こんにちは、レゾナンスリーディング、

渡邊康弘です。

 

今年もっともハマった一冊、

ベンジャミン・ハーディー博士の

『Personality Isn't Permanent: Break Free from Self-Limiting Beliefs and Rewrite Your Story』について、

解説をしていきます。

 

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第一章では、「パーソナリティの神話」という章で書かれています。

神話というのは、少し日本人の印象とニュアンスが違うので、

迷信とここではとらえていきます。

 

第一章の前半では、バネッサ・オブライエンという登山家を事例に、

性格テストというのも、危うさを描いています。

 

バネッサ・オブライエン

https://en.wikipedia.org/wiki/Vanessa_O%27Brien

 

この章の中では、5つの性格に関する迷信

1.性格は 、「タイプ 」に分類することができる。

2.性格は、生まれつきもので固定されている。

3.性格は、あなたの過去から来ている。

4.性格は、発見されなければならない。

5.性格は、あなたの真実であり、 「本物のあなた」だ。

 

性格を少しくだいて、

あなたらしさや、わたしらしさと変えると、

本当に怖い。

 

1.わたしらしさは 、「タイプ 」に分類することができる。

2.わたしらしさは、生まれつきもので固定されている。

3.わたしらしさは、あなたの過去から来ている。

4.わたしらしさは、発見されなければならない。

5.わたしらしさは、あなたの真実であり、 「本物のあなた」だ。

 

この章では、この5つの迷信に関して書かれています。

 

迷信1.あなたらしさは、「タイプ 」に分類できる

 

マイヤーズ・ブリッグスによると、世界には16のタイプの人間がいるとされています。

パーソナリティ・テストは20億ドルの産業になっており、

その中でもマイヤーズ・ブリッグスのテストが最も人気があるそうです。

 

あなたが誰であろうと、またはどのように人生に現れるかに関係なく、

あなたの行動は "正常 "として受け入れられるべきである。

 

これがブリッグスの主張です。

あなたが恥ずかしがり屋なら、あなたの周りの人々は、彼らがあなたに対処する方法でそれを考慮する必要があります。

あなたが神経質な人ならば、彼らはあなたのために便宜を図るべきです。

あなたが親切で思いやりのある人なら、彼らは常にあなたがそのように振る舞うことを期待すべきです。

 

この有名なマイヤーズ・ブリッグスの性格テストに関しては、

多くの著名な心理学者が、その信ぴょう性について疑問を呈しています。

 

ウォートンのビジネス教授であり、組織心理学者であるアダム・グラント博士は、

「マイヤーズ・ブリッグスは、あなたがもっと好きなものは何かを人々に尋ねるようなものだ:

靴ひもやイヤリング?

有効な質問ではないにもかかわらず、『アハ!』となるだろうと推測しがちだ」

 

心理学という言葉が、万能であるかのように説明され、

ちょっと話しただけで、専門知識があるかのような錯覚に陥りがちです。

 

社会科学では、提案された理論のメリットを判断するために4つの基準があります。

(1)信頼性があるか、(2)妥当性があるか、(3)独立性があるか、(4)包括性があるか。

 

いずれも、この性格テストは、科学を装った迷信だと、ハーディ博士はいう。

 

あなたのパーソナリティは目標から生まれるべきです。

目標は人格から来るべきではありません。

 

起業家であり、ベンチャーキャピタリストであり、作家でもあるポール・グラハムは、

「自分にレッテルを貼れば貼るほど、

そのレッテルが自分を馬鹿にしている」

 

ある人が積極的に自分を「内向的」または「外向的」とレッテルを貼ると、

その人は正式に自分を「頭が悪い」人間にしてしまったことになってしまう。

 

ハーバード大学の心理学者であり、マインドフルネスの専門家である

エレン・ランガー博士は、

「何かが受け入れられた真実として提示されている場合は、

思考の代替的な方法であっても、検討のために出てこない」と述べています。 

 

 

 

人格心理学者のキャサリン・ロジャース博士は、

「私たちは、人格がタイプで動作しないことを知っています。私は自分の星占いを信頼するよりも、私の性格についての詳細を教えてくれるマイヤーズとブリッグスを信頼しないだろう」

 

 

あなたに合う 「タイプ 」として性格を見るのではなく、

柔軟性があり、可鍛性があり、文脈に基づいているなどの、

「行動」や「態度」の連続体として、受け入れるようになっている。

 

最も科学的に裏付けられた性格の理論では、

それを「5つの要素」と呼ばれるものに分解しています。

 

1.新しいことを学び、経験することにどれだけオープンであるか(新しい経験への開放性)

2.自分がどれだけ整理整頓されていて、やる気があり、目標に向かっているか(良心性)

3.自分がどれだけ元気で人とつながっているか(外向性)

4.他人に対してどれだけ親しみやすく、楽観的であるか(好感度)

5.ストレスなどのネガティブな感情との上手な付き合い方(神経症)

 

これらはタイプではなく、私たちが日々持っている日常。

私たちの日常の中で、経験や状況という連続性の中で、

これらを色濃くみることができる。

 

また、最近の研究では、人々は自分自身をより流動的で柔軟性のあるものと見なしたいと考えており、自分の性格を改善したいという具体的な欲求を持っていることがわかっている。

 

今の自分に満足していると答えた人は13%未満。

 

一般的には、開放性、良心性、外向性のスコアを高くしたいと考えている人が多い。

その多くは、この中でも、神経症のスコアを低くしたいと思っていました。

 

特定の理由で自分自身を改善したいと考えている人にとっては、

最近の科学は、そのような変化が可能であることを示しています。

 

ネイサン・ハドソン博士とクリス・フラリー博士による2015年の研究では、

目標設定と持続的な個人的な努力によって、

性格は意図的に変えることができることが示されているのだ。

 

また、クリストファー・ソト博士とジュレ・スペヒト博士の研究によると、

人は有意義で満足のいく人生を送っているときに、

性格の変化が加速することが示されています。

 

『Personality Isn't Permanent: Break Free from Self-Limiting Beliefs and Rewrite Your Story』

Benjamin Hardy著 

翻案:渡邊康弘

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いかがだろうか、いやぁ、本書はちょっと読むだけでも、

ものすごい内容なんですよね。ほんと好きな本です。

 

どうしても私たちって、「わたしらしさ」ってものを追いかけてしまう。

その結果、いろんなものを調べたりして、本当の私を追い求める。

 

また過去も絡んでると思い込む。

過去に、こういうことがあったから、トラウマとかコンプレックスがあると思い込む。

 

思い込むから、そういうトラウマとか、コンプレックスがある人間に、

自らなっていく。

 

ほんとシンプルなんだよね。

 

ベンジャミン・ハーディー博士の最初の迷信1では、

それに気づかせてくれる。

 

私らしさは、ラベルづけで、大きく左右されてしまうこと。

私らしさというものは、目標によって変えることができること。

 

いやぁ、学びになりますね。

 

非常におすすめの一冊です。