「ヅカデミー賞2017」結果発表【ショー部門】 | 銀橋Weekly

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【ショー部門】






王冠第5位王冠
雪組宝塚大劇場/東京宝塚劇場公演
「Dramatic “S”!」 5票


雪組らしさ、「早霧せいな&咲妃みゆ」らしさ、早霧せいならしさが際立つ演出、パフォーマンスが支持を得た結果になりました。

 

「S」をテーマにしていますが、特に終盤は「Snow」=雪の清らかさ、温かさが感じられる場面が多く、「早霧せいな率いる雪組の集大成ここにあり」というのもを魅せてくれたと思います。

 

ダンスは群舞、デュエット、ソロ、いずれも瞬きできない見所に溢れており、雪組全体の技術、表現力がこの2〜3年で着実に向上していることがハッキリと分かりました。

 

中でも「Song&Dance」は何度見ても飽きることのない、むしろどんどん惹き込まれていく名場面。

 

早霧せいなの身体能力、表現力は重力とスーツの繊維一本一本までコントロールしているような緻密さと柔軟さがあり、この引き締まった造形だけ見惚れてしまうのですが、それでは勿体ないほど組子達も奮起しています。

 

退団者へのはなむけがショー全体のバランスを崩すことなく、多くのスターを適材適所でフォーカスした演出も良かったと思います。

 

早霧せいな&咲妃みゆのデュエットダンスを望海風斗がカゲソロで包むトリデンテのラストシーンも印象深かったです。

 

 


【参考】
雪組公演「Dramatic “S”!」公演レポート




3位には2作品並びました。




王冠第3位王冠
宙宝塚大劇場/東京宝塚劇場公演
「クラシカル ビジュー」 6票


近年でも特筆すべき清く正しく美しいショーであること、朝夏まなとの黒燕尾への高い評価の結果と思われます。

 

流行りのショーのスタイルとは一線を画した構成で、世界旅行の異国情緒から宇宙のスケール感まで演出した稲葉先生の手腕も素晴らしかったです。

 

肩書きはなくとも娘役トップスターの仕事を魅せた伶美うららは宙組に、宝塚に娘役としての理想の在り方を刻みました。

 

朝夏まなとの歩んだ道のり、人柄、実力、魂が随所に伝わってきて、広げた手、高らかに上げた足は宙組全員を抱いているような印象を受けました。

 

ソロから群舞を経てラストまでは「神」(的場面)というコメントがありましたが、確かに神々しく荘厳な空気が流れていたと思います。

 

終演後の主題歌のリフレイン性、ショー全体の温かな温度は「中毒性」といった刺激ではなく、心のふるさとに帰ったような癒しを感じた方も多かったのではないでしょうか。

 

 


【参考】
宙組公演「クラシカル ビジュー」公演レポート その1 〜朝夏まなと編〜

 

宙組公演「クラシカル ビジュー」公演レポート その2

 

宙組公演「クラシカル ビジュー」公演レポート その3

 

 

 

 


王冠第3位王冠
花組宝塚大劇場/東京宝塚劇場公演
「雪華抄」 6票


ヅカデミー賞で初めて日本物のショーが入る快挙です。

 

「日本物のショー → 退屈?」というイメージを払拭するテンポの緩急、彩の移ろい、物語性を原田先生が鮮やかに描き出してくれました。

 

明日海りおの艶やかな美しさに和の様々な角度からアプローチしたことも作品に変化をもたらし、ワクワクする構成につながったと思います。

 

男役では瀬戸かずやと鳳月杏、娘役では桜咲彩花の端正な所作と上品な色気に特に光るものがあり、目も心も楽しませてくれました。

 

松本悠里先生が舞う場面の流れ、演出も見事。

(「出番を作ればよい」と流れが断絶したような登場シーンを過去に何度も観た記憶があります)

 

原田先生、個人的には演出の浮き沈みが激しい印象を持っています。

 

「え、同じ演出家の作品とは思えない」というより、絶妙とそうでないものが何か紙一重のような気がします。

 

他の組で日本物のショー、あるいは花組で洋物のショーを観てみたいです。

 

 


【参考】
花組公演「雪華抄」公演レポート

 

 

 

 

 

王冠第2位王冠

宙組宝塚大劇場/東京宝塚劇場公演
「VIVA
! FESTA! 19票

 

僅差の2位は宙組「VIVA! FESTA!」。

 

「YOSAKOIソーラン」と朝夏まなと&実咲凜音のデュエットダンスが圧倒的な支持を集めました。

 

「YOSAKOIソーラン」のあの迫力、熱狂、持続性、客席との一体感は私が今まで経験したことのない種類の盛り上がりでした。

 

一度終わったと思いきや真風涼帆センターでリフレインが始まった時は「ネバーエンディングソーランか!?」と驚きおののくほど。

 

宙組でこそ演出されるべきテーマであり、後世に語り継がれる伝説の名場面だと思います。

 

朝夏まなと&実咲凜音のゴールデンコンビによるデュエットダンスは、朝夏まなとのエスコート技術と実咲凜音を送り出す愛に尽きます。

 

実咲凜音を最高のヒロインにする、誰にも文句は言わせない。

 

さりげない仕草、所作でも全てが行き届いた朝夏まなとのエスコートは都度ため息の連続。

 

リフトもコメントにもありましたが・・・そうなんです!着地が滑らかで美しいのです。

 

ここに2人の技術、信頼が凝縮していると思います。

 

うまいパイロットの着陸でも着いた瞬間はわかりますが、あれだけハードなリフトの後にも関わらず着地が本当にいつの間にかなのです。

(スーパースローで再生したくなるくらい)

 

 

主に支持された2つの場面をフォーカスしましたが、「牛追い祭り」「誇りと野心の大地」など他の場面も非常に充実しており、総合力あっての2位と見ています。

 

 

 

宙組公演「VIVA! FESTA!」公演レポート






ショー部門、接戦を制したのは・・・





王冠第1位王冠
花組宝塚大劇場/東京宝塚劇場公演
Santé!!」〜最高級ワインをあなたに〜 20票

 

2012年「CONGA!」、2013年「Mr.Swing!」以来、花組にとって3度目の1位を「Santé!!」で飾りました。

 

・蘭寿とむの花組が受け継がれただけでなく、それを明日海りおが発展させた華々しい成果。

 

・花組らしい上品な色気と熱狂。

 

・主題歌の中毒性。

 

・強く美しき娘役トップスター 仙名彩世の実力と魅力の炸裂。

 

評価されたポイントは主に上記4点になります。

 

また、「ワインは赤い命の水」→「ワイン=水」というホットな表現は「ソーラン宙組」同様、今年のヅカ流行語の一つになったと思います。

 

伝統的なショー(レビュー)は世界旅行することも多い中、「Santé!!」は華麗なるフランス一極集中型でフルコースを魅せました。

 

もちろん飽きることなどあり得ません。

 

お洒落で、キザで、濃厚で、芳醇。

 

華やかな祝杯、悲しみの一杯。

 

がぶ飲みだけでなく、じっくり語らうような飲み方までこのショーは表現していました。

 

芹香斗亜の花組での最後の輝き、夕霧らい&梅咲衣舞の花組イズムを体現したゴールデンコンビ芸も忘れられません。

 

 

蘭寿とむの花組が受け継がれたということは、そのままイコール花組の伝統が継承されていることを意味します。

 

ショーの王国 花組がまた黄金時代に突入するのかもしれません。

 


【参考】
花組東京宝塚劇場公演「Santé!! 〜最高級ワインをあなたに〜」公演レポート その1

 

花組東京宝塚劇場公演「Santé!! 〜最高級ワインをあなたに〜」公演レポート その2

 

 

 

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