まだ私が20代前半(1990年代)の頃。

 

年末に連絡もせずにいきなり帰省して親を驚かせようなんて考えて、車に乗り込みました。

 

当時乗っていた車はマニュアルのFR車。

 

最寄りのインターチェンジから高速に乗って1時間ほど走行したら、周囲の山々は真っ白に雪が積もっていて、路肩にも雪が残っている感じになってきたなぁと思いながら車を走らせていると普通に雪が降り始めました。

 

雪道は走ったことがないので甘く考えていたから、雪が多少積もったくらいだったらどうにかなるかなと思いながら運転していたのですが、走るにつれ降り積もった雪で路面のアスファルトなんて全く見えないくらい積雪している状況になったんですね。

 

これは流石に次のPAかSAで停まって様子見しようかと考えながら走っていると、前方に大型トラックが走行しているのが見えました。

 

大型トラックがタイヤで走った後を走れば大丈夫かもってなぜか思ったんですよね。

 

これがまぁ間違った判断な訳です。

 

道路に降り積もった雪が大型トラックに踏み固められている訳ですから、普通に考えれば滑りやすくなっているだけですよね。

 

数百メートルも走ったら急にリアがすべる感じがし始めたので、当初は面白がってカウンターを当てながらハンドル操作をしていたのですが、大型トラックとは車5台分くらいは離していたけれども、大きなカーブでトラックがスピードを緩めたのか距離が縮まったので、アクセル抜いたら急にリアが流れて2回転くらいスピンしました。

 

スピンして中央分離帯に突っ込むような動きになり、フロントが壊れたら修理代いくらくらいだろう?とかこんなところでぶつかって止まったら後続に突っ込まれるのではないかとか、動かなくなったらレッカーどうやってこんな山間部で呼ぶんだろうとか、親に怒られるだろうなとか、中央分離帯がスローモーションのように迫ってくる感覚で走馬灯のようにアレコレ思い浮かびました。

 

しかし運良く中央分離帯にはぶつからずスピンしただけで済みました。

 

すぐに後続の車がいたらヤバイと確認しましたが、雪が降り積もるような状況ですから走っている車もいなくて一安心。

 

ローでアクセル踏み込んだらリアが流れてまともに動けず、2速でもまだパワーが強いらしくて3速でやっとゆっくり動けたみたいな感じだったように記憶してます。

 

路肩に停めてトランクに積んでいたチェーンをリアタイヤに巻く作業をしていると、横にホンダのビガー(ヘッドライトが横長でフロントグリルが小さかった型)が停まりました。

 

ビガーはおじさんが運転していて、助手席には小学生くらいの男の子が乗っていたのですが、おじさんが私に「もう雪でこの先進めませんか?」と尋ねてきたので、「私はスピンしたのでチェーン撒いてるんです」と伝えると、あぁという感じで助手席側のウインドウを閉めてスムーズにその場から走って行ったんですね。

 

ビガーだからFF車なのはもちろん、スムーズにゆっくり走って行ったので、たぶんミッションもATだったと思います。

 

手がかじかみながら、雪が積もった場所で初めてチェーンを付ける作業をしながら、降雪した高速道路を普通に走っていくアコードを見送りながらFF車のATっていいなと思ったもんです。

 

今思えば冬用タイヤも履かせていたかもしれないですけどね。

 

当時はまだネットも普及前だったから、降雪しているとか通行止めになっているなんて高速道路の状況は、PAやSAで確認するか、ハイウェイラジオを聴かないと情報が得られなかった時代です。

 

今はもうネットで高速道路の状況や全国の週間天気予報とか必要な情報をいつでもすぐにチェックできるから、ホント事前に色々と調べられるので便利になりましたね。