ご覧になった方も多いかも知れませんが、NIPT(新型出生前検査)についてのヤフーニュースオリジナル特集を紹介します。書いたのはノンフィクション作家さんであり、過去にも羊水検査に関するノンフィクションなどを出版されている方のようです。現状から問題点まで極めて深く勉強されています。言い方はあれですが、その辺の産婦人科医よりよっぽど造詣深く、その取材力と相まって、NIPTを取り巻く様々なことに真正面から迫っています。

 

以前、筆者も出生前診断についての特集を組んで、それなりの内容にまとめて、これはこれでよかったと思いたいところですが、この記事には恐れ入りました。非常に興味深ものとなっておりますので、NIPTについて知りたい方は、ぜひお読みいただきたくご紹介いたします。

 

 

 

なお、日本では実質的に女性に人工妊娠中絶の権利があるかのような状態になっており、事実上そういう状態であるということに対しては、ほぼ異論の余地はないのですが、法律上の規定は実態とはだいぶ異なります。堕胎は犯罪(堕胎罪)であり、例外規定として「当該女性の妊娠継続・分娩が身体的または経済的理由により母体の健康を著しく害するおそれのある」場合(等)に、医師会が指定する医師が本人及び配偶者の同意を得て人工妊娠中絶を行うことができる、と決まっているだけですから、法律を厳密に解釈すれば、医師に人工妊娠中絶を行う権利があるだけであって、女性に「産まない選択」をする権利があるわけではありません。もちろん、こんな厳密論が持ち出されることは、裁判や司法試験、医師国家試験、産婦人科専門医の試験くらいであり、実際にはあたかも女性に「産まない選択」があるかのような運用になっているという理解で特に大きな問題はありません。

 

【過去の出生前診断シリーズ】

出生前診断【1】はじめに

出生前診断【2】染色体異常とは
出生前診断【3】各検査の特徴「上」
出生前診断【4】各検査の特徴「下」 NIPT
出生前診断【5】NIPTと影

出生前診断【6】最後に