長い長い雨

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雨こそ降らねど

空を均一な雲が覆い隠していることがしばらく続くと

やはり気分はそれに支配されてしまいます。

街を歩くにも人々は傘を差しますから

それこそ都会ともなれば

傘がぶつかるのもおかまいなしに

先を急ぐ姿もあり

自分もどんどん他人を避けたり

時にはぶつかったり

ただひたすらに前を向いて

自分のペースで歩いていないと

ただ気を遣って疲れてしまうので

なんだか嫌な奴に成り下がってしまった気持ちになり

さらに気が滅入ってしまいます。

 

長く続くすっきりしない天気は

こうしてなかなか厄介です。

 

 

 

話はまだ続きます。

昨日、夜道を歩いていました。

 

歩きながらなんとなく空を見上げると

星がいくつか光って見えました。

見上げても見上げても厚い雲ばかりですっかりご無沙汰の星々でしたので

僕はなんだか胸が軽くなってきました。

 

さらに足を進めると

空き地から虫の音や

深い森を挟んだ向こうの田んぼから

カエルたちの声が聞こえてきました。

 

僕はいつものルートを変えて

真っ暗な場所へ寄り道をして帰ることにしました。

田んぼを見下ろせる場所に出ると

より一層カエルの声が大きく聞こえてくるようになり

湿気を含んだ柔らかな風が身体を包みました。

あれは木星でしょうか。

あちこちで星々が輝いており

森は黒く静かに繁り

遠くに住宅街の灯がきらめいていました。

 

なにもはっきり見えない溶け込むような暗さが優しくて

悲しくもなんともないのですが

僕はなんだか安堵して

泣きそうになってしまいました。

長雨の合間の休息のような、晴れた夜でした。