2A3 Single あれこれ | Garage Full Scale 奮闘記 - Amebaブログ

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LOTUS車のレストア記事。他に「Dr. AMP Lab.」名義の記事も収録。

本稿は、SUNVALLEY/SV-S1616D 「2A3仕様」 TANGO TRANS Version 
https://ameblo.jp/renshaoyaji/entry-12749534047.html
の後日談と言う位置づけで良いと思う。

目の前に3台も「2A3 Single」アンプが転がっているので、前段球も含め取っ替え引っ替えしてみたので、備忘録代わりに。

2A3 Loftin-White (modified) Single その後
https://ameblo.jp/renshaoyaji/entry-12662964951.html


は、やはり一番音が前に出てくる。高域は音量を上げるとやや荒い。これがLUX SS5B トランスに起因するかどうかは怪しい所。やや小音量でもくっきりと聞こえるのが美点か?フィラメント・バイアス電圧を25W/3KΩで持ち上げているので発熱がやや多い。それと水銀整流管のヒートアップに3分間のタイマーをかましているので、忙しい人には不向きかな?

6F8G drive 2A3 Single
https://ameblo.jp/renshaoyaji/entry-12469695247.html


は、製作後なかなか安定せず逡巡していたが、心機一転。入力VRは開度によってノイズが乗る事もあるが、プリアンプの使用を前提にVR全開なら問題なし。L-chの音が不安定だったのはドライバー段のプレート抵抗(Vishey製)の不良と判明。目を瞑って手持ちの1W型酸化金属皮膜抵抗に交換したら治った。6F8Gは聞き慣れない球だが、6SN7と同規格。ST-14型で双3極管の片方がトップ・グリッドになってる。ローμ管の2段増幅は、地味だが手堅い。12E1 SingleでもPX-25 Singleでも良い結果を残している。安定した所で改めて聴き直してみると、奥行きの再現も良いし、何だかオールマイティ。後述のSUNVALLEY/SV-S1616D 「2A3仕様」 TANGO TRANS Versionに比べ、少しふっくらした音で好ましい

で、改めSUNVALLEY/SV-S1616D 「2A3仕様」 TANGO TRANS Version


直後に製作したSUNVALLEY/SV-S1616D 「300B仕様」 LUX TRANS Version が強烈な印象だったので霞んでしまいそうだったが、エージング~何しろ何十年かぶ振りに通電したので~が進んで、随分と本来の持ち味が出てきたようだ。余り書くとネタバレで怒られそうだが、前段はECC81/12AT7とECC82/12AU7のSRPPドライブ。6F8G(6SN7)の2段増幅より増幅度が高く、出力インピーダンスも低い。オールJJ製で挑んだが、少し高域の滑らかさに欠ける。当初はそれもこれもアメ球の2A3の特徴かと思っていたが、棚に転がっていたTELEFUNKEN製(たぶん東独?)ECC81LUX製(東芝かNEC製と思われる)12AU7に交換した所、激変!

高域も滑らかになり、とげとげしさも無くなり、まともにクラッシックが聴ける。これは正解だった。

尚、整流管はRCA/5U4GからUnited Electron(商社箱だがMade In ENGLANDのプリントが)に交換したが、余り変化が感じられず、勢い余ってUSSR製5U4G(内部構造は先のUnited Electron/5U4Gと全く同じ!)でもさして変化はなかったので、USSR製5U4Gのままとした。

余談ながら、LINLAI/2A3Bに差し替えてみると、何か物足りない。

おとなしすぎる、優等生的な音?最新のラ技誌にも取り上げられているが、シングル・プレート、黒色の粉吹き(?)プレート、タイト・ベースと大層立派だが、やはり往時のJAN・CRC/2A3に軍配を上げる。

<まとめ>
①ペントード(6J7・WE348A)一発ドライブ+グリッド・チョーク→解体
②ハイμ管(12AX7)一発によるロフチン・ホワイト→解体
③ローμ管(6C5・6J5・L63)一発+トランスドライブ→何かが少し足りない?
④ローμ管(6F8G)2段増幅→満足
⑤ローμ管(6SN7)2段増幅+ロフチン・ホワイト→微妙
⑥中μ管(ECC81/12AT7)+ローμ管(ECC82/12AU7)SRPPドライブ→満足


うーん、あとやってないのはカソード・チョーク結合とカソード・フォロワーかな?