@00226/JefersonStarship/Earth | kengold light/mellow/soulful

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soul musicを中心に幅広い音楽分野でlightでmellowだと思うモノをどんどんレビューしていきたい思います。Amazonでの商品紹介も出来るモノであれば紹介していきますので是非購入してください。僕の多少の副収入になります(笑)。



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 レコード・コレクターズを購読されている方ならよくご存知かと思いますが「ハジレコ」という言葉がありますよねえ。つまり、初めて買ったレコードということです。ある意味”ハジレコ=恥レコ”という構図も成り立つワケで、あまり人には言いたくないちょっと恥ずかしいものがあるわけです。

 自分もかなあり恥ずかしくてあまり言いたくはないのですが、子供の頃に親にせがんで初めて買ったシングル・レコードは薬師丸ひろ子の「セーラー服と機関銃」でした(汗)。なぜゆえにこの曲だったのかは思い出せませんが、当時面白がってしょぼいレコード・プレイヤーでよく聴いていたのを思い出します。

 そして、世の中はレコードからCDに移り変わり、初めて買ったCDはコレ股恥ずかしいのですが当時人気絶頂だったボウイの「GIGS」でした(汗)。コレもあんまし人には言いたくありませんねえ。

 そして、自分の趣味が邦楽から洋楽に変わり、初めて買った洋楽アーティストのLPレコードが今回紹介するジェファーソン・スターシップの「地球への愛にあふれて(原題はEarth)」(1978年発表)なのであります。

 なんで、このアルバムを初めて買うかなあとお思いでしょうが、確か買った当時はまだCD化はされておらず、レコード・コレクターズ誌に掲載されていて気になって中古レコード屋で安く売っていたのが要因かと思います。そして、聴いてみるとめっちゃ内容が素晴らしく当時聴きまくっていたのを思い出します。ホント思い出いっぱい!面舵いっぱい!by U-Turn土田なのであります。

 正直、このバンドの前身ジェファーソン・エアプレインを先に聴いていたのですが、その古めかしさにあまり興味は惹かれなかったものです。またこのバンドの後継となるスターシップとなると論外であります。

 既にジェファーソン・スターシップの名盤と名高い「レッド・オクトパス」はレビュー済みですが、コチラは後から聴いたモノで、個人的嗜好も含めて思い入れが深いのが「地球への愛にあふれて」なんです。それでは曲紹介へ。

 M1「Love Too Good」はなんともスケールの大きい、ストリングスも華麗なAOR+アーバン・ソウル的な1曲で、まずこの曲にヤラれちゃったもんです。リード・ボーカルを取る紅一点のグレイス・スリックはちょっとヒステリックな気もあるのですが、逞しい喉を披露してくれます。

 M2「Count On Me」はジェフ・バリッシュのペンによるカントリー色も漂う牧歌的なメロディが堪らないスロウで、ここでは看板ボーカリスト、マーティン・バリンの優しい歌声が心を潤してくれます。そしてしみじみきちゃうのがクレイグ・チャキーソのアコースティック・ギターの音色です。あまり話題には登りませんがクレイグのギターはホント天才的だと思います。

 M3「Take Your Time」はグレイスのリードによる感動的なバラードで涙腺を刺激してくれます。ピート・シアーズによると思われる生ピアノ・プレイも実に美しく、そしてこの壮大さ。実に素晴しいです。

 M4「Crazy Feelin'」はコレ股ジェフ・バリッシュの楽曲によるミディアム・チューンで、マーティンがリード。そのAORっぽい仕上がりにグッと来ちゃいます。マーティンがグループ脱退後、ソロとしてAORの名盤を残すのに繋がる名曲に仕上がっています。

 M5「Skateboard」はグレイス・リードによるかなりロッキンシュな仕上がりで、この曲だけは当時も今もあまり好みのタイプではありません。ちょっと音も唄もハード過ぎますね。

 M6「Fire」はマーティン・リードによるコレ股ロック色が強い楽曲ですが、この曲は別格。マーティンの張り上げるボーカル、クレイグのギター・プレイと実にカッコいい仕上がりで当時も今も大好きです。クレイグはこの頃まだ20代半ばくらいですよねえ。ホント凄いの一言につきます。もっと評価されて然るべきです。

 M7「Show Yourself」はグレイス・リードによるコレ股スケールのデカいバラードで、バンド・アンサンブルの素晴らしさはなかなか当時の他のグループには求め得ないものだと思います。ここではピートによるキーボード・プレイが実に印象的です。

 M8「Runaway」はマーティン・リードによる、当時も今もとてつもなく大好きなスロウ・チューンで、ポールによるアコギ・プレイとクレイグによるエレキ・プレイの掛けあわせが堪らないです。メロディ・ラインもどこかソウル風味があり素晴らしくホント名曲中の名曲だと思います。後半のクレイグによるソロ・プレイにはホント鳥肌が立っちゃいます。こちらをYouTubeレコメンド・トラックにしております。





 M9「All Nite Long」はラストを飾るにふさわしいコレ股スケールの大きい1曲で、全編コーラスで押し通す感じも実に素敵。そしてベース・ラインも実に効いていてグルーヴィー。そんでやっぱし素晴しいのがクレイグのギター・プレイ、ホントもっと長くソロを弾きまくってほしいと思うのは僕だけではないでしょう。見事の一言につきます。

 と、1978年当時はデスコ・ブームが溢れかえっていた頃にも関わらず、そんなブームをよそに独自の路線を維持したこのアルバム。もっと再評価されて欲しいんだけどなあ。そして残念でならないのが、こんな名盤を残したにも関わらず、グレイス、マーティンがこの後グループを脱退し、バンドは事実上解体状態に。ポールを中心にグループは継続していくのですが、もうこの輝きを維持してはいけなくなってしまいました。このアルバムの流れに乗った作品を是非聴きたかったものであります。

 さて、こちらのCDは1997年と2008年にリイシューされており(2008年版は紙ジャケ!)、Amazonでもまだ中古品が比較的安く買える状態です。是非とも多くの人に聴いて欲しいと願ってやみません!

ところで、年内こちらで最後のレビューとなります。また来年もよろしくお願いします。


地球への愛にあふれて(紙ジャケット仕様)/ジェファーソン・スターシップ

¥2,376
Amazon.co.jp

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