わたしの目の前で、父が二人の男に襲われ、殺される夢で目が覚めた。目の前で起きた現実を受け入れられず、ショックの大きさに動けなくなる。
父が死んでしまったということへの深い悲しみ、目の前で起こった出来事に対する恐怖、わたしの世界が止まった。苦しい、その状況が苦しすぎて、逃げ出したくなるが、思うように動けない。
徐々に顕在意識が動き出したようで、目が覚めて行くのがわかる。これは夢なんだよ、新しい意識が混じり少しずつ緊張が解けて行く。目が覚めたと同時にパキっと現実へ戻された。
どういうメッセージだったんだろう?寝たままの状態で胸に手を当てていたが、直ぐに考えるのをやめた。
すべての残像が残っていた、生々しい感情も残っていたが、あえてそこに浸ることにした。
呼吸をととのえ仕切り直す。ネガティブな気持ちを強く感じることも、感情が復活することもなく、徐々に静かな自分へ戻り、再び眠った。
父は自死で人生の幕を閉じた。高齢だった。
わたしが旅に出ている最中のことだったので、わたしは父の最期を知らない。旅中は何故か、家族と連絡が取れなくなるような出来事が続き、日本で起きたことをわたしに知らせる術はなかった。
一方、わたしの方でも不思議な出来事が続き、漠然と何かが起きた、という事を感覚で理解していた。帰国前に、タイのアユタヤにある仏像の前で、具体的なメッセージが降りてきた。ここで初めて、想像もつかないような凄いことが起きた、ということを理解し心がざわついた。
この時のメッセージは、後に父からの声だということがわかった。
旅から帰国したと同時に空港で父のことを知る。まるでわたしの帰国を待っていたかの如く、葬儀場が混んでいたことで葬儀が4日保留になっていた。今日、焼かれると。
空港から家に喪服を取りに行きそのまま火葬場へ向かった。父が焼かれる直前、最期のお別れギリギリだった。日本 早朝着の便だったことを、どれほどありがたく思ったか。
父はわたしと一緒に旅をしていて、一緒に帰ってきたんだね、と親戚に言われた。その時、旅での不思議な出来事のすべてが一致した。涙が溢れて止まらなかった。
わたしは旅へ行く前日に父と会っていた。
その時「いいな、俺も一緒に行きたいなぁ」と言う父に「今度一緒に行こう」と歯切れの悪い口調で言うわたしの心中では、何故か、父と一緒に旅へ行くことはないような氣がして…いろいろなことが繋がった。
父の死から10年以上が経ち、当時の苦しい感情を感じることがなかったので氣にしていなかったが、あまりにも衝撃的な出来事だったので、まだ、その時の感情が残っていたのかも知れない。助けられなかった悔しさや、大好きな人を突然失ったショックが。
トラウマと言うよりも、溶かして切れていない感情の塊りを、溶かしてくれているような感覚。潜在意識下でのことなので、わたしはゆっくり呼吸へ意識を向けて、あとは宇宙のエネルギーにお任せする。
今、天体のエネルギーに合わせて、潜在意識の大掃除が行われている。
そういう時 わたしは、普段見ないような夢、毎日いろいろな夢を見る。あちこち、潜在意識の引き出しが開けられるのでわかる。
風の時代へ入る時も、夢の内容は違うが、同じことが起きていた。この時はかなりグロテスクな夢も多くハードだったが、今回はなんというかサラッとしている。ちょっと類の違う掃除のようだ。
時代の生まれ変わり、自身の生まれ変わりのタイミングで、潜在意識は書き換えられる。新しい時代を生きるための意識を与えてくれる。
父との記憶が、どのようにわたしの中で書き換えられるのかは分からない。ただ自分の見ている世界を信じて、宇宙にお任せするだけ。
