印度旅行記その1 印度の空は白かった | 椎名令 the ROCKSTAR KILLER !

椎名令 the ROCKSTAR KILLER !

* * * indie metal/HR singer, dancer, Eng/Jp translator,
astrologer Rey Shiina private blog * * *

     ※非業務用プライベートブログ

 

 

トランジットのドンムアン空港で
デリー行きの便にチェックインしようと
航空会社のカウンターに向かうと、

そこには
時間内にチェックインできるのか不安になるほど
大人数のインド人がすでに大行列を成していた。

人口大国インドの
すでに真っ只中にいる気分にさせられた
瞬間だった。

 

 

 

デリーで行われたイベントに出演すべく
成田からドンムアン空港を経由して
インディラガンジー空港へと
飛び立った我々ダンサー6人が利用したのは
タイのノックエアー航空、
シンガポールのスクート航空の
共同出資子会社である
国際LCCノックスクート航空。

ノックスクート航空は
トレードマークの鳥のかわいさに反して
CAが無駄に厳しく融通が利かない。
LCCで機内サービスが期待できないから
機内に毛布などを入れたバッグを
持ち込むわけだが、
そのバッグを席の上の荷物入れにしまえ、
とにかく前座席の下の奥深く入れろ、
膝に物を乗せるな、
テーブルを出すな、席を微塵も倒すなと
しつこくチェックしてくる。
財布やパスポートを入れ
斜め掛けで身体に密着させた状態の
貴重品入れ肩掛けポーチすら
肩から外して前座席の下へしまえ
と言ってくる始末である。
離陸して機体が安定するまでは
牢獄かと思うほど客を自由にさせない。

ところがその
ノックスクートの掟の番人・CA軍団にも
一切耳を貸さないのが
インド人の群れである。
がやがや喋り続け、スマホをいじり続け、
スマホで通話し続け、
機体が動き出す前から
テーブルを下ろしてサブウェイサンドを食べだす。
シートベルトを締めろと告げるランプサインが
点灯しているのもお構いなしで
立って歩き回る。
しかも一度止められても再びやる。
一度閉じたスマホも
CAが立ち去れば再び電源ON。
さしものCA衆の顔にも
離陸前からすでに
呆れと疲れが見て取れた。
身内だったら嫌だけど
全員5歳児のようなインド人の有様は
まるで
コントを見ているかのような光景だった。

こころなしか
成田からドンムアンまでは
ふわんふわんとして
鼻に抜けるような口調だった
機内アナウンスも
行き先がデリーになった途端
きりっと低めの声になり、
きびきびした語調に変わっていた。

だがそれに耳を傾けていたインド人は
一人もいなかったのではないだろうか。

 

 

 

大気汚染警報が度々発令されていた
インド首都デリーは
空気の臭いは思ったほど悪くはないし
5m先が見渡せないというほどではないが
なんとなく霧に霞んだような風情で、
夜の道路を照らす灯りの周囲に
くっきり丸いかさが見えるほどには煙っていた。

言うまでもないが
大気汚染で、である。


さて、予約が入っているはずの
空港からほど近い宿に着くと
我々一行を待ち受けていたのは
「は?予約なんて入ってないよ?
 Booking.com使った?」
との受付の兄ちゃん達の言葉だった。
我々6人に対して
2人向け1部屋しか空いていないという。

深夜2時頃である。
しかしやむを得ず
先にインドに来ているグループリーダーや
宿を手配してくださったイベント関係のかたに
連絡を入れ、ホテルのフロントと
電話越しに喧々囂々あった後で

それでは仕方ないから
近くにある同じ系列のホテルになら
4人泊められる、と言われ、
舗装が壊れてガタガタで
野良犬のうろつく土埃の小道を案内され、
着いた宿では

フロントで
年配の白人夫妻が立ち往生していた。
午前3時近くなっていた。
イギリス英語で話す彼らは
Booking.comを利用し
予約ページをプリントして
持って来ていたにも関わらず
やはり予約が入っていないと言われ
待たされているとのことだった。

予約というシステムは
実は存在しないのかインド。

 

 

 

結果として、
我々が泊まるはずだったホテルの一室は
イギリス人夫妻にあてがわれ、
系列ホテルの3部屋に
ダンサー6人が泊まることとなった。

しかし先に
湯が出るか、コンセントはついているかなどを
確かめるために部屋を覗き見したところ
空きが出た2部屋のうち
1部屋はあからさまに
ついさっきまで先客がいたであろう様子で
食い残しが散らかり、
シーツも乱れた様子であった。
さらにもう1部屋はチェックアウト待ちである。
一行の内最後の2人が部屋に通された時は
なんと朝5時を回っていた。


印度旅行漫画の数々に
旅先で起こったトラブルの様子が描かれ
カオスな様子が伝えられる印度。
その印度の洗礼を
早速受けた我々であった。

(続く)