≪テレマンの街ハンブルクから 中之島をウィーンに!≫日本テレマン協会第250回定期演奏会 | 北十字の旅と音楽会記録が中心の日記

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旅と鉄道と温泉が大好き。
そして、クラシック音楽も好きなもんだから、音楽会を理由に、日本国内を旅しています。
音楽と旅を中心に、日記を書いていきます!

新和歌の浦のホテル(旅館)は2度目の訪問。古い建物ですが、食事は暖かいものは作りたてを提供してくれるし、今回はご飯がめちゃ美味しかったです。

前回は、バス停から素直に駅に行ってしまい 失敗したので、今朝はホテルからゆっくりと和歌の浦を散策。


御手洗池、東照宮、片男波海岸、妹背山(観海閣)など、長大な砂州と浸食に残った岩(島)との風景を生かした江戸時代の大観光地の名残りを観てまわりました。

↑砂州との潟の内陸の畔にあった松並木の名残り

↑片男波海水浴場。砂州の海側

砂州と陸を結ぶ不老橋

↑妹背山(島)に渡る橋は江戸時代のもの

↑妹背山と観海閣

その後、歩きついでに着いたのが、昨日訪問した 紀三井寺駅。そこから紀勢本線と阪和線で新今宮へ。

まずは床屋✂️💈
頭をサッパリさせて、スマートボールとたこ焼きの予定どちらもお休みだったので、難波まで移動。

金券屋で帰りの新幹線の切符とお昼代わりのたこ焼きのあと、天王寺まで散歩。黒門市場を久しぶりに通り抜けると、そこは外国人ばかりで超混雑。北海道産のバフンウニの価格に驚愕しちゃいました。


その後、めちゃ暖かい天王寺公園で日向ぼっこで時間調整。仕事上がりのお友だちと待ち合わせて、天王寺で早目の夕食。

お友だちに連れられて行ったお店は、『家で食べるより健康的な外食』を目指すお洒落なお店。素材の力を存分に使ったお料理は最高でした。
今日の定食はお味噌汁や小鉢から優しい味つけ。


デザートにいただいた『お茶の贅沢豆乳プリン』も最高。桜のソースは爽快な春の香り。


天王寺から淀屋橋まで、新しく変わった大阪メトロ 御堂筋線で移動。

 
≪テレマンの街ハンブルクから 中之島をウィーンに!≫日本テレマン協会第250回定期演奏会

協会創立55周年事業 ≪中之島をウィーンに!≫日本テレマン協会第250回定期演奏会

18時30分~
大阪市中央公会堂 3階中集会室




指揮:延原武春
ヴァイオリン:ウッラ・ブンディース
ヴァイオリン:浅井咲乃
テレマン室内オーケストラ(クラシカル楽器使用)
 
編成は6-5-4-3-2(チェンバロ 高田さん)の チェロを上手手前に置く配置でした。クラシカル楽器(ガット弦使用)で、弓はバロックではなくクラシカルボウを使用していました。

今日は自由席なので、前から3列目の中央やや左で聴きました。

最初の曲は
🎵C.P.E.バッハ:シンフォニア ロ短調 H.661 ; Wq.182/5
この不安定な気分屋のわけのわからない作品を、延原さんはとてもダイナミックに、不協和音もそのままガツンと響かせての演奏。強弱、緊張と弛緩の繰り返しがはっきりと示された演奏でした。
第1楽章では、ちょっぴり不安を感じたヴァイオリンも、第2楽章からは しっかりと『不安定な』音楽を奏でました。

続いて第1ヴァイオリンに座っていた2人がソリスト(第2ヴァイオリンのトップの三谷さんがコンミス)となって
🎵W.A.モーツァルト:2つのヴァイオリンのためのコンチェルトーネ ハ長調 K.190
この作品は2つのヴァイオリンの他に、常に第1オーボエがソロとして絡み、また、後半の楽章ではチェロのソロも目立つ、4つのソロの協奏交響曲のスタイル。ということで、延原さんは、オーボエ2本をヴィオラの前に置きました。そのため、指揮者の上手側にオーボエ~チェロと(2人ずつ座って)並び、下手にヴァイオリン2人が立って演奏するという配置になりました。また、この作品まで 高田さんのチェンバロが入りました。
オーボエ:松本剛
チェロ:曽田健
第1楽章からブンディーズさんと浅井さんのガット弦の温かな音色がとっても柔らかく、優しさあふれるモーツァルトが聴けました。オーボエはクラシカル楽器のコントロールの難しさを感じてしまうあたりが、もう一歩。この作品ではソロの楽器をメインに オケは控え目のバランス。
それにしても第2楽章の突然の終わりかたなど、この作品の(特に第1、第2楽章は)モーツァルトらしからぬ感じを受けるのは、私だけであろうか? モーツァルトのヴァイオリン協奏曲でいえば、第6番や第7番の問題もあるので、なおさらそう感じてしまう。
第3楽章のメヌエットは 優雅でしなやか。ここではヴァイオリン2本の響きに対して、オーボエとチェロのソロどうしの絡みの対比も良かったです。
この珍しい作品が聴けて良かったです。

休憩のあとは
🎵F.J.ハイドン:交響曲 第101番 ニ長調 「時計」
延原さんのハイドンは、どの作品を聴いても 健康的で気持ちがいい。
今日は『EMB』のミニチュアスコアを見ながら聴きました。
序奏からsfをはっきりと出す、コントラストの強い表現で開始。
プレストの主部は、ものすごく心地よいテンポとバランス。私的には チェロとコントラバスがくっきりと旋律とともに耳に入ってくるのが良かったです。
あだ名の元となった第2楽章。ここはやっぱりクラシカル楽器の木管の響きが素敵でした。また、ティンパニも強めに叩くものの、撥は柔らかなものを使ったようで、まろやかな響きが木管にもしっかりと溶け込んでいました。そして もうひとつの注目点、最初にヴィオラが出てくる24小節目の三重音のピチカート。ギターのように弾くやり方(ブリュッヘンさんのように壊れた時計のような弾かせ方)もあるのですが、今日は真面目に崩すことなくまとめました。
メヌエットの第3楽章。ここではフルートのソロが活躍。ひなびた音色を存分に堪能できました。またトリオでは、それに絡むファゴットも愉しげ。ただ、フルートは繰り返しのあとに、ちょっぴり装飾を加えていたところがあったものの、全体的には楽譜通り。せっかくのソロの絡みなのだから、反復後は装飾を加えて、それをフルート→ファゴットのエコーのようにしてもいいのでは…とも思いました。
第4楽章も速すぎず、心地好いテンポで角が取れた 柔らかな響きが素敵でした。唯一、コーダの弦楽器だけの箇所の最後の260小節のみ、大胆にテンポを落としたのが、私にはとても新鮮に響きました。
そしてアンコールとして その「時計」の終楽章のコーダ、弦楽器だけのところから弾いたのですが、延原さんは そこをすべてアダージョのテンポで弾かせてから、fの261小節から速いテンポにしての演奏をされました。私的にはそちらがすごく魅力的に響いたのですが、それって私のへそ曲がり的な趣向なのでしょうか?

重要文化財の建物の中で行われる、めちゃ愉しく、素敵な演奏会。大満足です!


今日は大阪駅まで歩く危険(終車を無視した行動!)を避け、淀屋橋から御堂筋線で新大阪まで行きました。
新大阪からは始発の最終の東京行き『のぞみ』に間に合いました。

充実した今日、そして4日間でした。