きには全く背きませんが、ソフィスティケートされたアイズレーがお好みなソウル・ファン、そしてAORファンにはドンピシャの傑作アルバムでしょう。そんな順風満帆な再スタートを切ったと思われたアイズレー・ブラザーズでしたが、翌1986年3月に長兄オーケリーが心臓疾患で急逝してしまうのであります。そんな困難を乗り越えて翌1987年には残された2人で「スムース・セイリン」を発表。コレもまたアダルトな傑作に仕上がっております。

 1990年代に入ってから、アイズレーズの楽曲が多くのアーティストのサンプリング・ソースに使われ、日本でもクラブを中心にメロウ・ナンバーへの需要が増大し、アイズレーズへの再評価は凄まじいものとなりました。こうした中で分裂していたアイズレーズは和解へ進み、ロナルドとギタリスト、アーニーでグループの伝統を守り続けてるのはファンにとっては嬉しい限りです。

 さて、こちらのCDは2000年に世界発CD化としてリリースされたものですが、どうやら廃盤の模様。しかし、2009年にリイシュー。こちらなら容易に入手出来るかと思いきややはり影の人気盤、もう廃盤らしくAmazonでも在庫3点限りです。そんな中朗報です!今年3月にこちらのアルバムと1987年の「スムース・セイリン」とのカップリングが輸入盤ではありますがリリースされる模様です!お持ちでない方は早めの購入をオススメします。アイズレーズは1970年代だけじゃないんだゾ!


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