N43 pp | Garage Full Scale 奮闘記 - Amebaブログ

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LOTUS車のレストア記事。他に「Dr. AMP Lab.」名義の記事も収録。

今年の1月に「N43 Single」を製作した。https://ameblo.jp/renshaoyaji/entry-12786820709.html

その時以来、デスクトップ・オーディオとして現用中である。
 

さてその後、「B7Gソケット」を採用する英国小型出力管のppアンプの製作を進めてきた。「PEN36C pp」、「PT4(PENA4) pp」に続いて今回は表題の「N43 pp」の番。

 

どの真空管もプレート電圧は250V程度で、バイアス電圧も10V以下と高感度なので、初段兼位相反転には「ECC83/12AX7」の差動増幅で充分。今回使用したPTには「70V」タップが設けてあったが、シリコンダイオード整流で「5V」端子が余ったのでこれを利用。お陰で電解コンデンサーがコンパクトで済んだ。

チョークは往年の山水製「C5-200(5H200mA)」で、OPTはやはり山水製「SW-15-4」。

本来は「6RA8 pp」辺りの用途だがこの際、目を瞑る。シャーシーは前々作、前作と同じ、TAKACHI「SRDSL-8HS」。同じレイアウトで考えていたが、シャーシーパンチを打ち終えてふと気付いた。「PEN36C」や「PT4(PENA4)」に比べて、「N43」は「KT44」と同サイズで太っちょなのである。

急遽図面を訂正して、出力管を横並びから前後展開させて何とか納めた。

配線はいつもの如く。配線の美しさで商品価値を上げるという発想はないので、所詮は素人芸である。ハム音や発振と言ったトラブルが無ければ良かろう。

測定3種上程。


これまた素人の測定か。中古で手に入れたオーディオアナライザーも随分古ぼけて信頼性が落ちてきたかな?まぁ同輩という事で今後も付き合って行こう。
無帰還で約4W、周波数特性も蒲鉾。ppだけあって歪み率はそれ程悪くない。
例によって「4Ω」端子をアースして、「0Ω」と「16Ω」端子からカソード・フィードバックを戻す。帰還量は何と「10dB」であった。そこからトータルのNFBを「-6dB」戻して、

10KHz方形波のリンギングを納めるべくマイカコンを選択。

結果的に20KHzまでフラットは行かないが、ダラ下がり状態で可聴域外にもこれと言ったピークは無い。それにしても低域の延びが半端ない。理論上、159/470×(0.068+0.01)=4.3Hzなので相応か?ちなみにD.F.=1.8程度
出力はシングルの丁度2倍の「4W」程度。少々残念な結果にも思えるが、出てくる音は前作「PT4(PENA4) pp」と少々趣が異なる。音の粒建ちの良さ、奥行きの再現は申し分ないが、加えて中低域の力強さが印象的である。それはLab.の「TANNOY コーネッタ」、ブックシェルフの「TANNOY E-11」、果ては「TANNOY Autograph」でも同じ印象であった。特にモニター的要素の強い「HPD-295A」入りのコーネッタでは、思いの外前に出てくるサウンドで、JAZZ/ポピュラー/ヴォーカル系も結構いける。高域に透明感があるにも関わらず、刺激感の無い音である。通常の試聴レベルでは充分。メインシステムに据えても堪えうる。Mullard系とは違った、Osram/M.O.Valveの世界を感じさせた。