先日 新聞を読んでいて、 「 永訣 」というワードに引っかかり、いろいろ思い出していたけど、今回は、「 榧 」。




この字、フリガナがついてなければ読めない。



かやの木って私は見たことがない。

だけど、実は見たことがある。



それは、10年くらい前に、京都の随心院に行ったときだ。

随心院は、小野小町ゆかりのお寺。

その頃、なにかの雑誌で、とても綺麗な襖絵が紹介されていて実物を見たくて訪れたのだった。

桃色ベースの いまでいうとっても映える、SNS向けの襖絵。

見ていてなんとも楽しくなるような気分にさせてくれる襖絵だった。




小野小町といえば 百夜通いの深草少将。

小野小町から百夜通って来たら、思いに応えてあげましょうといわれて、毎日通ったという。

訪ねてきた証に カヤの実をひとつ置いて。



百夜め。

病に倒れて思いは叶わず。




そのカヤの実が 小野小町が過ごしていたといわれているお部屋に置かれていた。

もちろん当時のものではないけれど。




私の読んだ新聞の短な随想は、作者の母と祖母が眠っている墓に、小さな爪楊枝ほどの実生を見つけ、よくみたら、墓地に斜めに立っている榧の木の子どもだと気づいたということだった。





それを持ち帰り、鉢に移して庭の隅に置いたら、年々少しずつ大きくなっている。

という内容だった。




片平なぎささん主演の 「 赤い霊柩車 」シリーズでも 最近再放送で、この榧の実の話があった。





小野小町の時代の榧の実が いまも根を張り、数は減ったけれど 京都の町に残っていると知ったら、榧の木を見てみたいなあと思った。