そして、誰かがこう言った。
「鬼の霍乱かな?」と。
そうなのだろうか!?
実に、この神無月初日を迎える2日前、夕刻から額に何かをぶつけた様な痛みと共に、それは右脳全体に広がる。
それを耐える為、氷で冷やしていたものの、その悶絶ぶりを女将が見かねて、夜間診療所へ強制連行。(実に病院行きは、胸の強打事件以来、三年ぶり?)
コロナ隔離室みたいな所に入り、このご時世でも受けた事のなかったPCR検査を受ける羽目に。
免疫力については、風来の身である事からも程よく備えているつもりだが、さてどうなる事やら!?
(そんな大層な事を思いながらも、現実では高熱も相まって、割れそうな脳の痛みを堪えるのが関の山だった)
我が身を試すつもりで、真夜中の診療室の天井を虚ろげに眺めている事、1時間…
遂に「陰性です。中の診療室へご案内します」と。
だが、その先の診察結果については結論からすると、原因不明の「偏頭痛」。
そんな事で、原因追求の為に次の日も、今日も病院に通う老爺の如き身となる。
実に、ニ日二晩は脳に爆弾を抱えてる様な日だった訳だ。
そして、この原因が分かった神無月初日の昼からは、来たる冬の風物詩でもある炎の世界を、ひと足先に謳歌する寛ぎの時を得る。
医師の言葉で大事だったのは「免疫力」。
要は…
これまでの間はほぼ毎日何かしらのやるべき事があるからとして、基本何もしないという日を持たなかった。
身体が多少重かろうが「やる」しか、私の脳裏には無いという…
そして、その因果がこんな形として現れた訳だ。
故に自制というのを、未だ私は知り得ていない事になる。
そして、それには何が必要なのか…?
その解も、一応分かっている。
妹分に、漸く天からの授かりものである可愛い娘が誕生し、それを此度の再会で、この手で抱いた時、私の中で何かが呟いた。
それは…、我が母上から旅の前に頂戴したお言葉そのもの。
だが、私はそれを得る事に対して貪欲になれない。
それが、また人としての至らなさとも言える。
それは、この目前にある物が証明していようか!?
一先ずは、この力を借りて、今冬へ臨む胆力を備えるとしようか!
*オマケ
◎今冬の薪置き場として、廃材を活用して新たに作製。左側にも保管できるので一シーズンの薪には不便なし。





