DR-50 帰省 | Garage Full Scale 奮闘記 - Amebaブログ

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LOTUS車のレストア記事。他に「Dr. AMP Lab.」名義の記事も収録。

友人のべ「べーやん」ことベーシスト向けにまず「BAG-1」なるディストーション・プリアンプを、1994年に製作した。10年ほど前に里帰りして各部チェックしたが、やや電圧が下がり気味だった他は特に問題なく、また活躍している事と思う。
https://ameblo.jp/renshaoyaji/entry-12469633970.html
https://ameblo.jp/renshaoyaji/entry-12469634119.html

それに引き続き製作したギターアンプが、定番の「EL34/6CA7」をメインに採用した「DR50」。PT:TANGO ST-250、CH:TANGO 3H250、OPT:HAMMOND 1650R の組み合わせ。

当初プリ部は「6SL7~6SN7」で組み立てたようだが、イマイチだったので無難な「ECC83/12AX7~ECC82/12AU7」に変更。とにかくそれまでのソリッド・ステート製と全く異なる音にビックリして、可搬性の悪さにもめげず、愛用の一台になった模様。

振り返ってみれば道理で、ソリッドステート製のアンプに比べダンピングファクターが低く、特に低音の浸透性は優れているのである。

閑話休題、その「DR-50」が帰省してきた。どうやらTESLA製「EL34」が寿命を全うしたようだ。組み立ててからもう四半世紀以上経っているので、ハードな使用環境を考えると持った方と言うべきか?

こと「EL34」に関しては、オーディオの世界でもギターアンプの世界でも、「Mullard」製が一番と言われているが、ほぼ半世紀の歴史をもつ当「Dr. AMp Lab.」にも在庫は無い。1990年代に専ら入手可能であった「TESLA製」も在庫はボチボチ。そこで在庫の中古アンプから「抜き球」した。ドナーはLUX/MQ-70」と「LUXKIT/A3700Ⅱ」に挿さってた「松下/6CA7」である。いわゆる中古球であるが、そこはetracerで「Ip,gm」をチェック。一番使い古された球でもエミッションは70%位なので、ギターアンプとして残りの寿命を全うしていただこう。


中古の「松下/6CA7」の中でも特製の揃っていた2本を挿して通電。ココが肝心な所。
出力管のカソードには「10Ω」の抵抗が入れてあり、テストポイント(TP)が出してある。

アナログでもデジタルでも構わないのでテスターを繋いで「電圧」を測定して下さい。


画像の如く「0.521V」なら、真空管のプレート(及びスクリーン)電流は「52.1mA」です。

この電圧が「0.5~0.6V」程度の範囲に収まるよう、バイアスのボリュームを調整して下さい。

オーディオ・アンプではさらに「DCバランス」の調整VRを追加しますが、ギターアンプなので省略しています。各々のTPで「0.05V(=5mA)」程度違っていても問題ありません。

シャーシー内部の配線は、今では考えられない位の混雑ぶり。若気の至りというか何と言うか。

今では入手困難な部品も多数見られるので、問題が無ければこのままの状態で使っていただこう。尚、各部の電源電圧は製作時と遜色ありませんでした。

次回のギターアンプは「DR-100(EL34 ppp)」の予定。トランスもシャーシーもギミックも揃っているが、時間が取れないのが悩みの種。気長に待っててね。おっと、お互い残された時間がそれ程多くないので急がねば。では。