@00214/The Lost Generation/The Sly,Slick And … | kengold light/mellow/soulful

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★★★
 もう今年も残り僅かとなってきましたねえ。ホントに歳とると、1年がめっちゃ早く感じてしまうもので・・・。

 そんで、今年も大晦日に日本テレビ系列で「ダウンタウンのガキの使いやあらへんで!」の恒例、笑ってはいけないシリーズやるみたいですね。なんと今年でもう10回目だとか。自分は基本的に紅白派なので、生では紅白を見て、ガキは録画して見ます。正直、ガキも毎年同じワンパターンで飽きちゃってるんですよねえ。構成作家も同じ顔ぶれなんで、内容もおんなじになっちゃうのは致し方無いんですけど、それでもやっぱし見ちゃいます。昔のガキみたいにメンバーが二手に分かれて、ゲームをして罰ゲームとして企画をやっていた頃のほうが面白かったですねえ。特に松本が仕掛けをしてやっていた回が面白かったなあ。

 そんなガキもここ北海道でぞんざいな扱いでして、現在なぜか火曜日の深夜に1週遅れで放映されてる有様なんですよねえ。北海道ではガキが放送し始めたのも遅かったですし、何かイベント事があると、休止されちゃたりするしで。ホント札幌テレビさん!何とかしてくださいっ!

 さて、冬だ!鬱だ!ソウル・ヴォーカル・グループだ!特集も5回目。シカゴのザ・ロスト・ジェネレーションの1970年、1972年のアルバムにシングル・オンリーの曲も収めた2on1アルバムです。

 と、言いつつこのグループに関しては情報全く持ってないんですよねえ。一応分かっていることはシカゴでの録音ということから、恐らくはシカゴ出身。4人組。アルバムのプロデュースはシャイ・ライツのユージン・レコード。メンバーのローウェル・シモンが1979年にソロとして「Mellow,Meliow Right On」という有名なアルバムを残しているといったところです。でも、ヴォーカル・グループ全盛時代に2枚もアルバムを残しているのですから(ひょっとしたら他にもアルバム出しているのか?)、立派なグループなんでしょう。

まずはアルバム「The Sly,Slick And The Wicked」から・・・。

 M1「The Sly,Slick And The Wicked」はなんともクラシカルな響きをもったスロウ・チューンで、コーラス・ワークがなんとも印象的な1曲で、コレはさすがユージン・レコードの仕事といったナンバーで見事な仕上がりです。

 M2「Love On A Two Way Street」はご存知モーメンツの名曲カヴァーで、ここではファルセット・リードによるなんともスウィートな仕上がりで、シカゴらしさは少し希薄になるものの悪い出来ではありません。

 M3「Give Me Just A Little More Time」はデトロイトのチェアマン・オブ・ザ・ボードのカヴァーになりまして、リード・ヴォーカルもジェネラル・ジョンソンのようなテナー・リードによる展開でかなりオリジナルに忠実な出来となっていて、もう少し個性があってもいいかなあという仕上がりです。

 M4「You’re So Young But You're So True」はいかにものシカゴ的なズンドコ・ミディアムで、ソウルフルなリード、美しいコーラスとなかなかの聴きモノの仕上がりに満足です。

 M5「Sorry I Can't Help You」は淋しげさ全開のスロウ・チューンで、美しいコーラスとストリングスにうっとりです。そして、このアルバム全体に言えることなんですが、ベース音が強調されているのが嬉しい特徴になっています。

 M6「Someday」もシャイ・ライツを思わせる美しいバラードで、はかなげなバックの演奏とコレ股美しいコーラスにはもううっとりであります。

 M7「Love Land」は気持ちのいいシカゴらしさ全開のミディアム・チューンで、この手には滅法弱いのですわあ。力強いテナー・リードがなんとも逞しい唄いっぷりでサイコーの一言です。

 M8「Didn't I Blow Your Mind」はお馴染みデルフォニックスの名曲カヴァーで、こちらもオリジナルに忠実な作りでやはり素晴らしい。コーラスがロスト・ジェネレーションらしさに溢れていて満足いく仕上がりです。

 M9「Wasting Time」はちょっとファンキー色もあるミディアム・チューンで、コレもシカゴらしさに溢れていてシカゴ・ソウル大好きな自分にとってはドンピシャな1曲です。

 M10「Wait A Minute」はまた独特のコーラスが印象的なスロウ・チューンで、逞しいテナー・リードが甘さに頼ることのない彼ららしさがいっぱいの硬派なナンバーです。

 M11「Talking The Teenage Language」は1971年作のシングル・オンリーのボーナス・トラックになりまして、ここではカーティス・メイフィールド的な緊迫感溢れるファンキーなトラックで、ちょっと異色なナンバーとなっています。

 ここからは1972年作の「Young,Tough And The Terrible」から・・・。

 M12「This Is The Lost Generation (vocal)」は先のシングルの流れにのったカーティス・メイフィールド的なビートの効いたスロウ・チューンでニュー・ソウル的な匂いを感じる1曲です。

 M13「Tired Of Being Alone」はお馴染みアル・グリーンの名曲カヴァーで、こちらはオリジナルとは趣の違うシカゴらしさに溢れた仕上がりでここでもボトムがしっかり効いていてなかなか良い1曲です。

 M14「All In The Course Of A Day」もやはり時代を反映したニュー・ソウル的なミディアム・ソングで、メロディも美しいアルバムの中でも白眉といえる1曲に仕上がっていて満足です。

 M15「You've Got To Crawl Before You Walk」はまた出た!チェアマン・オブ・ザ・ボードのカヴァーで、よっぽど彼らのことが好きだったんだねえ。もちろん僕も大好きです。出来はやはり素晴らしく言う事ありません。

 M16「Sure Is Funky」はタイトルどおりのファンキーな1曲で、こちらも時代を感じるニュー・ソウル的な作品で彼ららしさはちょっと希薄になるかな。

 M17「The Young,Tough And The Terrible」はちょっと南部的なレイド・バックしたスロウ・ナンバーで、コレはコレで十分に彼ららしさに浸れる心地よい1曲です。

 M18「Paulette」はコレ股このアルバムから顕著になるファンク味があるナンバーで、ユージン・レコードの作るリズム・ナンバーも十分に一聴の価値ある1曲なのであります。テナー・リードがしっかりしているので、こういった曲調にも対応出来るのであります。

 M19「Thin Line Between Love And Hate」はお馴染みパースエイダースの大ヒット曲カヴァーで、リード・ヴォーカルのカッコよさはダグラス・スコットに負けていません。しかもコーラス・ワークは彼らの方が上まわっているなかなかのカヴァーです。

 M20「One More Bridge To Cross」はアシュフォード/シンプソンのペンによる1曲で、コレ股シカゴらしさいっぱいのミディアム・チューンで満足いく仕上がりです。

 M21「This Is The Lost Generation (instrumental)はM12のインスト・ヴァージョン、ちょっと怪しげな雰囲気を残しこのアルバムは幕を閉じます。

 ここからはまたシングル・オンリーのヴォーナス・トラックです。

 M22「Pretty LIttle Angel Eyes」は1973年作となりまして、プロデュースもユージン・レコードの手から離れるわけですが、コレがなんとも爽やかで気持ちのいい、コレぞ!シカゴ・ソウルの理想形とも言えるズンドコ・ミディアムで大好物の1曲。ホント、初期のヘヴン&アースを髣髴とさせる超名曲でホントにオススメな1曲です。こりゃ嬉しいヴォーナス・トラックや!奇跡的に画像がありましたので、こちらをYouTubeレコメンド・トラックにしています。必聴!




 M23「You Only Get Out Of Love (What You Put In)」も疾走感、緊迫感に溢れたミディアム・チューンで、コレも聴かずに死ねるか!と言える傑作曲に仕上がっており大満足なのであります。

 と、アルバム自体はカヴァー曲が多くちょっと安易なつくりかなあとは思わせますが、シングル・オンリーも含めて駄曲は見当たらず、シカゴ・ソウル好きにはマストなコンピ盤になっていると思います。

 さて、大問題はここから。こちらの貴重なコンピ盤、1999年に発売された輸入盤になるのですが、今やコレクターズ・アイテムのようでAmazonでも最安値で12,800円もしてしまう有様です。コレはいくらなんでも高すぎるっ!それならDisk Unionにウォントリスト登録して、中古品が出品されるのを首を長~くして待った方が得策だと思います。ホント何がプレミアつくか分からない典型的な1枚でした。


The Slick, Sly & the Wicked/Lost Generation

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