食前酒のこと ~食事の始まりは食前酒から~
食前酒とは、フランス語でアペリティフ(Aperitif)、
イタリア語ではアペリティーヴォ(Aperitivo)といい
食欲を増進させるための飲み物です。
テーブルもしくはウェイティングルームに案内されると、
「食事の前にお飲み物(食前酒)はいかがでしょうか」と訊ねられます。
このときレストランではメニューを用意していません。
だから「何を飲みたいか」あなたが答える必要があるのです。
1.食前酒を飲まないとき
食前酒は「必ず頼まなければいけないか」というと、実はそうではありません。
別に必要がなければ頼まなくても良いのです。
例えば、女性同士でランチを食べていたり、
お酒が弱いから食前酒まではいらないかなっと感じる場合は
「いりません」「結構です」などと言って断ります。
もし、ストレートに断るのが苦手な人は
「車で来ているので、今日は結構です。」
などと言って柔らかく断るのも良いでしょう。
このときお酒ではなくミネラルウォーターを頼んでも構いません。
ミネラルウォーターには「ガス入り」と「ガス抜き(なし)」の2種類があります。
ガス入りとは炭酸水のことで、
ガス抜き(なし)とは、一般的なミネラルウォーターのことです。
お好みでどちらを選んでも構いませんが、
慣れると「ガス入り」の方が美味しく料理を頂けます。
※水道水(無料の水)はありません。共に500円~1,000円前後かかります。
2.食前酒を飲むとき
食前酒は、特に難しい決まりはなく
アルコールが低くドライな味わいのものがよいとされています。
日本では「最初の1杯はビールで」という習慣がありますが
高級レストランの場合「シャンパン」が最もエレガントな食前酒とされています。
もしシャンパンが苦手な人がいましたら
「キール」「ミモザ」などカクテル系のお酒でもよいでしょう。
また「食前酒は飲みたいけど、お酒が弱くて飲めない」という人は
「ノンアルコールで何かありますか」と聞くのも良いと思います。
(1)シャンパン(正式名称:シャンパーニュ)
シャンパンは炭酸ガスの入った発泡性のワインです。
発泡性のワインが全てシャンパンと呼ばれるのではなく
フランスのシャンパーニュ地方で収穫されたぶどうを使い
定められた製法により生産されたものだけが「シャンパン」と名乗れるのです。
日本ではシャンパン、シャンペン、シャンパーニュなど
いろいろな呼び方をされていますが、
オーダーするときは「シャンパン」でよいと思います。
どれも間違った呼び方ではないので、
「カルティエをカルチェ」「デニムをジーンズ」
と呼ぶ人がいるのと同じようなものだと思ってください。
シャンパンをオーダーしたとき、細かい銘柄までは聞かれません。
また、グラスで頼んでいるのでテイスティングもありません。
高級レストランではボトルを持ってきて確認を求める場合もありますが、
そのときは「お願いします」などと言って
「OKです」という意思表示をしましょう。
※シャンパンの主なメーカーは
モエ・エ・シャンドン(Moët & Chandon)、ポメリー(Pommery)
ヴーヴ・クリコ(Veuve Clicquot)などが挙げられます。
他にもクリュッグ(Krug)などの高級シャンパンもありますが、
とりあえずは、この3メーカーを知っていれば大丈夫です。
シャンパンは泡を眺めて楽しむため、
フルート型の細長いグラスが使われます。
持つときは、グラスの本体部を持つのではなく
細長い脚の部分を5本の指で持つのが基本です。
※シャンパン1杯の料金は1,500円~2,500円前後です。
(2)白ワインベースのカクテル
キール・・・・カシス+白ワイン
※1杯の料金は1,000円~1,500円前後です。
(3)シャンパンベースのカクテル
キール・ロワイヤル・・・・カシス+シャンパン
ミモザ・・・・オレンジジュース+シャンパン
※白ワインベースより少し値段が上がります。
食前酒は上記以外にも、たくさん種類がありますし、
またレストランオリジナルの食前酒を用意していることもあります。
だから「何かおすすめの食前酒(アペリティフ)はありますか」
と最初にたずねるのもひとつの方法です。
※オーダーするときは、必ず男性がしてください。
私達の場合ですが、
「食前酒で始まり食後酒で終わる」という習慣が付いてしまったため
食前酒は必ず飲むようにしています。
食欲増進作用が本当にあるかは、実のところは分かりません。
ただ、食前酒を飲んだほうが、よりレストランを楽しめる気がしています。
ちなみに、私達がオーダーするときは
「シャンパン」と「キール・ロワイヤル」をよくお願いしています。
注意事項
■乾杯の仕方
居酒屋ではビールジョッキをぶつけあって
「かんぱーい」と大きな声を出すことが当たり前となっていますが
レストランでは、このような乾杯の方法はしません。
一般的に、グラスを目の位置まで持ち上げ
アイコンタクトをしながら「乾杯」とするのが正しい方法です。
レストランのグラスは高価で、非常に薄いガラスなので
強くぶつけるとグラスを傷める恐れがあるので注意しましょう。